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概要

  • 日本将棋連盟のプロ棋士養成機関。一般的には奨励会の名称で知られている。また、下部組織として研修会が存在している。
  • 奨励会において所定の成績を収めると、四段昇段(=プロ入り)となる(ただしいくつかの例外もある)。関東奨励会と関西奨励会の2つに分かれており、二段まではそれぞれの奨励会の中で対局する。研修会は、関東研修会、関西研修会、東海研修会、九州研修会、北海道研修会の5つに分かれている。また、2021年4月より仙台市に東北研修会が設置される。
  • 対局は、関東奨励会・関東研修会が将棋会館(東京都渋谷区千駄ヶ谷)、関西奨励会・関西研修会が関西将棋会館(大阪市福島区)で行われる。東海研修会の対局は、名古屋市中区の万松寺ビルで、九州研修会の対局は福岡市中央区の電気ビル・共創館で、北海道研修会の対局は札幌市中央区の北海道神宮で行われる。
  • また、研修会に関しては女流棋士を目指す者の養成機関としての機能も持つ。

沿革

  • 元々棋士になるためには、専門棋士の内弟子として従事して実力を認められることによって四段昇段(プロ入り)するシステムであった。
  • 1928年9月23日、中島富治ら愛棋家が資金を用意して、東京で活動する専門棋士の弟子(6級から三段)23名を集めて「手合会」を開いたのが、奨励会の始まりである。この第1回「手合会」に参加した23名の中には、塚田正夫二段(後の名誉十段・日本将棋連盟会長)や坂口允彦二段(九段・日本将棋連盟会長)がいた。この会は愛棋家の尽力により毎月1回開かれていたが、1931年2月に旧日本将棋連盟(現在の将棋連盟の前々身にあたる組織)の附属機関となった。
  • また、関西奨励会に関しては1935年11月に、やはり愛棋家が資金を用意して、大山康晴6級(後の十五世名人・日本将棋連盟会長)や升田幸三三段(後の実力制第四代名人)、南口繁一二段(九段)ら十数名で発足した。
  • 第二次世界大戦後は、1947年9月に大阪市内の愛棋家宅で関西奨励会が復活し、1949年6月に東京都内の原田泰夫八段(九段・日本将棋連盟会長)宅で関東奨励会が復活。奨励会の諸規定は、この時に原田によって整備された。

入会試験

  • 受験資格は19歳以下かつ日本将棋連盟正会員(四段以上の棋士・女流四段以上の女流棋士・女流タイトル獲得経験のある女流棋士)から受験の推薦を受けていることである。この推薦を出した棋士がいわゆる師匠となる。

試験

  • 主に、筆記試験と受験者同士の対局(5局)、二次試験は現役奨励会員との対局3局と面接である。直近1年間の将棋連盟主催の小中学生全国大会優勝者(小学生名人戦など)は一次試験が免除される。6級~1級を受験できるが、何級を受けるかは推薦者である師匠が決める。ただし、16歳以上に関しては6級が受験できず、年齢が1つ上がるごとに受けられる級の最低も上がっていき、19歳では1級のみ受験可能となる。
  • 最下位である奨励会6級でもアマチュア三段〜五段程度(都道府県大会の上位)の棋力が必要であり、合格率は想像よりも低く例年3割程度しかいない。
  • なお、上記の条件を満たさない者でも、8月末時点で22歳以下のアマチュア公式戦全国大会の優勝または準優勝者であれば、日本将棋連盟正会員の推薦を受けての初段受験が可能。
  • また、研修会においてA2以上のクラスに到達した者は、日本将棋連盟正会員の推薦があれば無条件で奨励会に編入できる。

三段編入試験

  • 2007年度より三段編入試験が創設されており、6つのアマチュア全国大会で1回優勝につき日本将棋連盟正会員の推薦があれば1回受験できる。奨励会二段(または初段)と最大8局対局し6勝以上で三段に編入となる(ただし、6勝する前に3敗した時点で不合格となり試験は打ち切りとなる)。三段リーグ編入試験に合格した者は、年齢に関係なく三段リーグに最長2年間(4期)参加できる。三段リーグ在籍中に二段降段となった場合は退会となる。三段リーグの参加資格の勝ち越し延長も認めない。
  • 2015年後期までに、のべ11名(1名が2回受験している)が受験し、2007年前期の今泉健司(現五段)が唯一の合格者である。今泉はこの三段リーグを突破できなかったため、三段編入試験からプロ入りした者は未だにいない。

基本的なシステム

  • 奨励会は7級から三段までで構成されており、二段までは関東・関西にそれぞれ分かれて奨励会員同士で対局を行う(段級位に差がある場合は駒落ちで対局する)。規定の成績を収めたときに昇段・昇級することができる。三段は関東・関西合同のリーグ戦(三段リーグ)での三段同士の対戦となり、原則上位2名が四段昇段(プロ入り)となる。

奨励会での昇段・昇級規定

6級~1級まで

次のいずれかの成績を満たせば昇段・昇級
6連勝・9勝3敗・11勝4敗・13勝5敗・15勝6敗
 初段~三段まで
次のいずれかの成績を満たせば昇段・昇級
8連勝・12勝4敗・14勝5敗・16勝6敗・18勝7敗

降段・降級について

  • 2勝8敗以下の成績をとると、Bという降段・降級点がつく。これを消さない内に再び2勝8敗以下の成績取ると降段・降級する。
  • 3勝3敗以上の成績をとった時点で、Bが抹消される。
  • 7級の奨励会員が降級となった場合はその時点で退会となる。

三段リーグ

  • プロ棋士になるための最後の関門である。奨励会に在籍するすべての三段が半年間(1期)の間リーグ戦を行い、上位2名の成績となった者が四段昇段(プロ入り)となる
  • リーグにおいて3位の者には次点が与えられる。次点を2回獲得したもの(1997年度以降)は、フリークラスでの四段昇段を行う権利を得る(権利を放棄することもできる)。
  • 三段リーグの勝率が2割5分以下だった者には降段点がつく。このまま2回連続で降段点をとると二段降段となる。
  • なお、上位2名の四段昇段者は順位戦C級2組からのスタートとなるが、2度次点による四段昇段者はフリークラスからのスタートとなってしまうため、差がつけられている。また次点による昇段は本人の意志で辞退することも可能だが、この権利は次以降のリーグに持ち越しできない。
  • 三段リーグ在籍者の上位は少なくとも最下層のプロ棋士より強いとも言われる。実際、奨励会三段の上位者も参加できる公式棋戦である「新人王戦」では奨励会三段がトーナメント上位に進むことも珍しくなく、棋戦と並行して行われた三段リーグを勝ち抜いて四段昇段を果たした棋士や三段の奨励会員が優勝した例もある(都成竜馬三段(現七段))。2018年の49期新人王戦で藤井聡太七段に敗れて準優勝となった出口若武三段(現五段)は2019年4月1日付での四段昇段を果たしている。

年齢制限

  • 奨励会最大最強の鉄の掟であり、奨励会が「鬼の住処」と呼ばれる所以である。
  • 21歳の誕生日までに初段、26歳の誕生日を含む三段リーグ終了までに四段に昇段できなければ、強制的に退会となったしまう。
  • ただし、三段の場合はリーグで勝ち越していれば29歳まで延長でき、また最低5期は年齢制限に関わらず在籍できる。また、21歳以上の初段が1級に降級した場合は、半年以内に初段に復帰すればよい。
  • 年齢制限がある理由は、「取り返しのつくうちに他の人生を探せるように」という優しさと、「脳機能がピークになる20代中盤までにプロになれない奴はプロになっても活躍できないので要らない」という非情さから来るものである。
  • 地元で負け知らずだった子供が親元を離れ青春時代を将棋に費やした挙げ句、学歴(※)も職歴もない20代として放り出される。その恐怖・絶望感は筆舌しがたく、年齢制限は首に掛かったロープ・心臓に仕掛けられた時限爆弾などと例えられる。一年に基本的に4人、最大で6人しか棋士になれないことも相まって奨励会には陰惨さが漂い、前述の他に蠱毒の壺修羅の国などと形容される。同時にそれにより、悲喜こもごもが凝集され、様々なドラマチックなエピソードを生んでもいる。※現在は大学生奨励会員も珍しくない。
  • 強制退会後は将棋とは一切縁を断つ人も少なくないが、一方で社会人として生活しつつアマチュアとして将棋を続ける人もおり、強豪アマとしてアマの参加が認められている棋戦でプロを破ることもままあったりする。
  • 現在は、アマチュアまたは女流棋士で公式戦の対プロ成績が一定以上の場合は、プロ編入試験を受ける制度が設けられており、2021年4月現在、瀬川晶司六段・今泉健司五段・折田翔吾四段がアマチュア選手から編入試験を経てプロ棋士としてデビューしているが、3名とも元奨励会員で年齢制限により三段で退会している。

女流棋士の奨励会在籍

女流棋士も奨励会入会の権利を持ち、権利の制限はあるものの(女流棋士限定の棋戦には参加不可)、重籍も可能である。
女性であれば奨励会を退会した時に、女流棋士になる権利が発生する(有効期間は退会から2週間)。この権利を行使すると、6級から2級で退会した場合は女流2級、それ以上の段級位で退会した場合は奨励会退会時の段級位が、そのまま女流棋士としての段級位になる。

関連リンク

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外部リンク

奨励会|棋戦|日本将棋連盟
新進棋士奨励会-wikipedia

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