概要
Pixivではアニメーション制作における制作進行を指すことがほとんどである。
アニメーション制作における制作進行
アニメーションの制作現場において、スケジュールの管理・進行をする役職。
いつまでに作画を仕上げ、背景美術・彩色・撮影に進むのかなど、全スケジュールを考え、スケジュール通りに進め、納期を守るのが仕事。
現場では「制作」「進行」などの略称で呼ばれる事が多い。
主な業務内容としては
- 自分が受け持つ話数を担当してくれるアニメーターなどのスタッフを集める。
- 集めたスタッフに必要な設定や資料を配布し、各部署同士の打ち合わせの手配をする。
- 描き上がった原画、動画、背景などをスタッフから回収し、次の作業を行う部署へ配達する。
- 作業が滞っている部署があれば催促をする。
- 監督や演出家などとの間に立ってスケジュール調整をする。
- その他雑用や事務作業。
などがある。
日本のアニメ制作では、あちこちに散らばっている専門スタジオに各分野の作業を外注している事が多い。また、アニメーターはほとんどがフリーランスで、自宅や他の会社で作業をしているケースも多い。そのため制作進行は、回収、配達、打ち合わせなどのためにさまざまな場所を車で走りまわらねばならない。ゆえに制作進行になるためには「自動車運転免許」が必須とされている。
納品が近くなると、帰宅時間や睡眠時間の確保が難しくなり、疲れ切ったまま車を運転していた制作進行が交通事故を起こすこともある。また、回収先に駐車場がなく、車を路駐して回収している間に駐車禁止違反を取られたりするケースもよくあり、免許停止になる確率が高い。
さらに、各部署のスタッフ間の調整をしたり、スケジュールが厳しい場合は無理難題をお願いしたりと、何かと板挟みになる立場でもある。納期間近になると、いろんな人に怒られたり(八つ当たりの場合もある)、頭を下げまくったりすることも多く、忍耐力とある程度のコミュニケーションスキルが求められる。セルアニメ時代には重いセル画の運搬もしなければなならなかったため、力仕事の面もあった。
このように心身ともに負担が大きく、なおかつ薄給であるため、短期間(3か月~1年程度)で辞めてしまう人が非常に多い。
2014年にはA-1Picturesの制作進行が過労うつにより自殺した件で労災認定が降りたニュースが話題となった。
メリットとしては、アニメの制作工程のおおむね全てについて実際に見聞することが出来ること。また演出家や監督など制作の中心スタッフとも直に接することでコネを作りやすい。その立場を活用して、制作進行を出発点に演出家やプロデューサーになる者もいる。
制作進行から演出家になる場合は、仕事をしながら絵コンテを描いて、顔見知りの演出家や監督に見てもらい、実力が付いて来た頃に演出の空きがあれば 実際に演出を担当させてもらうというケースが多い。
プロデューサーになる場合は、制作進行の経験を積んで制作デスク(制作進行のまとめ役)になり、その後アシスタントプロデューサーを経てプロデューサーに昇格する。しかし、プロデューサークラスになるまでには10年単位での努力が必要な上に、そのときにタイミングよくプロデューサーの席が空いているかと言う運も関係してくるため、非常に狭き門であると言える。
関連タグ
アニメ制作会社(一覧あり)
かつて制作進行だったアニメ関係者
- 赤根和樹(アニメ監督)
- 石倉賢一(アニメ監督)
- 伊藤和典(脚本家)
- 今千秋(アニメ監督)
- 近藤光(ufotable代表取締役、プロデューサー)
- 富野由悠季(アニメ監督)
- 舛本和也(TRIGGER取締役、プロデューサー)
- 水島精二(アニメ監督)
- 水島努(アニメ監督)
- 山口亮太(脚本家)
関連作品・キャラクター
架空の制作進行
外部リンク
- 制作進行(Wikipedia)
- 制作進行の仕事について …ガイナックス公式サイトのコンテンツ。