概要
日本のアニメ制作会社。本社は東京都清瀬市。
現在はグラフィニカの子会社でメモリーテック・ホールデイングスの100%孫会社。
資本系列上の大元をただせばポニーキャニオンとエイベックス両系列の相乗りとなっている。
この会社は経営統合の経緯から、創業当初の「ゆめ太カンパニー(旧社。通称:旧ゆめ太)」と、経営体制変更後の「TYOアニメーションズ(ティー・ワイー・オー社アニメ部門。通称:TYA)」と、親会社の買収戦略によって強制統合された「ハルフィルムメーカー(通称:HAL・ハル)」という三社の系列が統合されたことによって成り立っている。
特に現商号である「ゆめ太カンパニー」に関しては創業時の商号であり法人自体も継続されているものであるが、2009年以降におけるティー・ワイー・オーグループの事業整理の経緯から社歴での認識上は「ゆめ太旧社(旧ゆめ太:1986年~2009年)」と「ゆめ太新社(新ゆめ太:2017年~現在)」に分かれている。
歴史
まず、旧ゆめ太が1986年3月5日にタマ・プロダクション(旧虫プロ系)出身の山口聰によって静岡アニメーションとして設立される。設立後はぎゃろっぷやスタジオディーンより外注(仕上げ・グロス受け)を受ける下請け専門の制作会社として活動していた。その後間もなく商号を変更しゆめ太カンパニー(旧ゆめ太)となる。
続いて1993年8月11日に、東映(→東映動画)出身の春田克典によってハルフィルムメーカーが設立された。元は東映系列のプリプロダクション(東映内でまかないきれないロケハンリサーチや作品イメージボードなどの請負い)として活動していたが、1997年にスタジオジュニオ(現在のジュニオ・ブレイン・トラスト)に所属していた、アニメ作品『セイバーマリオネットJ』のスタッフが「セイバーJの続編制作を求められ自分たちも受けたいが、これを作るにあたりジュニオの体制ではまかないきれない」(いわゆる『白鯨伝説』『ガンドレス』の騒動に巻き込まれた)と知己を頼って春田の元に移籍してきた事で実制作の体制が整い、アニメ制作会社の業務をスタートさせる。この経緯からハルフィルムメーカーは制作業務開始当初の制作系列上は「東映・角川系」のアニメ制作会社であった。
2000年にハルフィルムメーカーは「会社の枠にとらわれない仕事をしたい」(当時の東映アニメーションは別社作品との監督業の掛け持ちを禁止していた)として東映アニメーションを辞した佐藤順一を受け入れ取締役とした。
2003年、コンテンツ制作会社であるティー・ワイ・オー(1982年創業)が自社アニメ部門の強化を狙い、制作増資を求めていたハルフィルムメーカーに対して業務提携と増資を打診。ハルフィルムメーカーはこれを受け入れ、ティー・ワイ・オーより新たなる自社総資産に対して85%もの増資を受ける。この事によってハルフィルムメーカーは実質上のティー・ワイ・オーグループのアニメ部門となった。
2005年、ティー・ワイ・オーは自社アニメ部門の更なる増強を目論んで、旧ゆめ太を買収しハルフィルムメーカーとは別に設立させていた自社のアニメ部門を統合させて傘下に置いた。この事により、ゆめ太は、ティー・ワイー・オーグループの第2のアニメ部門となる。(ティー・ワイー・オーによる旧ゆめ太の吸収合併と自社アニメ部門の分社化を同時に行った形になった。ただし当時のティー・ワイー・オーのアニメ部門はティー・ワイー・オーの一部門に過ぎないものであるため分社化とはいえ法人格を新たに立ち上げる事はせず、法人格上はゆめ太を存続会社とした)
2006年に、ティー・ワイ・オーが動画工房を傘下に収め、グループ第3のアニメ部門とした。
2009年、ティー・ワイ・オーグループがグループ内の事業整理に乗り出し、自社アニメ部門全社事業系列の完全統合を目論む。紆余曲折の結果、動画工房はティー・ワイ・オーの統合に反発し、部門担当者による全株式のティー・ワイ・オーからの引き上げに成功してグループから離脱。残った(離脱をしくじった)2社が整理対象となり、存続法人をゆめ太カンパニーとする一方で春田および佐藤らハルフィルムメーカーの経営陣にゆめ太の指揮を執らせる事で統合を実現。こうして統合させて成立した会社をTYOアニメーションズとして、両者の名義は「TYOアニメーションズのブランド」として存続させる、とした。(実質上は「外見はゆめ太であるが中身はハルフィルムメーカー」という形となった)しかし、翌2010年より新規作品に対しては「TYOアニメーションズ」の名義を用いる事とし、こうして、ゆめ太カンパニーとハルフィルムメーカーの両ブランドは新規制作ブランドとしては消滅へと至った。2011年、春田克典・佐藤順一の両名がTYOアニメーションズの取締役を辞任。佐藤は契約監督となる(春田および佐藤が山口にゆめ太を返却した形となった)。
2017年、ティー・ワイ・オーが同業であるAOI(旧・葵プロモーション。1963年設立)との提携より経営統合に至り、事業の再整理が行われる。この時にティー・ワイ・オーグループはAOIよりアニメ部門を手放すことを求められ、結果TYOアニメーションズはメモリーテックHD傘下のグラフィニカへと譲渡される事となった。そして2017年11月、グラフィニカはTYOアニメーションズの商号をゆめ太カンパニーに戻す事を求め、これが行われたことで9年の間隙を得て「ゆめ太カンパニー」の称号とブランドが復活した。(以降、新ゆめ太)
新ゆめ太は親会社となったグラフィニカとの共同制作名義で元請けする作品も多い。
作品
新ゆめ太カンパニー
☆はグラフィニカとの共同制作作品
『あっくんとカノジョ』2018年
『怪獣娘(黒)〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』2018年
『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』2019年 ☆
『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』2020年(製作:東映アニメーション)
『みちるレスキュー!』2020年
『マブラヴ オルタネイティヴ』2021年 ※FLAGSHIP LINE、グラフィニカとの共同制作
『CUE!』2022年 ☆
『東京ミュウミュウにゅ〜♡』2022年 ☆
『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』2023年
『新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。』2024年
TYOアニメーションズ
『ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~』2009年
『遙かなる時空の中で3 終わりなき運命』2010年
『B型H系』2010年
『ムダヅモ無き改革 -The Legend of KOIZUMI-』2010年
『シックスハートプリンセス』2010年 - イベント上映用アニメ
『たまゆらシリーズ』2010-2016年
『+チック姉さん』2011年
『毎日かあさん』2011-2012年 - 97話から同友アニメーションとの共同制作
『銀河へキックオフ!!』2012年
『超訳百人一首 うた恋い。』2012年
『わんおふ -one off-』2012年
『ゆるゆり なちゅやちゅみ!』2015年 - 動画工房から引き継ぎ
『ゆるゆり さん☆ハイ!』2015年 - Lay-duceへ引き継ぎ
旧ゆめ太カンパニー
『アンジェリークシリーズ』2000-2005年
『アニメーション制作進行くろみちゃん』2002年
『まっすぐにいこう。』2003-2004年
『遙かなる時空の中で』2004年,2006年
『金色のコルダ~primo passo~』2006年
『遙かなる時空の中で3 紅の月』2007年
『ネオアンジェリーク Abyss』2008年
『金色のコルダ~secondo passo~』2009年
旧ハルフィルムメーカー
『またまたセイバーマリオネットJ』1997年 - スタジオジュニオより引き継ぎ
『セイバーマリオネットJtoX』1998年
『BOYS BE…』2000年
『STRANGE DAWN』2000年
『新白雪姫伝説プリーティア』2001年
『プリンセスチュチュ』2002年
『カレイドスター』2003年 - 原作・企画のみ
『うた∽かた』2004年
『ふしぎ星の☆ふたご姫』2005-2007年
『ARIAシリーズ』2005-2008年
『西の善き魔女 Astraea Testament』2006年
『オーバン・スターレーサーズ』2006年 - 日仏共同制作
『スケッチブック ~full color's~』2007年
『ナイトウィザード The ANIMATION』2007年
『魔法遣いに大切なこと~夏のソラ~』2008年
『ケメコデラックス!』2008年
『スキップ・ビート!』2008年
関連タグ
円谷プロダクション:同じくティー・ワイ・オーの目論見に翻弄された会社。
外部リンク
ゆめ太カンパニー - 公式
Wikipedia
ゆめ太カンパニー(TYOアニメーションズは同ページに転送)
その他
ゆめ太カンパニーとは (ユメタカンパニーとは) - ニコニコ大百科(TYOアニメーションズは同ページに転送)