概要
通称ムンゾ。
地球から最も遠く離れた月の裏側のL2点付近にあるスペースコロニー群。
ここでジオン・ズム・ダイクンが0058年にスペースノイド独立と新人類ニュータイプの存在を提唱して独立を宣言、ジオン共和国(『THE ORIGIN』ではムンゾ自治共和国と呼ばれていた)を建国した。しかし0068年にダイクンが死去した後にデギン・ソド・ザビらザビ家が支配権を掌握し、独裁国家ジオン公国へと変貌していった。
共和国時代からサイドに存在する開放型コロニーを密閉型コロニーに改造しており、工業生産能力と人口の収容能力等を他のサイドよりも増強している。また、本国としてズム・シティが置かれ、一年戦争ではア・バオア・クー、ソロモン、グラナダを本国に対する防衛拠点とし、それらを結んだ線を防衛ラインとして成立させ、万全の防衛体制を取った。
一年戦争末期では地球連邦軍の星一号作戦の最終目標となっていたがア・バオア・クー最終決戦でザビ家が滅び、ジオン公国が事実上敗戦した後はダルシア・バハロを始めとする議会内部の和平派により元の共和制国家に戻り終戦協定を結ぶ。これによりジオン本国への直接攻撃は辛くも回避され、戦争最初期に他のサイドの殆どをジオンが徹底的に破壊したこともあって、皮肉にも最も工業生産能力を温存していたサイドとして、戦後はコロニー再建計画等に関わることとなる。
一年戦争以降の戦乱でティターンズに協力させられたりアクシズに譲渡されたりしたジオン共和国だったが、宇宙世紀0100年に自治権を放棄しジオン共和国は解体され、それ以降サイド3は連邦直轄領となる(ただしその自治権放棄に伴う武装解除に反対する勢力が共和国解放戦線と言うゲリラ集団を組織している)。
近くにはゼブラゾーンと言う暗礁宙域が存在するらしい。
ザンスカール戦争時代の0150年代では戦乱とは無縁の平和な片田舎となっており、かつて隆盛を極めた重工業分野は衰退したが、一方で情報通信分野は長足の進歩を遂げ、高校生がクラブ活動でAIを組めるまでになっている。
だが宇宙戦国時代が激化した0169年では「ザビ・ジオン」や「ハイ・ジオン」など、ジオンの後継を名乗る4つの勢力が乱立して対立しあう様相を呈し、技術力の低下や独裁政治による生活環境の悪化で、住民も疲弊している有様となっている。
また地球連邦崩壊後の0220年代には地球シンパとして連邦の残党である地球各国と共にセツルメント国家議会を設立していると言う皮肉な事になっている。
尚、宇宙世紀の後の時代を描いた『Gのレコンギスタ』に登場するトワサンガがサイド3と同じ位置である事から、サイド3のなれの果てである模様。
コロニー一覧
- 1バンチ「ズムシティ」
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場。
ジオン公国の首都で公国の施政の中心となり、サイド3の政府高官や高級軍人、名家が住んでいる。ジオン・ズム・ダイクンから名前を取っている。
独特な形の公王庁が設けられ謁見室やデギンの私室があり、裏手にギレンの官邸が配されている。ガルマの国葬もここで行われている。サハリン家もここに住んでいた模様。
地球連邦軍の星一号作戦の最終目標となっていたが、終戦協定により戦火を免れる。漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、人口の減少を悟られないように自治体に無人でも明かりを灯す「灯火管制」が要請されている様子が描かれた。
漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、宇宙世紀0105年に旧公国庁舎の向かい側に一年戦争記念館が建造されている。
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の宇宙世紀0153年では、主人公フォント・ボーが住んでいるコロニーでこのころには、宇宙戦国時代と呼ばれる戦乱の時代に取り残された片田舎のコロニーとなっており、かつての公王庁舎は「ズム特別戦争博物館」となっている。16年後の『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』では、ガルマ・ザビ3世を名乗る独裁者に支配されている。
- 3バンチ「マハル」
『機動戦士ガンダム』に登場。全住民150万人が強制疎開されて巨大レーザー砲ソーラレイに改造された。
アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するシーマ・ガラハウたち海兵隊隊員たちの故郷でもある。
- 9バンチ
書籍『ガンダムセンチュリー』、および漫画『アッガイ博士』に登場。
サイド3の中でも最大の「海」をもつリゾート・コロニー。アッガイなどの水陸両用MSのテストにも使用されている。また、宇宙世紀0079年10月1日には市民団体が中心となり戦没者慰霊祭が開催され、デギン公王も出席している。
- 11バンチ
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。
一年戦争終結後、極秘裏にアクシズへの連絡船を運航していたり、宇宙世紀0083年3月には潜伏していたジオン軍残党がデラーズ・フリートにMSを提供しているなどジオン残党への協力を行っている。
0100年には、カノム精機が創業70周年を記念し、超大型望遠鏡「サード・アイ」を設置する予定らしい。
- 14バンチ
模型企画『MSV』に登場。
工業区のあるコロニーで、エリオット・レムがそこで終戦を迎えている。
また『機動戦士ガンダムアグレッサー』では訓練コロニーとなっており、戦前には連邦とジオンの親善射撃大会の会場となっている。
- 21バンチ「リゾンデ」
『ギレン暗殺計画』に登場。
ジオニック社が所有する観光用を兼ねた海洋コロニー。
一年戦争時にはジオニック社の兵器試験場として、水陸両用MSの開発が行われ、一般人の立ち入りは厳しく制限されている。
- 24バンチ「タイガーバウム」
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。
旧世紀の香港や許都をモデルにした観光用コロニーで、外壁には巨大な竜が描かれている。一年戦争時から中立を宣言しているが、港口には機雷が散布されている。第一次ネオ・ジオン抗争時にはスタンパ・ハロイが支配しており、彼はコロニー公社と共謀して税金を高くしているため、住民は低所得者が多い。
『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-』では、宇宙世紀0100年代にホンコンシティからルオ商会の手が入る事で環境面の向上を果たし、成功しているらしい。
- 26バンチ「アキレス」
『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』に登場。
一年戦争終結まではジオン国防大学が置かれ、大学内の研究施設ではスペースノイドの優秀性を証明するという名目で遺伝子交配実験がおこなわれるが、戦後は施設の一部を除いて広く開放され観光名所となっている。アスナ・エルマリートの故郷。
- 31バンチ「ブリュタール」
小説版『機動戦士Ζガンダム』第3巻に台詞でのみ登場。『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』にも登場。
地球連邦が一年戦争後にジオン共和国に作った観光用コロニー。ワインの産地として有名で、またコロニーの中でも最大級の面積を誇るコノシア湖がある。シャア・アズナブルとハマーン・カーンはここに来たことがある。
- 35バンチ「キンツェム」
書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』および漫画『GUNDAM LEGACY』に登場。
開戦前の0078年10月にザビ家に反対する勢力によるクーデターが発生し、ガデム率いるMS部隊による武力鎮圧が行われた。
ちなみにガデムの盟友ゴードンの故郷で、ゴードンは休暇で帰省していた際にこのクーデターの巻き添えで家族ともども死亡した。
- エキストラ・バンチ「ダーク・コロニー」
『THE ORIGIN』に登場。
秘密裏にジオン軍のMSの開発がおこなわれているコロニーで、開戦直前には多数のアルカナ級貨客船がムサイに改造された。
- ガーディアン・バンチ
『THE ORIGIN』に登場。
ジオン国防軍の士官学校があり、演習エリアを挟んで連邦軍の駐屯地と隣接している。
0077年に当時のガルマやシャアを始めとする士官学校の生徒達が連邦軍の1個連隊を武装解除させる事件「暁の蜂起」が起きた。
- ファーム・バンチ「アマテラス」
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場。
農耕コロニー。
0083年に起きたコロニー落下事故による穀倉地帯の壊滅的損害の代償として、翌年にティターンズから譲渡を要求された。当時の代表はファル・ディ・アマト。
実はこのコロニーにはブリティッシュ作戦が失敗した際の切り札として地球へ落下する為のブースターが装備されていた。ネオデラーズ・フリートを名乗る武装集団はこれを連邦に与するグラナダへ落そうとするがファルによる爆破された。
- ウィルヘルムスハーフェン
小説版『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。
地球の湖や森を再現したレジャー用コロニー。サハリン家の別荘があるが、爆破テロで破壊されている。この事件でギニアスは病気になり、更にサハリン家が没落したらしい。
- グローブ
小説・アニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。
スベロア・ジンネマンやアンジェロ・ザウパーらの出身地。一年戦争終結後に連邦占領軍の兵士達がガス抜きの為に住民への大量虐殺や暴行、強姦などを行ったグローブ事件が起こり、しかもその暴挙は黙認されて、半ば公衆便所みたいになり果てていた。ジンネマンの妻子とアンジェロの父親もその際に連邦兵に殺された。
- コア3
『機動戦士ガンダムZZ』に登場。
ジオン発祥の地らしいコロニー。宇宙世紀0088年時点で人口約500万人。第1次ネオ・ジオン抗争の際にネオ・ジオンの本拠地となった。その際に戦力増強を図り鉱山小惑星キケロを接続するもエゥーゴのネェル・アーガマが砲撃でドッキング・ベイを破壊しキケロは分離する。
今度はグレミーの反乱時に小惑星モウサをぶつけられそうになるが、艦隊の集中砲火により軌道を反らし、農業用リングを破損するものの本体は無事だったが次のアクシズ本体は避けきれず、前部から中央にかけて大きくえぐられる。そしてハマーンのキュベレイとジュドーのΖΖガンダムの最終対決の舞台となるが、その最中に軌道を変えられたモウサが戻り中央部に激突し、大きく折れ曲がる。
その後も大穴が開いたままになっている模様。
- サガルマータ
漫画『機動戦士ガンダム ジオン公国幼年学校』に登場。
大半が軍事施設となっており、ジオン公国幼年学校もあるコロニー。
- ザハト
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場。
軍事教練コロニーで、宇宙世紀0078年にシーマやゲール・ハントら海兵隊が開戦へ向けて軍港で出撃準備を行っていた。
- モーゼスマウント
漫画『機動戦士ガンダムNT』に登場。
ゾルタンの過去編で登場しゾルタン・アッカネン(本名ティート・トゥッチ)とダルシア・バハロとその息子モナハン・バハロの出身地。
サイド3一帯の船会社と乗船員を束ねるコロニー貨物船労働協会の本部となっているコロニー貨物船労働協会の会長ボナヴェント・トゥッチの屋敷が置かれていたが宇宙世紀0075年にコロニー貨物船労働協会の支部長ラソイオ(本名ゾルタン・アッカネン)が連邦の税率改定に不満を持ちストライキと連邦の貨物船と連邦の極秘補給基地とサイド3に派遣した連邦商務省の産業安全保障局の局長を乗せたサラミス級にテロを仕掛けエコーズをスワッティングに利用し屋敷の人間達を殺害させたがラソイオ一派に捕らわれていた諜報員がボナヴェントの秘書のブライアー(正体は、ボナヴェントの隠し子でありティートの姉だった。)に救出されたことによって連邦に正しい情報が送られエコーズは、ターゲットをボナヴェントからラソイオに変更したが返り討ちに合い全滅した。
ボナヴェントは、ブライアーを庇いラソイオに射殺されてしまい怒りに我を忘れたブライアーによってラソイオは、滅多打ちに合い重傷となるがティートを人質にする時に事前に仕掛けておいた時限式発砲装置によってブライアーは、殺害されてしまう。
ラソイオがエコーズとの戦いに使用した事前にラソイオ一派の内通者によって屋敷に仕掛けた時限爆弾の飛び火によって屋敷は、炎上するなかラソイオは、ティートに連邦兵時代だった頃のゾルタン・アッカネンと書かれたドックタグを託したがラソイオの持っていた銃を手にしたティートにラソイオは、射殺された。
エコーズ隊員に首筋を銃弾でかすって気絶していた会長代理は、その銃声を聞きティートと共に炎上する屋敷から脱出する。
ストライキは即日解除されたがこの事件で会長を含む協会幹部は全滅し労働協会は業務統治や管理を行うことが事実上不可能な状態に陥り解体される事となりこの事件は表向きは連邦政府の隠蔽工作で火災事故として報道された。
漫画『魔法の少尉ブラスターマリ』に登場。
1千万人の人口を抱える一般的なコロニー……が、「究極のコロニー防衛システム」としての機能を発揮した姿。
- グウィネズ
漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』の関連企画「月刊モビルマシーン縮刷版」に登場。
このコロニーで0098年からグウィネズ義勇軍という武装組織が連邦軍駐留部隊の退去を求めてテロ活動を行っていたらしい。しかし同組織は0112年に突如として活動停止を宣言している。
彼らは袖付きの分派ではないかとされているがそのメンバーの中にはアナハイムの関係者であるリベラ・アマルガムもいたと言われている事からアナハイム・エレクトロニクスの破壊工作部隊だったのではないかと言う説もある。
ゼブラ・ゾーン
月の裏側であるサイド3の近くにある暗礁宙域。宇宙世紀0040年にコロニー群が建設されるが、0092年に放棄されている。
ここにはジオン残党軍の拠点アムブロシアがある。
宇宙世紀123年初頭にここでシルエットガンダムのテストが行われた。
- 7バンチ
『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場。
かつてスウィート・ウォーターに居住していて第2次ネオ・ジオン抗争後に逃げ出した元ネオ・ジオン兵とその家族が隠れて暮らしていたが、0117年にバズ・ガレムソン中佐の部隊による残党狩りにより、殆どの住民が虐殺された。123年に住民であるレイラが入港してきたブレイウッドを連邦軍と勘違いしてギラ・ドーガで襲った。その後、用済みのブレイウッドをジオンともども始末しようとするガレムソン隊の襲撃で外壁に複数の大きな穴が開き、住民はブレイウッドに避難・収容される。
- オークリーフ
『機動戦士ガンダムF90FF』に登場。
島1号型コロニー。0116年にオールズモビルを統率するネオ・ジオン残党「レガシィ」がロナ家からの援助を受ける。
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