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概要編集

初出作品は『女神転生』で、種族は「邪神」。

以降の作品では「魔神」に分類され、魔王や邪神としての性格はバエルが受け持っている。また、作品によってはバールとも表記される。


シリーズを通してユダヤ教に貶められる以前の姿、『ウガリット神話』における雨期を支配する豊饒神と雷電を取って敵対者と戦う暴風神としての性格が強く描かれており、『真・女神転生Ⅱ』以降は男性のデザインで登場する。


各作品のバアル編集

女神転生編集

センシティブな作品

種族は「邪神」。刀を持った女性というデザインで、邪神の中で最もレベルが低い。

旧約・女神転生』ではDDS2バアルの色違いデザインで登場する。


デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ編集

センシティブな作品

私はバアル。そなたの恩に報い、共に戦おう


種族は「魔神」。デザインは腕の代わりに翼を持つ下半身が蛇体の女性。

ステータスは知力の値が高く、スキルにメディアハン(後続作のメディラマ)、ディアラハン、サマリカームを所持しており、金縛・神経・精神・呪殺の耐性こそないものの破魔属性反射と剣・銃含む基本攻撃属性に対して高い耐性を持つ。

かつて唯一神に打ち倒された古き神の一柱で、神によってバエルとベルゼブブに引き裂かれたという背景を持つ。バエルが変化したカエルを魔界にいるベルゼブブの下に持っていくと両者が合体してバアルの姿を取り戻し、これをきっかけに真の敵である唯一神と主人公の戦端が開かれる。

バアルの女性形「バアラト」という言葉があり、バアルの配偶神や女神の名として使われた。DDS2のバアルはこの女神としての性格を内包した姿だと思われる。


真・女神転生編集

メガCD版追加悪魔として、魔神バール(デザインはDDS2に近い)が登場。

所持スキルはDDS2と同じではあるが、同レベル帯の悪魔の中でも強さ・速さ・魔力・知恵という戦闘面に直接関わるステータス値が秀でており、高位の女神を凌ぐ能力を備える。


真・女神転生Ⅱ編集

種族は「魔神」。

杯を持つ冠を着けた青年の姿で、以降の作品でも同デザインのバアルが登場する。

魔神としては中堅クラスの悪魔で防御相性が頼り無いもののHPが異様に高く、メディアラハンを所持するため後衛としての活躍が期待できる。

なお、同作品にはバエルとベルゼブブが登場するが、特にイベントは存在しない。


偽典・女神転生編集

「魔王バール」としてラスボスという大役で登場。

バールはかつてパレスチナを支配していた神であり、バビロニアを支配していたイシュタルを妻としていた。唯一神と常に敵対し続ける存在だったが、唯一神に敗れ去って地獄へ堕とされる際にその魂を複数に切り分けられてしまったためにバエルを初めとした“バールの分霊”が生まれたとされる。

バールは転生するたびに数多の生命をイシュタルに捧げる「血の犠式」を執行し、儀式の果てに贄としてバールの魂を捧げることでイシュタルが永遠の不老不死を得ると同時にバール自身も力を増大させていくという、流血による“犠牲と復活”の関係を持っている。

偽典作中におけるバエルはイシュタルの転生体の身体を引き裂いた状態で血を捧げ続けて女神の力を籠絡することで自身が贄となる血の儀式の結末と繋がりを断ち、さらに分霊たちを始末してバールの姿を取り戻すことで地上に君臨し続けることを画策している。

作中の動向から「バエルを中心とした複数のバアル神(分霊)の集合体であり、カナンの主神としての性格と対立宗教から押しつけられた魔王としてのイメージが混在した存在で、魔神バアルとはまた別の悪魔として描かれる」と見られることがある。

しかし作中終盤で出会う渋谷の捜査官達から「バールは雨と関連した豊穣神で父はダゴンである」と神話のバアルと同様の事実が明言されており、このことから実際は魔王バール=バアルと描かれてることがわかる。


またバアルの別名である「バアル・ハダド」の名を持つ魔神バールハダドという悪魔も登場。角のついた冠を着け棍棒と矛を手にした戦士という姿。

今作は悪魔にも装備システムが実装されているのだが、バールハダドは「豊穣の剣」を始めとした高性能の「豊穣」装備一式で身を固めており、さらにジオダイン等の電撃系スキル、臥竜刹等の剣技スキル、プレイヤーの仲魔をCOMPに押し戻すマハデサマンを所持するという攻防のバランスが高い水準でまとまった強敵である。

作中のバールハダドは魔王バールの分霊の中でも強力な存在でバエルの腹心として暗躍し、レジスタンス組織を壊滅に追い込むなど主人公側に多大な損害を与えている。

後に東京タワーから到達できる“中有”において主人公と交戦・決着をつけることになる。


なお、実際の神話におけるバアルの配偶神であるアナトアシェラトアスタルテはアナトを除いてバエル配下の悪魔またはイシュタルの一部として、イシュタルの夫であるタンムズ(ドゥムジ)はバールの分霊として登場する。


真・女神転生Ⅲ編集

バアル・アバター

我もいざ、行きて創らん。麗しの国を……


魔神バアル・アバターが登場。橘千晶が啓いた強者のみが生きる「ヨスガ」のコトワリに応じた神が顕現した存在。

作中、ニヒロ機構が起動したナイトメアシステムの前に倒れたゴズテンノウが抱く「怒り」と「力の国」を拓く意志に呼応して「魔丞」と化した千晶が、ミフナシロの奥底にフトミミたちマネカタが集めたマガツヒを掌握したことでバアル・アバターが顕現する。

混沌の軍勢と戦い王権と結びついた神話のバアルの性格の他に、「バエルの呪い」を使用するなど『女神転生シリーズ』のバアル(バエル)の性格も反映されている。


女神異聞録デビルサバイバー編集

直接登場はしないが、『真Ⅱ』デザインのバアルがベル・ベリトに吸収された姿で登場。

また、今作の「ベル神」と「始原のベル」は『偽典・女神転生』におけるかつて神との争いに敗れて引き裂かれたバールの分霊と、分霊たちを排除して聖王に至ろうとしたバエル(バアル)に酷似した背景を持つ。


真・女神転生Ⅳ編集

かつての王に血刀を打ち下ろす…王殺しは二度行われましたか


チャレンジクエスト「天王洲奇譚」に登場。謎の人物・赤騎士が天王洲の住民と共にバアルの復活を行い、住民を喰らって顕現に成功したバアルは主人公にも襲いかかる。主人公の反撃によって贄から得た力で構築した肉体が崩壊し始めたことからバアルは逃走し、当クエストは終了する。

続くチャレンジクエスト「大魔王再誕」ではもう一つの姿で再戦し、復活に至る真実を主人公に告げる。

赤騎士の正体は主人公が所属する東のミカド国の王であるアハズヤミカド王であり、封霊塔カゴメから解放された四大天使がミカド国を支配した際にもはや不要な存在として処刑されていた。死の直前、アハズヤは己を見棄てた唯一神にかつて抗した存在、本でその知識を得た偶像神(バアル)に縋りついたのだ。そして、バアルは捨てられた王の意志に呼応してその肉体を掌握、天王洲での儀式を経て現世に顕現し、唯一神の打倒に立ち上がったのである。


前作を踏襲する「バアル=牛頭天王」の同一視、供物の「牛」の正体、聖書の異教神等、バアルに関する神話や異説が多く取り入れられている。

なお、仲魔時のバアルとベルゼブブはレベル・HP・MPと全能力値76という初期ステータスの同一化が図られている。

「天王洲奇譚」は赤騎士とバアルの二連戦で構成されており、バアルは三回行動でマハジオダイン、マハザンダイン、ブフダインの三属性スキルで攻め立ててくる上に電撃吸収相性と猛反撃を所持していることから、前半戦の赤騎士が使うパンデミアブームで主人公側の態勢を崩されていると予想以上の苦戦を強いられる難敵である。


真・女神転生ⅣFINAL編集

人間よ…再び我を崇め豊穣の救済を得よ。さもなくば雷鳴に打たれ消えるが良い


多神連合に与する悪魔の一体として、≪宇宙の卵≫第1層に登場。

当初は魔王ベルゼブブの姿であり、悪魔王ルシファーが倒されたため地母神イナンナが持つ「母の力」で魔神バアルとして転生する道を選んだことが語られる。

他の多神連合所属悪魔にも顕著な姿ではあるが、今作のバアルは己に仇なす存在ならば呪詛と憤怒を以て矛を向けるという狂的な性格が前面に押し出されている。

今作でもバアルとベルゼブブは初期ステータスのレベル・HP・MPが同数値という仕様であるが、魔神バアルには「遺恨の雷鳴(敵単体に電撃属性の大ダメージ+緊縛付着)」という固有スキルが実装されている。



真・女神転生Ⅴ編集

私は魔神バアル 神々の王であり、主に最も相応しい存在


今作のバアルは現在の世界を統べる創造主よりも以前に“至高天”の王座を支配していた神々の王であり、一部の悪魔からは「先王」または「先代王」と呼ばれている。

かつて己を倒した創造主への憎悪と王座への執着、ナホビノとなって至高天を目指す意志を持つ悪魔で、創造主に従うベテルの天使たちがバアルの「知恵」の始末に動くほどに危険視されている。

作中ではサブクエスト「牛神の系譜」においてバアルの力の一部であるベルフェゴールモロクを撃破した主人公の命を狙って動き出し、自ら打って出た主人公とテンノウズの山上において邂逅する。

バアルの真の目的は己を受け継ぐ牛神の神格を有し、実際に真名を同じくするアオガミと合一した主人公の魂であり、既に失われた己の「知恵」の代替にその魂を用いてナホビノへ返り咲くことだった。


主人公との戦闘に敗れ去ったバアルはベルゼブブの力を欠いていたが為に後れを取ったこと、己の力を隠したルシファーへの呪詛と怨嗟の言葉を遺して消え去っていく。


真・女神転生VVにて、サトゥルヌス曰くギリシアの神々からはバアルは「属州の神」という下位の存在として扱われたことが語られた。


ペルソナシリーズ編集

『女神異聞録』においては異名を反映して『EMPEROR』(皇帝)のアルカナを与えられたペルソナとして登場。トライデントを持った姿をしており表記は「バール」。


『ペルソナ3』と『ペルソナ4』では「月」のペルソナとして「バアル・ゼブル」が登場したが、デザインは『真・女神転生』のベルゼブブの流用。


『ペルソナ5』では「皇帝」のペルソナに復帰。デザインもメイン画像の姿に準じている。

疾風系の最強格スキル「万物流転」や「真空波」と逸話に倣ったスキルの他、「マイムール」という物理ダメージを3回与える専用スキルを覚える。


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女神転生シリーズ 仲魔 バアル ベルゼブブ バエル

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