宇宙人東京に現わる
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うちゅうじんとうきょうにあらわる
1956年に日本で公開されたSF映画。芸術家岡本太郎が登場宇宙人パイラ人をデザインした。
世界各地で謎の飛行物体が目撃され、さらに日本各地にヒトデのような怪生物が出現。その正体は空飛ぶ円盤でやってきたパイラ人であり、人間離れした容姿とは裏腹に友好的な善意の異星人であった。
彼等は地球人の核兵器開発が破滅に至るものであるとして、その中止を呼びかけるために飛来したのだが、地球人はパイラ人の姿を怖れて逃げ出してしまうのでメッセージを伝えることが出来ない。
そこでパイラ人は(彼等の基準では醜悪な姿である)地球人に変身、科学者の松田英輔博士(演:山形勲)に接触し、博士が研究している『ウリウム101』が原水爆以上の破壊力を持つ危険なものだと訴える。
そして自分たちが地球人の味方である事を証明するために、新天体『R』が地球に衝突しようとしていることを教える。だが世界は科学者たちの訴えを相手にせず、さらに松田博士は産業スパイに拉致されてしまい…。
- 島耕二の甥はガメラシリーズの湯浅憲明であり、湯浅も本作にエキストラとして出演し、後年に湯浅が関与した書籍にてパイラ人がガメラや鯨神やネズラと共演する構想が掲載された(双頭怪獣Wを参照)。
- 本作の製作のノウハウや素材はガメラシリーズへと活かされた。
- 1931年のフランス映画『世界の終わり』、1951年のアメリカ映画『地球の静止する日』と『地球最後の日』、1953年の『宇宙戦争』からの影響が指摘されている。『ボディ・スナッチャー』とも似ているともされているが、公開はあちらが1週間後だった。
- 後年の作品に与えた影響も大きいとされており、1961年の『地球が炎に包まれる日』、1978年の『スーパーマン』の他、湯浅自身による『ガメラ対大悪獣ギロン』や、東宝の『怪獣大戦争』と『妖星ゴラス』、『2001年宇宙の旅』などで知られるスタンリー・キューブリックなどへの影響が指摘される。
- パイラ人のデザイン自体もインパクトが強く、DCコミックスのスターロ、『女神転生』シリーズの堕天使デカラビア、ポケモンのヒトデマンの原型の「ミミー」などに影響を与えたとされる。
- 本作の題名の「現わる」は、『キングコング』と共にガメラシリーズとゴジラシリーズの双方に強い影響を与え、大映が『キングコング』と共に日本で配給した『原子怪獣現わる』と同じであり、大映側のセンスの影響と思われる。