概要
宇宙世紀0217年、地球連邦政府は140年代から発生していたザンスカール戦争を含む宇宙戦国時代や反政府組織との抗争、内部組織の反乱などによって弱体化と形骸化が進んでいき、その影響で各サイドも更に自立化が進んでいった。その結果、内部で反サイド主義である地球至上主義が醸成した地球連邦は権威回復を目的に組織防衛本能を発動し、紛争鎮圧と称した地球連邦軍による各サイドの制圧を開始した。この暴挙に各サイドのスペースコロニーは猛反発・抵抗し、市民の支持を受けたサイド駐留軍と連邦軍侵攻部隊による衝突が各地で頻発、地球圏を巻き込んだ高烈度紛争へ発展した。
その紛争は多数の犠牲者を出したものの親地球派サイドの仲介によって翌年の0218年には地球とコロニー側が和解した事で紛争は終結した(それと同時に宇宙戦国時代も終焉した模様)。しかしこの事実とコロニーへの武力行使と言う暴挙で宇宙の諸勢力を敵に回した事により決定的に政府機能を事実上失った地球連邦はコロニーの独立を認めざるを得なくなり地球連邦政府は崩壊・分裂し、宇宙植民地と言う差別的な意味だったスペースコロニーはその名称を宇宙入植地を意味するスペースセツルメントへと名を改められた。ようやくスペースノイドの長年の悲願は達成された事になったのである。
だが連邦政府が消え去った後も連邦を構成していた地球各国は一つの政体に留まったままになっており、そんな政体である地球政府は親地球派サイドであるサイド2、サイド3、サイド5、サイド7を取り込み新たな統治政府を樹立した。それがセツルメント国家議会である。
樹立の関係上、地球連邦の後継組織であり本部は地球に置かれている他、地球全土と各サイドを勢力圏に置いている為に強大な軍事力や政治力を有している。
国家議長が元首として存在し、地球を含む各自治区にはそこを治める総督が置かれている。
旧連邦軍を再編して組織した議会軍を使って非参加のサイドと月面都市で構成されたセツルメント自由同盟等(サイド6と当時は建設中だったサイド・ガイアは中立を保っている)に対して圧力をかけている。また長年の戦乱による環境破壊で自給体制の維持できない地球では深刻な食糧危機に直面しており、それが圧力をかけるきっかけとなっており、セツルメントから食料輸入を行っていた(但しセツルメント側も豊富に食料を持っているわけではなく、地球へ輸出できる量もたかが知れていた)。
尚、その影響で宇宙への依存度が増しており、更にスペースノイドも地球を故郷と見なさないなどの意識変化もあってか、かつて程のスペースノイドとアースノイドの激しい確執はもはや見られなくなっている。
だが内部には大地球主義者と言う地球を至上としてセツルメントを従属者だとするかつての地球至上主義のような邪な思想を持った連中もいた。彼らはサイドが地球と同等になっている事をかなり嫌っており、未だに不安定な国家議会を打倒せんと試みているとの事である(要するにかつての連邦のようにまた地球から宇宙を支配すると言う中央集権化を目論んでいる)。そして食糧危機さえもサイド制圧と世界支配の為のチャンスとして利用しようとしていたらしい。
セツルメント国家議会軍
かつての旧地球連邦軍を再編して組織した国家議会の軍隊。地球連邦とコロニーの高烈度紛争の後も国家を侵略や災害から守る為に軍を解体せずに残していたらしい。
連邦軍からの再編成は恐ろしいほどスムーズに進んだらしく、高級士官は厳しく内部告発されたが多くの連邦軍人が議会軍に所属している。
議会軍は陸・海。空・宇宙などの各フィールドごとに軍を擁しており、特に宇宙軍の方が発言率と規模が大きい。
かつての連邦軍と同じく徴兵制と志願制、二つのシステムを用いている。
戦力の中核はかつての連邦軍等と同じく当然モビルスーツであり、陸では戦車、宇宙では宇宙戦闘機と諸兵科連合編成による隊形を組んで任務を遂行する。
またガーノーやバイスを中心にAIを搭載した無人MS、モビルウェポン(MW)の研究・開発が進められている。だがこれの運用に懸念を抱いている軍人からは、「戦争をゲームに変える殺人マシン」と嫌われている。
しかし元があんな腐った軍隊な為か、議会軍内部は軍閥同然になっており派閥がいくつも存在している。特に大地球主義者による強硬派は勢力拡大の為に悪質な行動をとっている。
ガーノーによる生物発光略奪に端を発したガイアの光事件やバイスらによる新型MWによる軍備増強計画プロジェクトレイブンがまさにその強硬派の悪行の代表例であり、議会軍もまた一枚岩とは言いきれなかった。イルミナーティは世界の勢力バランスを保つべくそうした悪行を行う強硬派に対抗することとなる。
所属者
- ホーク議長
- ガーノー
- ジャック・ヘイル
- マーク・カラン(除隊している)
- ソウヤー(事故で死亡)
- ミミ・デビア
- バイス・バッシング
- ライシス
- リチャード・ライト
- クラウス・バーロード
- カイト・ゴールドマン
- ウィン・カーチス
- レイス・パトリック(事故で死亡)
- リード・フォックス(除隊している)
保有兵器
保有しているMSの多くはモノアイを採用した機体が多い。また無人機としてMWを制作している。
余談
実写版『G-SAVIOUR』の劇中で見られた議会軍歩兵のスーツや銃は映画『スターシップ・トゥルーパーズ』で使われた物を流用している。
関連タグ
ジオン公国、ザンスカール帝国:構成しているサイド2とサイド3にかつて存在していた独裁国家。かつて地球に敵対していたはずだったのに時代が経つと地球寄りになっているとはなんという皮肉。