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概要
- NHK杯テレビ将棋トーナメントは日本放送協会(NHK)が主催する将棋の棋戦であり、NHK Eテレで放送されているテレビ番組である。第1回(1951年度)~第42回(1992年度)までは「NHK杯争奪将棋トーナメント」と称されていた。
- 対局者双方の持ち時間が少ない早指し戦であり、トーナメント方式で争われる。創設は1951年で、当時はラジオ番組(『室内遊戯の時間』)であった。テレビ放送は第12回(1962年度)から行われている。
- 優勝者には「NHK杯選手権者」(あるいは略して「NHK杯」)の称号が贈られ、次期の優勝者にその称号が贈られるまで主にNHKの将棋番組内や将棋講座テキスト(NHK出版)誌上で呼称される。
- 第73回(2023年度)優勝者は佐々木勇気八段。
方式
- 予選と本戦からなり、本戦には棋士49名と女流棋士1名の計50名が出場する。本戦の対局はNHKのテレビスタジオで収録され、その模様が毎年4月から翌年3月にかけて毎週1局ずつ放送される。
- 本棋戦は全棋士参加棋戦であり、六段以下の棋士が優勝すると1つ上の段位に昇段する。
- 第1回(1951年度)から第30回(1980年度)までは上位棋士選抜棋戦であり、第1回(1951年度)の参加者は8名、第16回(1966年度)から16名に増え、第27回(1977年度)から26名に増えた。第31回(1981年度)から全棋士参加棋戦に移行し、現行のシステムとなっている。
選抜方式について
本戦シード(32名)
- 抽選時(前年12月末時点)において下記の条件を満たす者は予選が免除され、本戦シードとなる。またそのうち14名は本戦2回戦シードとなる。シード順は以下の通りである。
- 前年度ベスト4進出者(準決勝まで直接対決しないようにトーナメント表が組まれる)
- 八大タイトル保持者
- 順位戦A級在籍する棋士
- 順位戦B級1組に在籍する棋士
- 全棋士参加棋戦優勝者(朝日杯オープン戦 / 銀河戦 / 将棋日本シリーズ)
- 若手限定棋戦優勝者(新人王戦のみ)
- 永世称号呼称者(資格保持者は除く)
- 名誉NHK杯選手権者
- 女流タイトル保持者(1名のみ,複数の場合は出場女流棋士決定戦が行われる)
- 総合成績優秀者(前年記録3部門における順位を足した合計数が少ない棋士より)
- 1回戦から登場のシード17名と女流棋士1名は、予選通過者18名とそれぞれ対局する。また、2回戦から登場のシード14名は基本的に1~3の者が該当する。なお、シード権保持者の人数によっては調整により、時に順位戦A級棋士の一部が1回戦からの参加になったり、あるいはB級1組棋士の一部が2回戦からの参加になったりする。
持ち時間など本戦ルール
- 先後(先手・後手)の決定は全局振り駒で行う。そのために将棋界における上座・下座の概念がなく、先手が左側・後手が右側に座るようになっている。
- 持ち時間は各10分(チェスクロック方式)で、それを使い切ると1手30秒未満となる。ただし、秒読みに入ってから1分単位で合計10回の「考慮時間」をそれぞれ使用できる。
- 千日手となった場合は、他の棋戦と同様、先後を入れ替えての指し直しとなる。指し直し局は千日手局での持ち時間と考慮時間が引き継がれる。ただし、残りが考慮時間4回以下であった対局者の考慮時間は5回とされる。持将棋となった場合も、千日手と同様に指し直しで決着を付ける。
予選
- 上記の本戦シード権を満たしていない棋士全員より、18名(関東枠12名、関西枠6名)が選抜される。予選は持ち時間各20分・切れると一手30秒の早指し戦を1日3局(棋士によっては2局)行なう。
- 本戦に出場する女流棋士1名は、前年12月末時点の女流タイトル保持者で行う、出場女流棋士決定戦(NHK杯のうち、これのみ非公式戦)の勝者である。出場女流棋士決定戦の決勝・準決勝などは本戦と同じ対局場で行われ、毎期のNHK杯決勝戦が放映された後の3月下旬に、NHK杯と将棋フォーカスの時間枠(日曜日の10時 - 12時)で放映される。
各種記録など
最多出場
連続出場
- 第71回までの本戦最多連続出場は大山康晴十五世名人と中原誠十六世名人の42回。
- 休場不戦敗の年度を除いた場合は、大山康晴・中原誠・谷川浩司の41回。
- 全棋士参加棋戦となった第31回以降では谷川浩司の40回が最多。
最年長・最年少出場
優勝回数
最多連覇数
- 最高記録は羽生善治の4連覇。他には大山・佐藤・羽生がそれぞれ2連覇を達成している。
最年長・最年少・最低段
名誉NHK杯
- 通算10回優勝すると名誉NHK杯選手権者(名誉NHK杯)の称号が贈られる(タイトル戦の永世称号に類似するが、「原則引退後に名乗る」ものではなく、そのまま名乗ることができる)。第68回(2018年度)までにこの称号を得たのは羽生善治九段のみである。ただし羽生が第68回の途中で竜王を失冠し無冠となった際は、以降の放送分では「名誉NHK杯」ではなく九段として呼称された。
- 名誉NHK杯の棋士は本戦の永久シード権を有し、現役を引退するまで予選参加が免除される。
- なお、当棋戦では「永世」ではなく、囲碁トーナメントの称号と同じく「名誉」を冠している。
エピソードなど
※適宜追加をお願いします。