事件の概要
※段位・称号は対局当時
NHK杯において、対局前に対局者にそれぞれインタビューを行うのが慣例となっている。そして佐藤紳に対するインタビューのとき、彼はなにかをかぶりつつ
「豊島? 強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど……俺負けないよ。え〜、こまだっ、駒たちが躍動する俺の将棋を、皆さんに見せたいね。」
とゆらゆらと揺れながらプロレス風にコメントをした。
そして実際の対局では豊島がコテンパンに佐藤紳を破り、視聴者はまさに「豊島? 強いよね」状態になった。この出来事がきっかけで、豊島が勝つと「豊島? 強いよね」、負けると「豊島? 弱いよね……」とネット上で書かれるのがお約束になり、本人が言ったわけでもないのにネタにされている。ちなみに佐藤紳は豊島にカツラをつけて対局することを事前に話していたようで、豊島は「事前に教えてくれるとはいい人だ」と思ったとのこと。なお言われた感想としては「ふざけたコメントに見えるけど、プロとして弱点をなくすことを意識してやってきていたので、隙がないというのはそこを評価されたようでうれしかった」とのこと。
当人も翌年度のNHK杯の解説で「序盤、中盤、終盤」のフレーズをぶち込むなど、意外と楽しんでいるようである。
その影響力
同年に行われた第62回NHK杯2回戦、橋本崇載八段―羽生善治NHK杯戦では対局前インタビューにおいて
「羽生さん(havesan)?強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけどオイラ負けないよ」「えー駒たっ・・・駒たちが躍動するオイラの将棋を皆さんに見せたいね」
と発言。このとき解説の阿久津主税八段も思わず苦笑いしていた。
その後も多くの棋士が(さりげなく)このセリフの一部を使用するなど、このフレーズは強烈なものであった。
pixivにおいて
pixivにおいても、セリフの言い回しの良さから多くのイラストが描かれている。
余談
「序盤、中盤、終盤、隙がない」という言い回しはそれ以前からある一種の常套句であり、別に佐藤紳が発案したネタではない。彼がウケたのは、その言い方と小刻みに揺れる不穏な挙動、そして何よりそれを格調の高いNHK杯でやったことにあるのだ。
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