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アトゥム

あとぅむ

エジプト神話の男神。アトム(Atmu)、アテム(Atem)、トゥム(Tum)、テム(TemuもしくはTem)とも。 ヘリオポリス神学における天地創造の神。エジプト九柱の神々の筆頭格。

原初の水「ヌン」より自らを誕生させ、他の神々を生み出した偉大な造物主にして最初の神。
古代エジプト人たちが最も原初に近い生物として認識していた「蛇」の姿をして誕生した。
蛇は死を運ぶ忌まわしき存在であると共に、脱皮によって無限に死と再生を繰り返す、生命を象徴する存在でもあった。アトゥムは、世界が破滅を迎え「ヌン」の中に帰っていく時、再び「蛇」の姿をとるとされる。
基本的には人間の姿をしており、二重王冠(プスケント)を被り、アンクと杖を手にした姿で描かれる。

最初の独り神であったため、自慰によって大気の神シューと湿気の女神テフヌトを生む。
この神話のためエジプトのファラオは年に一度、河に向かってオナニーをする儀式があったと言われている。ナイル川はファラオの精子によって農作物をつくるエネルギーを得ると信じられていた。

後にシューとテフヌトは大地の神ゲブと天空の女神ヌトを生み、天地が創造されたとされる。

独力で他の神々を生み出したため、両性具有の存在ともされる。後年、アトゥムの妻となる存在が与えられたが、この妻「イウサーアス」もしくは「ヘテベト」は、アトゥムと完全に切り離された存在ではなく、アトゥムの身体の一部にして女性的な部分、即ち、アトゥムの「手」を象徴し、アトゥムの「手」に神格を与えた存在とされる。

また、こうした神話の一方で、アトゥムは「朝の太陽」として世界を照らす神であるとも信じられていた。そのため、後には太陽神ラーと習合して「ラー = アトゥム」となった。

アトゥムはファラオの魂が神になるのを助ける存在としても崇められていた。そのため、後年、アトゥムは冥界を旅する魂を守る神とされた。

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