概要
「世論」とは、世間一般の人々の議論・意見。世間の大勢を制している意見のことである。
読み方は「よろん」でも「せろん」でも合っているが、世間一般の共通意見の意味で言う場合は前者の読みが正しい。これは元々「輿論」と書いていたのが、戦後になって世論という漢字が当てられたためである。後者で読む場合、世間のうわさや風評を意味することになる。
ただし世論調査の正しい読みは「せろんちょうさ」なので要注意。
政治と世論
世論の定義については議論があるものの、一般的には政治や社会問題に関する世間の意見を指す。
世論の形成には、ジャーナリズムと社会的な議論が大きく影響する。民主主義国家では選挙結果や政策決定に大きな影響を及ぼすため、世論の動向が重要視されている。
ただし形成された世論が正しいとは限らない。
その最もたる例が五・一五事件で、現職の首相の暗殺という重大なテロ行為を犯したにもかかわらず、世論に押されて厳罰に処することができなかった。そのことが尾を引いて政党政治が一時停止した上に、二・二六事件などの軍部の暴走を許してうことになったためである。