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概要編集

ゆめ太カンパニーの制作による、アニメの新人制作進行を主人公とした、異色の「アニメ業界モノ」アニメ。その業界の裏をつまびらかにした(=業界が公にしたくない、特に大手のアニメ会社なら軒並み絶対に隠蔽したいブラックな実情を、あえて公開に至らしめた)豪気な作風から、ゆめ太カンパニーの名を一気に業界に知らしめた作品であり、また現在でもゆめ太カンパニーの代名詞のように扱われる作品のひとつである。

1作目は2001年、第2作は2003年にそれぞれOVAの形で発表されている。

監督は大地丙太郎、キャラクターデザインは渡辺はじめ


弱小グロス請けのアニメ制作会社「スタジオプチ」の新人制作進行の主人公の奮闘を軸に、ハードなアニメ制作業界の実体を描いている。


子供向けの少女マンガ然とした可愛らしいデザインと、やたらクオリティの高い作画と、テンポの良いコミカルな演出で話が進む、単体のコメディ作品として観ても楽しい作品。しかし、描いている内容は結構洒落になっておらず、大地監督をはじめ、業界関係者のため息や恨みつらみや自嘲が篭りまくっている。


主なキャラクター編集

新人の制作進行。20歳。おそらく短大か専門学校からストレートで入社したものと思われる。

入社当日に前任が倒れ、ろくな引き継ぎもないまま何もわからない状態で制作デスクとなり、カツカツのスケジュールに濃すぎる関係者達に振り回されつつ成長していく。

「くろみ」と呼ばれている。

スタジオの作画監督。クールな態度ながら面倒見はいい性格で、クセの強い作画陣のコントロール術もわきまえている。作画監督としても優秀。実はくろみがアニメ業界入りを志したきっかけになった作品の作画監督で動画も上手い。心が折れかけたくろみを勇気付けたこともある。

作画監督としてのデビュー作を担当した高島平のせいで作監修正をまともに出来ないままに原画を引き上げられて作画崩壊が起きたことで一時挫折していたが葉山のおかげで立ち直った。

ヘビースモーカーで、禁煙している状態だとパフォーマンスが露骨に低下する。

演出家。演出家としての腕は高く、調子のいい性格だが根はそれなりにいい奴、といった感じの男。かつては制作進行も担当しており、くろみにアドバイスしてくれたこともある。しかし、作画のチェックが超ザル。

フリーの原画家。見た目はイケメンで態度は気障。筆が早く、描き上げた“もの”を見るまでは非常に頼りになる原画マンに思える男。しかし実際のところ致命的に絵が下手で、キャラデザからかけ離れがちなため、彼の原画の修正に追われる羽目になる四本松のストレス源になっている。彼女などがたまにキレてストレートに批判すると、とたんに心が折れてしまう。

でっぷり太った重度のヲタのフリー原画マン。サボリ癖はひどいが一端やる気になれば仕事は速く良質。

「バミラス」という女性アニメキャラが大好きでフィギュアを離さない。四本松には「宇宙鉄仮面」と呼ばれており彼女を恐れている。

  • 深水葵

主婦アニメーター。腕はあるのだが、新婚早々、結婚生活の現実にぶちあたり筆が進まなかっていた。くろみに愚痴を聞いてもらい、旦那へのいら立ちを紙にぶつけたところ、仕事が途端に早くなった。

  • 洞口米

原画担当。病的に痩せている女性で、自信がなくネクラ。しかも、上手く行かないのをすぐキャラデザのせいにする悪癖がある。ただし褒められなれていないため、一旦乗せられると仕事のペースが上がる。ゾンビの作画には自信があり上手い。四本松を「お姉様」と呼び慕っている。

  • 葉山暢気

バイクのシーンを描くのが上手いアニメーターで湘南住まいでサーフィン大好き。サーフィンが好きすぎて前年に頼まれた仕事をギリギリまで放置する程だが、着手すれば仕事はかなり速い。

  • 社長

くろみらの所属する「スタジオプチ」の社長。見た目は穏やかだがド新人のくろみをデスクにしたり、キャラデザの傾向が違いすぎる3本作品の仕事を同時にたった7人のスタッフ(演出1人+原画5人+制作進行1人)にやらせたりとやることは無茶苦茶。果てには「こんな活気のあるスタジオは久しぶりだなあ」と、修羅場を繰り広げる社員を目の前にしながら一人のんびりノスタルジーに浸るなど、はっきり言ってブラック企業経営者(しかも自覚のないサイコパスタイプ)そのもの。

  • 追浜

1話にのみ登場する、くろみの前任の制作デスク。

激務で医に穴があいており既にどこか壊れてしまったと思われる様子でくろみを迎え入れ、入社早々の彼女にろくな仕事の引き継ぎもしないまま倒れてしまい、救急搬送されて退場。後に社長からくろみに「後任が来ればすぐにやめることになっていたから、彼はもういない。君が今日から彼の代わりね」と宣告された。

  • 高島平礼

2話で登場したベテラン制作デスクのちょび髭男。過去にわずかだがスタジオプチに在籍していたらしく、無茶スケジュールの助っ人として社長に再度呼ばれた。とにかく納期に間に合わせることだけを最優先させるため現場の雰囲気を著しく悪くし、作画の質が悪くても気にしないため業界では「奴が通った後は草も生えない」と悪名高い。過去に作画崩壊を引き起こし人柱にされた四本松を挫折させかけた前科があり、再度来襲して彼女を同様の目にあわせかける。

  • 都下原悠

2話で高島平が連れて来た老人アニメーター。ベテランを通り越して老害じみた面があり、ハイライトが大嫌いでキャラデザの指定を無視して消してしまったりする。ただし根は悪い人ではない。

  • 久米川慎

2話で高島平が連れて来た老人アニメーター。人は悪くないが作画水準の感覚が昔のまま止まってしまっているため、田の中の原画も「良く描けている」と通してしまう。


関連タグ編集

アニメーター 作画崩壊 制作進行


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