基本プロフィール
※銀河戦でのみ用いられる呼称。
棋歴
年度 | 主な成績 |
---|---|
1985年度 | 研修会より佐瀬名誉九段門下として6級で奨励会編入。 |
1990年度 | 第6回三段リーグで14勝4敗2位の成績をおさめ、同年4月に四段昇段(プロ入り)。また、このとき同時昇段したのは同世代の郷田真隆九段であった。 |
1992年度 | 第14回オールスター勝ち抜き戦で5連勝以上を達成し、棋戦初優勝。 |
1994・1995年度 | 第25回・第26回新人王戦でそれぞれ郷田真隆五段、深浦康市五段を破り、2連覇を達成。 |
1997年度 | 第56期B級1組順位戦で史上初のB級1組12戦全勝(※1)でA級昇級と八段昇段を決める。 |
1998年度 | 第17回全日本プロトーナメントの決勝五番勝負で森内俊之八段を3勝0敗で下し、全棋士参加棋戦優勝。 |
1999年度 | 第47期王座戦挑戦者決定戦で郷田八段を破り初のタイトル挑戦を決める。羽生善治王座との番勝負は1勝3敗で敗退。第20回将棋日本シリーズで羽生四冠を破り優勝。 |
2000年度 | 第58期名人戦で佐藤康光名人との番勝負を4勝3敗で制し、初タイトルの名人位を獲得。名人1期獲得により九段昇段。(五段から九段まで全て順位戦の昇級で昇段したのは谷川浩司九段に続き史上2人目)。第34回早指し選手権では羽生五冠を破り全棋士参加棋戦優勝。 |
2001年度 | 第22回将棋日本シリーズで羽生四冠を破り、V2を達成。第35回早指し選手権では屋敷七段を破り、2連覇を達成。第59期名人戦では谷川九段の挑戦を退け、2連覇を達成する。 |
2002年度 | 森内俊之八段に4連敗のストレートで名人を失冠するが、第28期棋王戦挑戦者決定戦で郷田八段を下し挑戦権獲得。当時12連覇中の羽生棋王との番勝負を3勝2敗で制し奪取。羽生の棋王13連覇を阻止したことが評価され、将棋大賞の殊勲賞を受賞する。 |
2003年度 | 第74期棋聖戦挑戦者決定戦で郷田九段を破り挑戦権獲得。佐藤棋聖との番勝負は3連敗で敗退。棋王戦では谷川九段に1勝3敗で敗れ失冠する。 |
2005年度 | 第55回NHK杯テレビトーナメントで渡辺明竜王に勝ち全棋士参加棋戦優勝。 |
2007年度 | 5月、通算600勝(将棋栄誉賞)達成。 |
2011年度 | 第24期竜王戦挑戦者決定三番勝負で久保利明二冠を2勝1敗で下し挑戦権獲得。渡辺竜王との番勝負は1勝4敗で敗退。第70期A級順位戦では2勝7敗の成績となり連続14期在籍したA級の地位から陥落した。 |
2012年度 | 第25期竜王戦挑戦者決定三番勝負で山崎隆之七段を2勝1敗で下し2年連続の挑戦権獲得。番勝負は1勝4敗で敗退。 |
2016年度 | 第29期竜王戦挑戦者決定三番勝負で三浦弘行九段に1勝2敗で敗れるものの、三浦九段がソフト使用疑惑のため出場停止となり、繰り上げで竜王戦七番勝負に出場。渡辺竜王との番勝負は3勝4敗のフルセットの末敗退。 |
2017年度 | 第76期B級1組順位戦で2勝8敗の成績でB級2組へ降級。名人在位経験者がB級2組に降級するのは、加藤一二三九段以来史上2人目となった。 |
2019年度 | 第78期B級2組順位戦では9勝1敗の成績で2期ぶりのB級1組への返り咲きを果たした。 |
2020年度 | 第33期竜王戦にてランキング戦2組2位の位置から挑戦者決定三番勝負まで進むが、羽生九段に1勝2敗で敗れ挑戦権を逃した。第79期B級1組では3勝9敗の成績となり、1期でB級2組へ降級となった。 |
2021年度 | 第80期B級2組では8勝2敗の成績となり、再び1期でのB級1組復帰を決めた。 |
2022年度 | 第81期B級2組では4勝8敗の成績となり、再び1期でB級2組へ降級となった。 |
2023年度 | 第31期銀河戦で藤井聡太を下して初優勝。 |
※1…2021年8月時点でB級1組を全勝で抜けたのは丸山と渡辺明(2018年度)のみ。なお渡辺は前期A級から陥落しての12戦全勝だったため、全勝1期抜けは丸山ただ一人。
棋風
- 居飛車党。序中盤でリードして逃げ切る戦い方、接近戦を得意とする。角換わりや横歩取りを得意としている。中でも後手番一手損角換わりのエキスパートとして知られており、棋界一と定評。2019年には「一手損角換わりをはじめとした角換わりの研究」として升田幸三賞特別賞が贈られた。
- 2020年の竜王戦挑戦者決定トーナメントでは、当時、史上最年少で初タイトルを奪取した直後で絶好調だった藤井聡太棋聖を得意の一手損角換わりで粉砕した。
- なお両者は初対局であった。この敗北によって藤井18歳最初の対局は黒星に終わり、かつ最年少竜王獲得が事実上不可能となった。(※2)
- 更に言うと翌年の叡王戦本戦準決勝で再び対決がなされ、またも丸山の一手損角換わりとなったが今度は藤井が雪辱を果たす形となった。
- 2023年、その数日前に前人未到の八冠を達成した藤井と銀河戦決勝で再戦、角換わりで快勝し、藤井八冠に初めて黒星をつけた。これにより銀河戦史上最年長優勝記録を更新すると共に、藤井と複数回対戦して勝ち越している数少ない棋士の一人となった。
- 丸山の他には深浦康市(3勝1敗)、大橋貴洸(4勝2敗)がいる。
- …というより相居飛車では基本先手番角換わりか一手損角換わりか横歩取りしか指さず、全ての戦型をある程度全て習得する棋士が多い居飛車党では珍しく戦法にこだわりを持つスペシャリストタイプ。
- 優勢になってからも勝ちを急がず、相手の手を殺す方針を貫く手堅い棋風は、「激辛流」、「友達を無くす戦い方」と言われる。
※2…竜王獲得の最年少記録は羽生善治の19歳3ヶ月0日。竜王戦は例年第一局が9月に始まり第四局は11月に行われている。つまり翌年に藤井が竜王をストレートで獲得したとしても19歳3~4ヶ月であり羽生の記録は更新できないということになる。
実際藤井は2021年の竜王戦をストレートで勝利し竜王戴冠を果たしたが、記録は19歳3ヶ月25日となり、約1ヶ月差で最年少竜王記録を更新できていない。
棋戦優勝履歴
八大タイトル戦(登場予定も含む)
☆は永世称号資格保持
棋戦名 | 獲得数(年度) | 登場回数(年度) | 備考 |
---|---|---|---|
竜王 | - | 3回(2011年度・2012年度・2016年度) | |
名人 | 2期(2000年度・2001年度) | 3回(2000年度~2002年度) | |
叡王 | - | - | |
王位 | - | - | |
王座 | - | 1回(1999年度) | |
棋王 | 1期 (2002年度) | 2回 (2002年度・2003年度) | |
王将 | - | - | |
棋聖 | - | 1回 (2003年度) |
計3期(登場10回)
一般棋戦
棋戦名 | 優勝回数 |
---|---|
NHK杯 | 1回 (2005年度) |
銀河戦 | 1回 (2023年度) |
早指し選手権戦 | 2回 (2000年度・2001年度) |
将棋日本シリーズ | 2回 (1999年度・2001年度) |
オールスター勝ち抜き戦 | 4回 (1992年度・1993年度・1998年度・1999年度) |
新人王戦 | 1回 (1994年度・1995年度) |
計13回
特筆すべき記録
竜王戦ランキング戦1組最多優勝(5回)
竜王戦ランキング戦最多優勝(8回)
銀河戦最年長優勝(53歳)
史上初のB級1組12戦全勝
余談
食事
- 加藤一二三九段と同様、食事の内容がほぼ固定化されており、しかもよく食べる棋界一の健啖家である。
- また「唐揚げ定食に唐揚げ3個追加」という新手を連投していた時期もあり、これは「丸山定跡」と名付けられた
- 後年では「唐揚げは肉が多いときと、皮と骨が多いときとでムラがあるから」という理由で2014年を最後に「丸山定跡」を封印しヒレカツ定食に移行した。
- 注文先の「みろく庵」が2019年3月をもって閉店し、どちらも幻のメニューとなってしまったが…。
- 2011年の第24期竜王戦七番勝負では朝食でフグチリを賞味した。
人物
- 名門私立の志学館高等部・早稲田大学社会科学部卒業。
- 常にニコニコしているが、実は将棋界屈指の肉体の持ち主で、中川大輔八段と自転車で200キロ走ろうか、という会話をしていたという(中川八段も空手で鍛えた肉体派)。
- 一時期は軽井沢に住んでいたが現在は都内在住、突然アイドルと結婚する、など、私生活は謎に包まれている部分が多く、棋界関係者もよく知らないらしい。
- 非常に漢気にあふれた性格。2016年の将棋ソフト不正使用疑惑の際には疑惑の出た三浦に代わって竜王戦の挑戦者となったが、その騒動で多くの棋士が三浦を黒と考える中で終始一貫して連盟の対応を批判し続けた。
- 将棋ソフトと三浦の指し手の一致率が根拠だという意見に対しては「僕はコンピューターに支配される世界なんてまっぴらごめんです」と喝破した。
- ニコニコ動画では2007年度順位戦A級最終局、藤井猛九段との一戦でカロリーメイトを食べながら相手を投了に追い込む、いわゆる「モグモグ投了」で一躍有名になる。その際、聞き手の千葉涼子女流三段は「用意周到丸山流」と表現。
- …かと思ったら2011年3月2日のA級順位戦最終局で、渡辺竜王との対局中に頭頂部に「冷えピタ」を貼るという新手を披露。解説の佐藤康九段も「初めて見ました」と苦笑することに。
- ちなみにこの対局では、勝てば名人挑戦の可能性があった渡辺に勝利している。
- バカでかい派手な金色の扇子を持っており、対局時には相手を圧倒している。