概要
1985年から1986年にかけてカナメプロダクションが制作した。
次元ハンターと呼ばれる賞金稼ぎの美少女「ファンドラ」が、宇宙船に乗り異なる次元を股にかけて活躍するSFファンタジーアクションである。
永井による未発表ストーリーをアニメーター・田村英樹氏が最終的にまとめあげている。Part.1 「レム・ファイト編」、Part.2 「デッドランダー編」、Part.3 「ファントス編」の全3話構成。
監督はPart.1が岡迫和之、Part.2が吉田浩、Part.3が影山楙倫。キャラデザはPart.1が田村英樹、Part.2とPart.3が渡辺真由美、Part.3が山内英子(渡辺と共同)。脚本は水出弘一と山田隆司の共同脚本。
経緯
もともとの永井豪の原作シノプシスは、1980年代当時大流行が始まった「ロリコンもの(※当時は俗に美少女キャラによるアダルトアニメを意味していた)をやりたい」という永井の要望により、SM・レズ・エロ・グロ・ナンセンスと子供に見せられない永井節のオンパレードであった。
永井の『バイオレンスジャック』のアニメ化を真面目に夢見ていた脚本の水出弘一は「ロリコンアニメだけはやりたくない」と常々思っていたため、企画に難色を示していた。
加えてカナメプロダクションとしても、アダルトアニメは拒否したい仕事であり、既に成功している『幻夢戦記レダ』のようなSFファンタジー作品にしたいと考えたたため、永井の設定部分だけを残し、裸とエロを排除する方向性で企画を提出し直した。
これに永井からOKが出たため、現在見ることができるファンドラの方向性におさまった。
しかし準備稿段階では永井原作の「ロリコンもの」の名残りが色濃く残っており、直接的なシャワーシーンのほか、拘束されたファンドラが蜘蛛に服を破かれ、乳房を敵に吸われ…といったきわどい描写が存在する。
あらすじ冒頭
遠い二千年先の未来、そこは人類が「ディメンション・フライト」と呼ばれる航法によって様々な次元を行き来できる世界となっていた。だがそんな時代でも悪の芽は絶えない。次元の狭間で暗躍する犯罪者たちに対し、次元ハンターの賞金稼ぎの美少女「ファンドラ」(CV:堀江美都子)とその相棒の少年「クエ」(CV:神谷明)が活躍。宇宙船エルク号に乗って次元を超えて各地を飛び回るファンドラとクエは両者にとって因縁浅くない宇宙の「レム王国」へやってくるが、そこはかつての美しさがかげり、若い女性も姿を消していた。その裏で策謀をめぐらす謎の男「ゲルズバーグ」(CV:井上真樹夫)(※彼の正体はレム王国の国王と王妃を殺害した「ヨグ・ソゴス」)。彼が持つ青い宝珠「エンドラン」はファンドラが所有する赤い宝珠「ルピア」といかなる関係があるのだろうか?