概要
本来の意味は「特別な地位や肩書きは持っていないが、それに相当する実質的な実力を持っている人」とを指す。
「決して権力に屈しず、世論を味方に戦う」という意味で、新聞記者やジャーナリストが自称することもあるが、現在では専ら「相応の実力がありながらも、それに見合った賞やタイトルと縁がない」人物や団体を指す言葉として使用されている。
無冠の帝王
「帝王」と呼ぶに相応しいような実力を持っているにもかかわらず、大きな競技会などで、その実力に見合ったタイトルを獲得していなかったり、記録に残るような実績を持たない事を指す。
「無冠の帝王」と呼ばれた人物
架空の人物
- 『あしたのジョー』…カーロス・リベラ
- 『キン肉マン』…喧嘩男(ネプチューンマン)
- 『爆走兄弟レッツ&ゴー』…鷹羽リョウ
- 『SLAMDUNK』…仙道彰、藤真健司
- 『黒子のバスケ』…無冠の五将 (※中学時代。高校では1名を除き日本一を経験している。)
- 『タッチ』…西村勇
- 『テニスの王子様』…跡部景吾
- 『ハイスピードエトワール』…-リチャード・パーカー(※チームメイトのクイーンを勝たせることが使命だと語っており、個人優勝を狙わずにクイーンの後ろを走り、追い上げてくるレーサーをブロックしながら上位入賞することでチームポイントに貢献するというスタイルを実行しているため、マスコミからは『女王(クイーン)の盾』と呼ばれている。なお、以前キングとチームメイトだったことがあり、その時は普通に個人優勝を狙っており、実際にいくつかのレースで優勝したことがある。)
- 『首都高バトル0』/『レーシングバトル』…無冠の帝王(※ボスライバルの通り名だがこちらの場合は首都高バトル0では不慮の事故でレーサーを断念したという設定である。)
- 『ソードアート・オンラインフェイタル・バレット』…ツェリスカ(※こちらは「無冠の女王」である)
- 『ラブライブ!サンシャイン!!』…津島善子(※過去にスクフェス5周年キャラAqours代表やゲーマーズ沼津店店長に投票で選ばれるなど非常に人気の高いキャラであるが、Aqoursの総選挙では実は一度もセンターを取ったことがない。第2~3回では中間発表だと1位だったがどちらも後半で何らかの動きがあって二回連続2位に甘んじており、中々人気が称号に反映されない。ある意味善子らしいといえばらしいか)
実在の人物・団体 ※返上した人物・団体は太文字。
- 清原和博…2000安打に加え、歴代8人しか達成していない500本塁打を達成したものの、首位打者・ホームラン王・打点王の打者3大タイトルと年間MVPには縁がなく、最多出塁率2回、最多勝利打点1回のタイトルしか獲得していない(最多勝利打点は評価の基準が曖昧なため1989年から公式・表彰記録ともに廃止)。なお新人王を獲得している他、月間MVP、ベストナインやゴールデングラブ賞には何度も選出されている。
- 松原誠…名球会会員でただ一人打者3大タイトルはおろかベストナインやゴールデングラブ賞も選ばれたことがなく、唯一の表彰は1975年のオールスターゲームMVP。(1974年、1978年に最多安打を記録しているが、当時は連盟表彰なし。)
- 前田智徳…類い稀なる打撃センスから「天才」と呼ばれてきたにもかかわらず、打撃タイトルとは一切無縁に終わってしまった。なお、清原同様月間MVP、ベストナインやゴールデングラブ賞には何度も選出され、カムバック賞も受賞している。
- 高橋由伸…アマチュア時代から天才と称されていたバッティングセンスおよび華麗な守備で入団1年目からレギュラーとして活躍してきたが、怪我を恐れない守備が仇となり、フェンスに激突しながらの捕球やダイビングキャッチで負傷離脱することが多かったこともあり、1度も主要打撃タイトルを獲得できないまま引退した。特に1年目はほぼ全試合に出場し打率3割を始めとして主要打撃記録のほとんどでリーグ10位以内を記録する圧巻の成績ながら、大学時代からのライバルである川上憲伸に22打数1安打に抑え込まれたこともあり新人王を獲得できなかった。なお、清原同様月間MVP、ベストナインやゴールデングラブ賞には何度も選出されている。
- 星稜高校…高校野球の強豪でありながら優勝とは無縁であり、決勝進出を幾度果たしても勝てないでいるため、高校野球での無冠の帝王の象徴となっている。
- 仙台育英…高校野球の強豪でありながら優勝とは無縁であり、無冠の帝王の象徴であったが、2022年全国高校野球選手権大会で初優勝し返上。しかも東北勢初という名誉でもあった。
- ナイジェル・マンセル…1992年にF1ワールドチャンピオンを獲得し返上。
- レオナルド・ディカプリオ…2016年にアカデミー賞を獲得しこのあだ名を返上した。
- 稀勢の里…平成29年(2017年)初場所で幕内最高優勝及び横綱昇進を果たし返上。
- マイク・ベルナルド…WBF世界ヘビー級王座などの実績がありながら、K-1四天王で唯一K-1 WORLD GPを制することができなかった。
- ジェロム・レ・バンナ…「ハイパーバトルサイボーグ」と呼ばれた屈強な肉体から繰り出される鋭いパンチで数々の衝撃K.O.を生み出したハードパンチャーだが、K-1 WORLD GPでは2度の準優勝が最高成績だった。
- 村上春樹…実は芥川賞を受賞したことがない。近年は毎年のようにノーベル文学賞の候補に挙げられるが、未だ受賞には至らず。ただしデビュー作『風の歌を聴け』が群像新人文学賞を受賞したのを皮切りに、16もの賞を獲得している。
- ケビン・シュワンツ…1993年にWGP500ccクラス年間チャンピオンを獲得し返上。
- 川崎フロンターレ…2017年にJリーグ優勝を果たし返上。
- セレッソ大阪…2017年にルヴァンカップ優勝を果たし返上。
- ヴィッセル神戸…2019年に天皇杯優勝を果たし返上。
- 森下卓…将棋棋士九段。A級10期も在籍しタイトル戦に6回挑戦したが、獲得経験なし。
- 木村一基…将棋棋士九段。A級4期在籍でタイトル戦に6回挑戦しながらも一度も獲得できなかったが、2019年に豊島将之から王位のタイトルを奪取し返上。史上最年長46歳での初タイトル獲得となった。
- 豊島将之…将棋棋士九段。タイトル戦に5回挑戦しながらも、獲得できなかったが、2018年に羽生善治から棋聖位を奪取し、ついに返上。その後、王位・名人のタイトルを奪取。その後将棋界を牽引する存在となった。
- 宇野昌磨…2019年に四大陸選手権優勝を果たし返上。
- 畑健二郎…漫画家。ハヤテのごとく!を十年以上連載、同作、それが声優!、トニカクカワイイがアニメ化されているが実は漫画家の受賞歴は現在まで無い。
- 山口百恵…1970年代および昭和期を代表する伝説の女性歌手。知名度・売り上げ共に申し分ないが、当時音楽界の権威であった「日本レコード大賞」の受賞実績がない。
- 笑い飯…漫才師。M-1グランプリに9年連続で決勝進出し、2010年のラストイヤーに悲願の王者となった。