かつて杉並区に存在したアニメ制作会社。通称はカナメあるいはカナメプロ。
葦プロの社員だった相原義彰・武上純希・影山楙倫・渡辺真由美・石田昌久・佐野浩敏・いのまたむつみなど当時の葦プロの若手の面々が、1982年に自社より離れ独立して成立した会社。同じく葦プロと関係を持っていた湯山邦彦も兼務状態ながら、その設立に参加した。
独立後には石田敦子・西井正典・山内英子・石井明治・田村英樹・山崎理・政木伸一・新房昭之・大宮三郎などの面々が転属あるいは新規で合流した。
開始当初は、おおむね金田伊功(金田作画)の影響が強いスタジオとされていた。実際『魔境伝説アクロバンチ』『プラレス3四郎』『BIRTH』などカナメプロの初期を代表する作品は、金田が深く関わっている作品である。
当初は他社制作テレビアニメの仕上げやグロス請けなどを担当していたが、のちに「テレビよりも制作スタッフの意向をダイレクトに反映しやすくフレキシブルな作品を作れる」OVA市場の可能性にかけ、そちらの方向へと舵を切り、質の高いアニメを創り上げる「伝説のOVA製作会社」のひとつとして名を馳せた。
が、OVA市場に頼り切ったその方針は、市場の飽和と過当競争に晒された挙句、質の高さを追い求めた体制が経営を圧迫した事で行き詰まり、結果として1988年に倒産してしまった。
が、上記の参加メンバーを見ての通り、カナメプロを離れた人員は、その後の年代を代表する様々な作品を送り出し時代にその足跡を刻んだ。その意味でも80年代の伝説とされるアニメ制作会社として現在でも名を知られる。
作品
参加作品
- 魔境伝説アクロバンチ(制作は国際映画社と東映動画)
- さすがの猿飛(制作は土田プロダクション)
- きまぐれオレンジ☆ロード(制作はスタジオぴえろ。のち劇場版のひとつを湯山が担当)
など。
自社制作
テレビアニメ
- プラレス3四郎(カナメプロ唯一の自社制作テレビアニメ)
OVA
- BIRTH
- 幻夢戦記レダ
- バビ・ストック
- 夢次元ハンターファンドラ
- ウインダリア
- ザ・ヒューマノイド
- ワット・ポーとぼくらのお話
など。
外部リンク
関連項目
KSS:カナメプロにいた大宮三郎がカナメ退社後に所属した製作会社。渡辺真由美もフリーの立場で大宮を補助。
OLM:湯山邦彦がカナメプロを離れた後に参加したアニメ制作会社。
南町奉行所:山崎理・西井正典がカナメプロを離れた後に設立したアニメ制作会社。