基本プロフィール
棋歴
年度 | 主な実績 |
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プロ入り前 | 5歳の時に父から将棋を教わる。 2003年、第28回小学生将棋名人戦で3位入賞。同年、地元で行われた第2回全国小学生倉敷王将戦で高学年の部優勝。翌年の第29回小学生将棋名人戦では、佐々木勇気(現七段)に決勝で敗れ準優勝におわる。 |
2004年度 | 井上八段門下として6級で奨励会入会。 |
2009年度 | 第46回三段リーグで15勝3敗となり、2010年4月1日付で四段昇段(プロ入り)。 |
2011年度 | 第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦に登場。1回戦では羽生善治名人を撃破、続けて豊島将之六段、屋敷伸之九段、村山慈明五段を下し、プロ2年目にして全棋士参加棋戦初優勝を果たした(当時は全棋士参加棋戦優勝による昇段規定が存在しなかったため、理事会審議の結果、「類まれなる成績」により五段へ昇段した)。 |
2012年度 | 第6回朝日杯将棋オープン戦で丸山忠久九段、森内俊之名人、谷川浩司九段を破り決勝進出するものの、渡辺明竜王に敗れ準優勝となった。 |
2014年度 | 第3回将棋電王戦において、プロ棋士側の先鋒として第23回世界コンピュータ将棋選手権7位の習甦と対局し、98手で敗戦した。 |
2015年度 | 第46期新人王戦決勝で大橋貴洸三段を破り、棋戦優勝。 |
2017年度 | 第58期王位戦は挑戦者決定リーグ白組優勝。挑戦者決定戦で紅組優勝の澤田真吾六段を破り初タイトル挑戦を決める。6連覇中の羽生王位との番勝負を4勝1敗で制して初タイトルを獲得、平成生まれの棋士として初のタイトルホルダーとなった。 |
2018年度 | 第59期王位戦では、挑戦者の豊島棋聖に3勝4敗のフルセットの末に敗れて失冠。 |
2019年度 | 第78期B級1組順位戦は最終成績11勝1敗となり、A級昇級と八段昇段を決めた。 |
2021年度 | 第29期銀河戦決勝で渡辺名人を破り、全棋士参加棋戦優勝。第15回朝日杯将棋オープン戦は準決勝で佐藤天彦九段、決勝戦では同門(井上門下)の稲葉陽八段を破り、全棋士参加棋戦優勝。同年度に二つの全棋士参加棋戦で優勝を飾った。 |
2023年度 | 第8期叡王戦挑戦者決定戦で永瀬拓矢王座に勝ち、藤井聡太叡王への挑戦権を獲得した。藤井叡王との五番勝負は1勝3敗で敗退。第73期王将戦では自身初の挑戦者決定リーグ(王将リーグ)入りを果たす。リーグ成績を5勝1敗とし、藤井聡王将への挑戦権を獲得した。藤井王将との番勝負は0勝4敗のストレートで敗退。 |
棋風
- 生粋の振り飛車党である。幅広い振り飛車を指しこなし、中でも中飛車を得意としている。
- 2024年現在、B級1組以上に在位している振り飛車党は菅井だけである。AI将棋ソフトの台頭によって振り飛車党が窮地に立たされていることから(後述)、将棋ファンからは「振り飛車党の星」と呼ばれる存在でもある。
- 菅井将棋を語る上で欠かせないのが独創的な序盤戦術である。振り飛車の可能性を追求しており、「菅井流」「菅井新手」と呼ばれる数多くの戦法・新手を編み出し続けている。2015年には「中飛車左穴熊やゴキゲン中飛車、早石田など数々の戦法における新工夫」として升田幸三賞を受賞した。彼の著書である「菅井ノート」は振り飛車党にとって必見の名著。
- 2020年代からの将棋ソフトの流行により飛車を振っただけで評価値が下がるなど振り飛車が厳しい立場に立たされているが、菅井は「飛車を振ってマイナスになってもその後局面が進んでいくと評価値が互角、もしくは振り飛車側にプラスになることが多い。自分が負けた将棋は中終盤以降のミス、競り負けによるものが多く、振り飛車にした瞬間に作戦負けになるということは全くない」というスタンスを貫いている。
人物
- 岡山県岡山市出身でプロデビューしてから現在まで岡山に住み続けており、棋士の中でも特に地元愛が強い棋士である。
- 出身地のこともあって「岡山の竜」と呼ばれることもある。
- その縁から、王位を奪取した翌年の2018年には岡山県PR動画に出演した。
↓当該PR動画
- 永瀬拓矢九段と並び、将棋にストイックな姿勢を持っていることで有名。
- 筋トレもしている
- 第77期順位戦B級1組7回戦、橋本崇載八段戦で角が駒を飛び越えて移動してしまう反則負けを起こしてしまった。世に有名な「ワープ角事件」である。
↓本人の解説
棋戦優勝履歴
八大タイトル戦(登場予定も含む)
☆は永世称号資格保持
計1期(登場4回)
一般棋戦
棋戦名 | 優勝回数 |
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大和証券杯ネット将棋・最強戦 | 1回 (2011年度) |
新人王戦 | 1回 (2015年度) |
銀河戦 | 1回 (2021年度) |
朝日杯 | 1回 (2021年度) |
計4回