概要
一年戦争終結後の宇宙世紀0080年、サイド3にあるグローブと呼ばれる街で発生した地球連邦軍による民間人蹂躙・虐殺事件。
あまりにもショッキングすぎるため、宇宙世紀の「正史」であるアニメ版では描写できず、炎に包まれる街というオブラートな描写がされている。
経緯
宇宙世紀0080年、一年戦争に勝利した地球連邦軍は上層部がジオン共和国と講和のための話し合いを進める一方で、末端の兵士たちはコロニー落としで数十億の人民の命を奪ったジオンを許すことができず、特にジオン本国に進駐した連邦軍の一部駐留軍は不満をため込み、いつ暴動が起こってもおかしくないほどにまで高まっていた。
そしてある日ついに彼らの不満は頂点に達し、人口約数千人のグローブと呼ばれる街で駐留軍による暴動事件が発生。
当時は出征兵士の引き上げが十分ではないことから街には老人や女子供しかおらず、数少ない男性は虐殺され、女性は集団で凌辱された。その様は「公衆便所」に例えられるほど悲惨の一言だった。
事態を重く見た連邦軍は鎮圧部隊を送り暴動は鎮圧されたが、連邦はマスコミやジオン共和国政府に対し、「抵抗運動を取り締まった際にグローブの住人が暴徒と化したためやむなく実力を行使した」という噓の情報を発信し、真実は闇に葬られた。
共和国政府の目をもってしても連邦の報告が嘘であることは明らかであったが、グローブの人々の犠牲をもって駐留軍の感情が収まるならば容認すべきだと受け入れることとなった(要するに生け贄)。
影響
駐留軍がグローブの女性を集団で凌辱するところはビデオで撮影されており、グローブビデオというポルノビデオとして裏ルートで流通されることとなった。
グローブ出身であったスベロア・ジンネマンはこの事件で家族を失い、連邦軍を憎み収容所を脱走し、グローブビデオを販売する闇業者を片っ端からつぶしていった。
同じくグローブ出身であったアンジェロ・ザウパーは父親を嬲り殺しにされ、母親によってクローゼットの中に匿われ、その中で母親が犯される現場を目撃。
母親は命こそ助かったものの精神が崩壊。アンジェロは殺されなかったが、母の再婚相手から性的虐待を受け、母が最終的に自殺。家を抜け出し天涯孤独になったアンジェロはフル・フロンタルに拾われるまで娼館で男娼として働くことになった。
このように、数多くの人間の人生を狂わせてきた本事件であったが、それでも連邦はスペースノイドの弾圧をやめることはなかった。
その影響もあってか『機動戦士ガンダムF90FF』にて、ジオン共和国の自治権返還の際に武装解除を拒否して脱走したジオン共和国残党が結成した『共和国解放戦線』が登場しておりその中には、恐らくグローブ事件で家族を失った兵士やグローブ事件の当時の生き残りも『共和国解放戦線』に参加していると思われる。
袖付きに関与していたテロ組織である黄金の鷲にもグローブ事件で家族を失った兵士やグローブ事件の当時の生き残りも参加していると思われるが皮肉にも黄金の鷲は、フロンタルの死後は、麻薬取引や奴隷貿易という活動をする犯罪組織となっていて他のジオン残党とは異なり、政治理念や連邦への反抗心すらないジオン残党となっておりかつてのグローブ事件を引き起こした連邦軍と同じになっている。