CV:大木民夫
概要
セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)の継父で、ナディア・ロナの再婚相手。
かつて小説家を目指しながら中年になっても独身のままサラリーマンを続けるが、当時カロッゾ・ロナの妻でありながらロナ家に失望して逃げたナディアを寝取り、娘のベラと3人でサイド3に駆け落ちする。後に家族でフロンティアⅣに移住すると小説家を断念し、パン屋『テスのパン屋』を開業する。
ちなみに『F90FF』ではシオの処女作『霧の涯なる尖塔』の詳細が明かされており、内容は「高い理想ばかり見すぎて愚かしさに取り込まれる男が主人公のファンタジー」小説らしい。
動向
劇場版
ナディアと交際しセシリーを当初は「『普通の庶民の娘』として真っ当に育てよう」と考えていたが、ある日店に訪れた弁護士から「ナディアとセシリーがロナ家の一員である」真実を知らされ、更に「セシリーをロナ家に引き渡せば相応以上の謝礼が払われる」旨を告げられる。その後、別の仲介人から発振器内蔵のイヤリングを渡され、セシリーに理由を告げずに事前に知らされていた、フロンティアⅣ侵攻の日に着けるよう手渡す裏取引を行っていた(しかし、モビルスーツを大量投入する規模の大きなものだとは知らなかった模様)。
クロスボーンバンガードのフロンティアⅣ侵攻の際には、ノーマルスーツを着てパン配達用のエレカで戦闘状態となったコロニー内のセシリーを捜索、スペース・ボートの発着場で友人達とフロンティアIVを脱出しようとするセシリーを発見。引き留めるために銃を向け威嚇射撃を行い、止めに入ろうとするシーブック・アノーを銃撃して負傷させる。直後にモビルスーツに乗って来たドレル・ロナにセシリーを引き渡し、高笑いしながらその場を去る。
フロンティアⅣ制圧終了後、迎賓館でベラと再会し彼女から怒りをぶつけられるも、シオは「せざるを得なかった」と詭弁を弄する。また、パン屋を畳んで迎賓館近くに引っ越している。その際にフロンティアⅣの人からは「いい人だと思ってたら、クロスボーンに尻尾を振った売国奴だった」と罵られている。
その後、ナディアにせがまれてセシリーを取り戻すためにロナ家を訪ねる彼女に同行するが、ナディアとカロッゾが会った直後に突然倒れて死亡。原因は不明だがナディアが「人殺し」と叫んでいる点から見て抹殺されたようである。
他媒体
小説版やプリクエルではシオ側の裏切りよりも、外堀が埋められ実の父親としてカロッゾが親権を主張してそれが通り、ロナ家への引き取りが決まってしまい、シオにはそれを拒否する権利さえ無かった。血縁は無くとも1人の父親として描かれており、少なくとも産みの親以上に親をしている。
また小説版では死亡せずに最後まで生存する。
総評
上記の通り金と引き換えにロナ家にベラの居場所をリークする、ロナ家の所在地近くに移り住み、ベラの養育を引き換えにその庇護下でかなり贅沢な暮らしを送るなどの愚行から、一部のファンから「ロクデナシの父親」と見られているが、むしろ「自分だけ見つからなければいい」と娘のセシリーをシオの下に置いていた張本人のナディアが、彼を「裏切り者」と批難するのはお門違いである。
また、本来はTV枠の1~2クール分に相当するシナリオを、劇場版に納める都合上から本筋以外は削るしかないのもあり、劇場版のシオの行動は少なからず前述のしわ寄せの面もあり、他媒体でフォローするしかなかったとも見える(ただし、現在のバンダイ並びサンライズは「メディアによって展開が異なる場合、基本的にアニメ媒体を正史とする」との見解を挙げているが……)。
余談
セシリーのパン屋としての腕は後の宇宙海賊時代でも振舞われており、後に彼女はシーブックと共にパン屋を開業する至った。
CVの大木氏は同作にてロイ・ユングも演じている。
関連タグ
ナディア・ロナ:一応は妻。
セシリー・フェアチャイルド:血の繋がらない娘。
カロッゾ・ロナ:妻の前夫。