概要
- 朝日新聞社・日本将棋連盟主催の一般棋戦であり、2006年度で終了した朝日オープン将棋選手権の後継棋戦として2007年に創設され、回次も第1回と改められた。優勝賞金は第10回以前は1000万円だったが、現在は750万円となる。全棋士(全棋士参加棋戦に該当する)とアマチュア選手10人(前期の朝日アマ名人、挑戦者を含む朝日アマ名人戦のベスト8、学生名人)、女流棋士3人(主催者の推薦による)が参加する。
- 第17回(2023年度)優勝者は永瀬拓矢九段。
方式
- 一次予選、二次予選、本戦トーナメントを通して優勝者を決定する。
シード条件
- シード条件は上位のシード棋士からそれぞれ本戦シードとして8人、二次予選シードとして16人が選抜される。
※2021年2月より、本戦トーナメントベスト4まで勝ち進んだ女流棋士およびアマチュア選手には、棋士編入試験の受験資格が与えられることとなった。
一次予選
- 全16ブロックに分かれ、トーナメント方式で二次予選への進出者の16名を決定する。アマチュア選手及び女流棋士は一次予選の各ブロックに1人ずつ割り振られ、1回戦から出場する。
- 朝日オープン将棋選手権における一斉対局を引き継ぎ、アマチュア選手の対局は10局とも同日に開催する。関東では「朝日新聞東京本社」、関西では「大阪本社」もしくは「関西将棋会館」で午前と午後に分けて5局ずつ、公開対局で行われる。
- なお2015年度現在で、アマチュア枠・女流枠から一次予選を突破したのは、アマチュアは清水上徹(第3回)と森下裕也(第9回)の2人のみである。女流棋士で突破した者はいない。
- アマチュア枠に対するプロの対局者は新人棋士、つまり棋士番号の大きい方から10人(シード者は除く)が選ばれる。1年に誕生する新四段は通常4人であるため、プロ入り1年目の新人は、必ずアマチュア選手と対局することになる。
畠山鎮八段は、プロから見たプロアマ一斉対局について、「棋士としてのスタートの時期に〔負けられない闘い〕です。負けた新四段の姿は痛々しいものです」と述べている。
二次予選
- 一次予選からの勝ち抜き者16名と二次予選からのシード者16名が全8ブロックに分かれ、トーナメントで本戦トーナメント進出者8名を決定する。トーナメント表は二次予選進出者とシード者が1回戦で対戦するように組まれる。2017年度以降はABEMAにて中継されることが多い。
本戦トーナメント
- 二次予選の勝ち抜き者8名と本戦シード者8名がトーナメント方式で優勝を争う。本戦進出者とシード者は1回戦で対戦する。準決勝・決勝は2月中旬~下旬に東京・有楽町朝日ホールにて開催される。
歴代結果
回 | 年度 | 優勝者 | 準優勝者 |
---|---|---|---|
1 | 2007年度 | 行方尚史八段 | 丸山忠久九段 |
2 | 2008年度 | 阿久津主税六段 | 久保利明八段 |
3 | 2009年度 | 羽生善治名人(1) | 久保利明棋王 |
4 | 2010年度 | 木村一基八段 | 羽生善治名人 |
5 | 2011年度 | 羽生善治二冠(2) | 広瀬章人七段 |
6 | 2012年度 | 渡辺明竜王 | 菅井竜也五段 |
7 | 2013年度 | 羽生善治三冠(3) | 渡辺明二冠 |
8 | 2014年度 | 羽生善治名人(4) | 渡辺明二冠 |
9 | 2015年度 | 羽生善治名人(5) | 森内俊之九段 |
10 | 2016年度 | 八代弥五段 | 村山慈明七段 |
11 | 2017年度 | 藤井聡太五段(1) | 広瀬章人八段 |
12 | 2018年度 | 藤井聡太七段(2) | 渡辺明棋王 |
13 | 2019年度 | 千田翔太七段 | 永瀬拓矢王座 |
14 | 2020年度 | 藤井聡太二冠(3) | 三浦弘行九段 |
15 | 2021年度 | 菅井竜也八段 | 稲葉陽八段 |
16 | 2022年度 | 藤井聡太竜王(4) | 渡辺明名人(棋王) |
17 | 2023年度 | 永瀬拓矢九段 | 藤井聡太竜王・名人 |
※複数回優勝経験者は羽生善治(5回)と藤井聡太(4回)のみである。