基本プロフィール
将棋界において初の平成生まれのプロ棋士である。2023年4月からはTwitterアカウントを開設した(詳細は関連リンク)。
棋歴
年度 | 主な成績 |
---|---|
1999年度 | 9月に桐山九段門下として6級で奨励会入会。 |
2007年度 | 第40回三段リーグで14勝4敗1位の成績をおさめ、4月1日付で四段昇段(プロ入り)。 |
2010年度 | 第60期王将戦で前年度に引き続き王将リーグ入り。羽生善治名人、森内俊之九段といった並み居る強豪を破り、最終成績5勝1敗で初のタイトル挑戦を決め、規定により六段に昇段した。久保利明王将との番勝負は2勝4敗で敗退。 |
2014年度 | 第62期王座戦挑戦者決定戦で丸山忠久九段を破り挑戦権を獲得。羽生王座との番勝負は2勝3敗で敗退。 |
2015年度 | 第86期棋聖戦挑戦者決定戦で佐藤天彦八段を破り、挑戦権を獲得。羽生棋聖との番勝負は1勝3敗で敗退。 |
2016年度 | 第37回将棋日本シリーズで、佐藤天名人に勝ち全棋士参加棋戦初優勝。第75期順位戦B級1組において8勝4敗の成績を収め、順位差で2位となり自身初のA級昇級と八段昇段を決めた。 |
2017年度 | 第67期王将戦挑戦者決定リーグ戦において5勝1敗で1位となり、久保王将への挑戦を決めたものの、またもや2勝4敗で敗退となった。 |
2018年度 | 第89期棋聖戦挑戦者決定戦で三浦弘行九段を破り挑戦権を獲得。羽生棋聖との番勝負を3勝2敗で制し、初タイトルとなる棋聖位を獲得した。59期王位戦の挑戦者決定戦で羽生竜王を破り、菅井竜也王位への挑戦権を獲得、番勝負では4勝3敗で奪取。王位を獲得し、自らの手で作り出した7大タイトル群雄割拠状態をこれまた自分の手で早々に終止符を打し、二冠王となった。 |
2019年度 | 第77期A級期順位戦で8勝1敗の成績で佐藤天名人への挑戦権を獲得。番勝負は4連勝で名人位を奪取し、規定により九段へ昇段。将棋界史上9人目の三冠王になると共に、平成生まれ&令和時代に入って初の名人となった。第90期棋聖戦で渡辺明二冠の挑戦を受けたが、1勝3敗で敗れ棋聖位失冠。第60期王位戦で木村一基九段の挑戦を受け、3勝4敗で敗れ王位失冠。一冠へと後退。12月、第32期竜王戦で広瀬章人竜王から4勝1敗で竜王位を奪取。史上4人目の竜王・名人となった。 |
2020年度 | 第78期名人戦で藤井棋聖から棋聖位を失冠したばかりの渡辺二冠との番勝負において2勝4敗で敗れ、名人位を失冠。第5期叡王戦では挑戦者決定戦で渡辺名人を破り、挑戦権を獲得。永瀬拓矢叡王との番勝負を4勝3敗2持将棋1千日手という死闘の末、初の叡王位を奪取。再び二冠に復帰した。第33期竜王戦ではタイトル100期を目指すレジェンド羽生九段の挑戦を4勝1敗で退け、自身初の防衛を果たした(また、2020年度の複数冠保持も確定した)。 |
2021年度 | 第62期王位戦紅組リーグで優勝、挑戦者決定戦で白組優勝の羽生九段に勝利し藤井聡太王位への挑戦権を獲得するも1勝4敗で挑戦失敗。また第6期叡王戦は藤井二冠の挑戦を受け2勝3敗で失冠。また、第34期竜王戦でも藤井三冠の挑戦を受け初戦から4連敗を喫し失冠、王位戦・叡王戦を合わせた『19番勝負』豊島の3勝11敗で終わり、3年ぶりの無冠に転落したが、将棋日本シリーズ(JT杯)で藤井四冠に一矢を報い連覇を果たした。また、第71回NHK杯テレビ将棋トーナメントでは決勝で松尾歩八段を下し、自身初のNHK杯制覇を成し遂げた。 |
2022年度 | 第63期王位戦紅組リーグで4勝1敗で優勝し、挑戦者決定戦で白組優勝の池永天志五段に勝利。2期連続で藤井聡太王位への挑戦権を獲得した。藤井王位との番勝負は1勝4敗で敗退。第70期王座戦では挑戦者決定戦で大橋貴洸六段に勝利。8年ぶり2回目の挑戦権を獲得し、永瀬王座との番勝負は1勝3敗で敗退。2022年度は5年ぶりにタイトル獲得・棋戦優勝がない年となった。 |
2023年度 | 第36期竜王戦ではランキング戦2組で優勝し、1期での1組復帰となった。第71期王座戦では2年連続で挑戦者決定戦に進出するものの、藤井聡竜王・名人に敗北。連続挑戦を逃すとともに、藤井聡の八冠挑戦を許した。 |
棋戦優勝履歴
八大タイトル戦(登場予定も含む)
※は現在保有しているタイトル
棋戦名 | 獲得数(年度) | 登場回数(年度) | 備考 |
---|---|---|---|
竜王 | 2期 (2019・2020年度) | 3回 (2019年度~2021年度) | |
名人 | 1期 (2019年度) | 3回 (2019・2020・2024年度) | |
叡王 | 1期(2020年度) | 2回 (2020・2021年度) | |
王位 | 1期 (2018年度) | 4回 (2018・2019・2021・2022年度) | |
王座 | - | 2回 (2014年度・2022年度) | |
棋王 | - | - | |
王将 | - | 2回 (2010・2017年度) | |
棋聖 | 1期 (2018年度) | 3回 (2015・2018・2019年度) |
計6期(登場19回)
一般棋戦
棋戦名 | 優勝回数 | 備考 |
---|---|---|
将棋日本シリーズ | 3回 (2016・2020・2021年度) | |
銀河戦 | 1回 (2019年度) | |
NHK杯テレビ将棋トーナメント | 1回 (2021年度) |
計5回
余談
棋風
棋風は居飛車、振り飛車、相振り飛車、対抗型のいずれも指しこなし、また、攻め合いの将棋も持久戦も指す典型的なオールラウンドプレーヤー。ソフトを用いた研究を重視する研究派。
豊島?強いよね事件
第62回NHK杯将棋テレビトーナメント1回戦第3局で、佐藤紳哉六段による豊島との対局前インタビューで、格闘技やプロレスの煽りのような受け答えをされ、有名になった。
「豊島?強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ」
「序盤、中盤、終盤、隙がない」自体は将棋界ではよく用いられるフレーズなのだが、それをNHK杯のインタビューでやったというのが特筆なのである。煽られた本人も印象は良かったらしく、翌年度に解説を担当した際に対局者の棋風を紹介する形でネタにしている(司会の人は反応に困っていた)。
※詳細は「豊島?強いよね」事件を参照のこと
タイトル戦での不運
タイトル戦に4回挑戦するものの、すべて挑戦失敗したため、「無冠の帝王候補」という不名誉な二つ名をつけられかけていたが、羽生から棋聖を奪取し見事返上。プロ入りから11年目にして汚名を返上した。
一方でタイトルを棋聖、王位、名人と全て失冠し「獲得できる」が「防衛できない」という謎のジンクスを抱えていた。
しかし2020年の第33期竜王戦にてタイトル獲得通算100期を目指す挑戦者として登場した羽生を相手に4勝1敗で初防衛。見事ジンクスを打破した。
豊島竜王の防衛戦記録
棋戦 | 対局相手(当時) | 勝敗(豊島から見て) | 結果 |
---|---|---|---|
棋聖戦 | 渡辺明二冠 | ○●●● | 失冠 |
王位戦 | 木村一基九段 | ○○●●○●● | 失冠 |
名人戦 | 渡辺明二冠 | ●○○●●● | 失冠 |
竜王戦 | 羽生善治九段 | ○●○○○ | 防衛 |
叡王戦 | 藤井聡太二冠 | ●○●○● | 失冠 |
竜王戦 | 藤井聡太三冠 | ●●●● | 失冠 |
藤井聡太キラーとしての実績
将棋界屈指の藤井聡太キラーとして知られていた。(第62期王位戦開始時点で豊島の6勝1敗)2020年10月5日に行われた第70期王将戦挑戦者決定リーグでの対局では一時AI評価値が「藤井:豊島=99:1」からの大逆転勝利を果たしている。
しかし2021年には、王位戦防衛戦初戦で勝利を収めて以降同防衛戦は4連敗、保持していた叡王位もフルセットまで持ち込むも惜敗して失冠、竜王戦は4連敗を喫してすべてのタイトルを藤井に奪われて無冠となってしまう。以降は対藤井戦で苦戦するようになり対戦成績は2023年2月時点で11勝20敗と大きく負け越してしまった。
それでも4連敗で終わった第34期竜王戦の後で行われた将棋日本シリーズ決勝で雪辱を果たすなど、藤井1強時代に抗う姿を見せている。
また藤井聡太にもっとも多く黒星をつけている棋士という事実は変わっていない。
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「豊島?強いよね」事件 …「豊島将之」の名を世間に知らしめた迷事件
糸谷哲郎 稲葉陽 村田顕弘 ...「関西若手四天王」のメンバー。村田を除き全員がタイトル戦登場経験者かつA級在籍経験者である。