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概要編集

終戦直後の焦土と化した新宿・上野を主な舞台に、15歳の少年・坊や哲の麻雀賭博を生業にするバイニン(ばくち打ち)としての成長を描いていくピカレスクロマン。作者である阿佐田哲也の人生経験をもとに構成されており、当時の風俗描写が如実に描かれているのも特徴。


本編は『青春編』『風雲編』『激闘編』の序破急で構成されているが、主人公・坊や哲がバイニンから足を洗いカタギになった後日談『番外編』の全4巻で構成されている。さらに中年となったその後を描いた『新麻雀放浪記 申年生まれのフレンズ』や、『外伝・麻雀放浪記』、坊や哲のライバル・ドサ健を主人公とした作品『ドサ健ばくち地獄』(上下巻)、『風雲編』で名前のみ語られたブー大九郎との対決を描いた外伝的な作品『牌の魔術師』などが存在する。


1984年には、イラストレーターの和田誠の手によって映画化される。

さいふうめい星野泰視による漫画『哲也-雀聖と呼ばれた男-』のベースになった作品でもあり、その他コミカライズ化されている。原恵一郎による『凌ぎの哲』は独自の解釈で描かれており、嶺岸信明による版も存在する。

その後、白石和彌の手によって『麻雀放浪記2020』としてリブートされた。


あらすじ編集

終戦直後、戦争から解放された日本は今日という日を凌ぐのに必死であった。空襲により焦土と化した東京に一人の少年がいた。その名は、後の「坊や哲」。彼は終戦直後、やることがなく、親に就職先もないのに「仕事に行く」と嘘ついて焼け野原をぶらぶらと歩いていたのであった。そこで何者かに金品目当てに襲われるが、その男はかつて戦時中での工場の同僚でもあった年配のばくち打ち・「上州虎」だった。彼に勝ち分を折半する条件でドサ健が仕切る上野の集落にあるチンチロリンの賭場に赴き、ドサ健に入れ知恵をされて連勝するも、それは坊や哲をカモにするための算段だった。ドサ健にいいように利用されていく中で、オックスクラブのママとの出会いから博打修業を重ね、女衒の達出目徳などの様々なバイニンとの出会い、そしてドサ健の報復戦などを積み重ねた末、出目徳の死で『青春編』という物語を終える。


登場人物編集

坊や哲

ひたすら賭ける、青春

主人公。中学卒業後は行く当てもなかったが、上州虎との再会がきっかけで博打の世界に足を踏み込んでいく。風雲編ではヒロポン中毒との闘い、激闘編では高度経済成長期との時代ギャップについていけないなどを経験し、番外編でようやくカタギに戻るが、ドサ健との再会で再びバイニンとして舞い降りる。


ドサ健

映画版健さん

もう一人の主人公。上野を縄張りにするバイニン。カモを見つけると、弱みに付け込んで根こそぎ奪い、あとは捨てるというハイエナのような男。番外編ではこれまでの所業の報いとして坊や哲に完膚無きにまで叩きのめされた。


オックスクラブのママ(八代ゆき)

金持ち集御用達の賭場・オックスクラブでバーのママを務める女性。坊や哲に博打修業をつけるが、自然解消となる。


チン六

上野の集落にあるチンチロリンの賭場で連勝する年配のばくち打ち。密造酒の売買で小銭をためていたが、ドサ健に付け込まれてすべてを失う。その後、坊や哲に金を恵まれたことに深い感謝を示し、激闘編で「ハイ無し」になった坊や哲に金を返し、チンチロリンで盛り上がる。


出目徳

東京周辺の賭場を生業にする生粋のバイニン。坊や哲とコンビを組み、賭場という賭場を荒らしていく。最後はヒロポン中毒により息絶える。その時に上がった手は天和九連宝燈であり、多くの麻雀打ちの間で伝説として語り継がれていく存在となった。


上州虎

出目徳の友人。年配のばくち打ち。戦時中に片腕を失っている。


女衒の達

人買いを生業とする着流しの男。坊や哲と博打修業に励む。


清水

ガン牌を特技とする美男子のバイニン。坊や哲と意気投合するも、交通事故により逝去する。


おりん

オカマのバイニン。上野の集落にあるチンチロリンの賭場でグラ賽を使い荒稼ぎしていた。坊や哲に売ってくれと言われた際には激昂し、口止め料代わりにオックスクラブの賭場を紹介する。その後の去就は不明。


まゆみ

まゆみ

ドサ健の愛人。亡き父の店を継ぐが、ドサ健にいいように利用される。


鷲鼻(ジョニイ)

オックスクラブの常連客であるアメリカ人。ドサ健にいいように利用された文無しの坊や哲に裏世界の厳しさを骨身に染み込ませた。オックスクラブのガサ入れによって姿を消す。


ソッキン

ドサ健の手下。出目徳と組んだ坊や哲を迎え撃つも、博打慣れしていないことがドサ健の足を引っ張ることになる。

映画(1984年版)編集

原作小説の第1巻「青春編」が、1984年(昭和59年)に「角川映画」の1作として映画化されている。イラストレーターの和田誠がメガホンを取った初監督作品であり、異業種映画監督デビューの走りとなった。第58回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第4位(読者選出3位)。


麻雀を知らなくても楽しめる娯楽作品に仕上がっている。全編白黒(モノクロ)となっている。


出演者編集

真田広之

鹿賀丈史

加藤健一

名古屋章

高品格

加賀まりこ

大竹しのぶ


映画(2019年版)編集

タイトルは『麻雀放浪記2020』。白石和彌が監督、斎藤工が主演を務める。舞台は東京オリンピックが中止になった2020年に1945年から主人公がタイムスリップするという設定でリメイクされる。


出演者編集

斎藤工

もも(チャラン・ポ・ランタン

ベッキー

的場浩司

岡崎体育

ピエール瀧

音尾琢真

村杉蝉之介

伊武雅刀

矢島健一

吉澤健

堀内正美

小松政夫

竹中直人


イラスト編集

ろくでなしカップル(麻雀放浪記)


関連タグ編集

阿佐田哲也 麻雀 小説 映画

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