いのまたむつみ
いのまたむつみ
本名:猪股睦弥(1960年12月23日~2024年3月10日)
神奈川県出身の女性イラストレーター。一部の作品では「猪又 むつみ」名義で活動。
もともとは葦プロ→カナメプロダクションで活動していたアニメーターである。1980年代後半からイラストレーターとしての活動が中心となっており、近年のアニメ関連の仕事はデザイン協力やキャラクターデザインの原案などである。
少女漫画のような繊細なタッチと、華麗でセクシーなデザインから、特に1980年代後半から1990年代にかけて圧倒的な人気を集めた。水彩やカラーインク、アルコールマーカーなどを利用したアナログイラストも特徴である(特に2000年代以降はCG作品も見られる)。
その画風から、男性でも華奢で線の細いキャラクターを発注されることが多いが、本人は『鉄拳』の風間仁など筋肉質なキャラクターを好む。なお、『テイルズオブデスティニー』ではコングマンを描いている時が一番楽しかったと公式攻略本のインタビューで発言している。
『バーチャファイター2』にハマって、一時は仕事をサボって朝から晩までゲームセンターでプレイしていた。その後筐体を購入し、自宅でプレイしていた(2018年時点でも基板を所持していることをブログで発言している)ほか、同業者たちと「バーチャ合宿」をしたこともあった。永野護とはバーチャ仲間である。→ファミ通の記事
小説『宇宙皇子』の挿絵でも知られ、マイケル・ジャクソンが来日時に本屋で偶然見かけた宇宙皇子の画集を気に入り、宿泊していたホテルに彼女を招いて、画集にサインをしてもらったという逸話がある(当時の「ニュータイプ」誌にこの時のレポートが掲載されている)。
また、声優の緑川光は『宇宙皇子』のファンで、『デスティニー』のキャラクターデザインがいのまただと知って大喜びしたと発言したことがある。
テイルズオブシリーズでは藤島康介と並んで多数の作品のキャラクターデザインを手掛けている。
2024年3月10日、死去(64歳)。
3月18日、実妹より死去が報告された。
このXでの報告には個人ではあらいずみるい、Pako、ワダアルコなど(敬称略)。
企業では、テイルズ オブシリーズでかかわったバンダイナムコ、小説 ドラゴンクエストシリーズの挿絵を描いた関係からスクウェア・エニックスなどが追悼リポストをしている。
挿絵
- 宇宙皇子(挿絵)
- 風の大陸(挿絵)
- 小説 ドラゴンクエストシリーズ(挿絵)
- 幻夢戦記レダ(挿絵)
- KLAN(挿絵)
- KZ少年少女ゼミナール(挿絵)
アニメ(特記がないものはアニメーターとして)
- 宇宙戦士バルディオス
- 戦国魔神ゴーショーグン
- 魔境伝説アクロバンチ(キャラクターデザインデビュー作)
- プラレス3四郎
- 機動戦士ガンダムSEED(デザイン協力)
- 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY(デザイン協力)
- 新世紀GPXサイバーフォーミュラ(キャラクター原案)
- ブレンパワード(キャラクター原案)
- 舞-HiME(制服デザイン原案)
- セイクリッドセブン(キャラクター原案・ED2イラスト)
テレビゲーム
- 鉄拳シリーズ(一部のコスチュームデザイン)
テイルズオブシリーズ(特記がない場合、主要キャラクターデザイン)
- テイルズオブデスティニー
- テイルズオブエターニア
- テイルズオブデスティニー2
- テイルズオブリバース
- テイルズオブブレイカー
- テイルズオブザテンペスト
- テイルズオブイノセンス
- テイルズオブハーツ
- テイルズオブグレイセス
- テイルズオブエクシリア (一部の主要キャラ)
- テイルズオブエクシリア2 (一部の主要キャラ)
- テイルズオブゼスティリア (一部の主要キャラ)
- テイルズオブベルセリア
- テイルズオブザレイズ (一部の主要キャラ)
- テイルズオブクレストリア (一部の主要キャラ)
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誕生!レダの戦士朝霧陽子 いのまたむつみ先生追悼企画
先日お亡くなりになられたいのまたむつみ先生のご冥福を謹んでお祈り申し上げます。 皆さまが追悼イラストを投稿されていますが、私は絵が描けないので、拙いですが幻夢戦記レダの2次創作小説を投稿したいと思います。 まだ、書きかけの作品もあったとかでさぞご無念だったと思います。 先生、ありがとうございました。 レダは私の青春で、同世代の朝霧陽子はずっと憧れの存在でした。 どうか安らかにお眠りください。 いま、パソコンが事情があって使用できないのでスマホ投稿となります。 よろしければお付き合いください。4,888文字pixiv小説作品 空中要塞「髑髏館」
いのまたむつみさんの、「月の声星の夢」という画集の中にあった一枚の絵をものすごく気に入ったので書こうとした話である。 浅黒い肌、波打つ黒髪を持つ筋肉りゅうりゅうの戦士が、美しく白い肌に、青い瞳、少し色素が薄いが金色のふわふわした髪を持つ少年に剣で腹を貫かれている。背中から突き出した剣からは血が滴り落ちているが、戦士の顔は比較的穏やかである。彼の手は剣を握り締めた少年の手に添えられているが、自分の腹にひきつけているようにも見えるし、反対に押し返そうとしているようにも見える。反対の手は少年の首に置かれていて、少年をくびり殺そうとしているようにも見えるが、自分のほうに抱き寄せているようにも見える。単純な構成のようで、彼らの瞳が語っているものはものすごく深い。 ……と絵から私は感じた。 まさに、その絵をラストシーンに置きたいがために書いた話なのだ。気がついてみると男同士の禁断の愛になっていた……。 書いている途中で、「髑髏館」を題とする小説を応募すると言うものがあり、名前も何もなかった浮遊城砦を「髑髏館」という名の空中要塞にし、他にも「髑髏」「髑髏」とちょっと大量に使いすぎた。また、原稿用紙50枚というのに二万文字書き(約70ページになっていた)、それを何とかいろいろと削り、削りすぎて加え……とするうちに、はじめのコンセプトとは微妙に違うものになった。少年を神がかり的なものにするつもりはなかったのに、最後には何かがとりついたようになっている。戦士はもっと強い人間で、少年を虐待でもさせようと思っていたのに、どうもただの死にたがりやの男となってしまったようでちょっと残念である。 (1999年12月)17,486文字pixiv小説作品