概要
紀元前1000年紀に、アッシリアとバビロニアで崇拝された魔神。
獅子の頭と腕、背中には四枚の翼、尾は蠍、さらに蛇の男根を隠し持つとされる悪霊の王。
風と熱風を操り、その力で旱魃をもたらし飢えで人々を苦しめるという。また彼が操る熱風には熱病の原因となる毒(=病原菌)が含まれており、人はおろか畜獣さえ病死させてしまうほどだとされる。
また蝗害の擬人化という説も持つ。
パズズ信仰
邪悪な冥界の魔神として人々に恐れられたが、その反面パズズの護符は疫病をもたらす西風や、流産や死産をもたらし幼児を殺す女魔神ラマシュトゥから人々を守護すると信じられるなど、日本における御霊信仰と類似する面をもっていた。
また彼以上の悪魔もいないとされる「魔王」とも云われ、その護符や彫像はその他の悪魔を寄せ付けない「魔除け」ともなったいわれる。
創作におけるパズズ
- エクソシスト:往年のホラー映画。少女(リーガン)に憑依した悪霊として登場している。
- ドラゴンクエストシリーズ:『ドラゴンクエストⅡ』ではアトラス、ベリアルとともに大神官ハーゴンが召喚した邪神の一柱として登場。表記は「バズズ」。
- FINAL FANTASY Ⅺ:エスカ-ジ・タに出現するガルー族のノートリアスモンスター。ギアスフェットというバトルコンテンツに関連している。倒すと『パズズ パプレックサー』という称号を取得できる。
- Wizardry:ファミリーコンピュータ版『Wizardry』の魔王マイルフィックはパズズをイメージして描かれたとされる。
- ウルトラマンガイア:同名の怪獣、「宇宙雷獣パズズ」が登場する。
- 女神転生シリーズ:「パズス」名義で『女神転生』では”精霊”、『女神転生2』では”魔王”として物語に大きく関わり、『真・女神転生Ⅱ』以降は”邪神”として登場。『女神異聞録デビルサバイバー』においてはカイドーの意思にひかれ召喚される。
- ゴッドサイダー:「パズス」名義で第三勢力として登場。上記の『女神転生2』にも影響を与えた。
- メタルマックス:麻痺音波を武器にする蜂のバイオモンスター「バイオバズズ」が登場。
- 仮面ライダー:風の力で変身するバッタ(蝗)ということで謎本や二次創作などで同一視されることがある。
- サイボーグ009vsデビルマン:コンビニ店員に合体したデーモンとして登場。アモンやリリスなどとは異なり、伝承と全く同じ姿のデザインとなっている。そのため、ご丁寧に蛇の男根まである。これでデビルマンに咬みついたり巻きついたり。えげつない。
- 牙狼:ホラーの1体として登場。詳細はこちらを参照。
関連タグ
バズズ…『ドラゴンクエストⅡ』での表記
パズス…日本独自の表記