カルルマン・ドゥカートゥス
かるるまんどぅかーとぅす
「あうぅ…あぁちゃん!ちゃくちぃ!あぁちゃん!ちゃくちい!びぃえええ…!」
CV:こおろぎさとみ
民間のレジスタンス組織であるリガ・ミリティアに身を寄せる孤児の赤ん坊。
1歳の乳児であり、劇中のメインヒロインであるシャクティ・カリンが母親代わりとなって世話をしている。
愛称は『カルル』で、劇中では『カルルマン』と呼ばれることはまず無い。
番組の後期EDでも映像の最後に登場する。
V2ガンダムとV2コア・ファイターが画面上方へと去った後に登場し、地球を背景に楽しそうに全裸でプカプカ浮かぶ姿は『機動戦士Vガンダム』のテーマのひとつである「次世代(未来)への希望」を端的に表現していると言えるだろう。
第1話から登場しているが、劇中の時間軸では第3話からの登場になる。
第3話でウーイッグがベスパに占拠された際に、民間人に対して無差別攻撃を行っていたクリス・ロイドのゾロからの機銃掃射で母親を喪い、鹵獲したシャッコーでカテジナ・ルースを救助に来たウッソ・エヴィンの反撃により助けられた。
その後はウッソの手によりカテジナと共にカサレリアへと連れていかれ、シャクティ・カリンへと預けられる。
この時、ウーイッグの避難所からカテジナが彼の母親の遺品である鞄を持ってきており、中身を調べた結果『カルルマン・ドゥカートゥス』という本名が判明する。
ここでカテジナが彼の名前を見つけた事は、最終話のエピローグへの伏線となっている。
やがてカサレリアにもベスパが現れるようになり、戦禍を逃れるためにウッソとシャクティと共にリガ・ミリティアに身を寄せたものの、当初は戦闘による災難続きのシャクティに背負われたままで怯えて泣き叫ぶばかりであった。
やがて物語が宇宙へと移ると、リーンホースの被弾した箇所からシャクティ・カリンとスージィ・リレーンらとともに宇宙空間に投げ出され、哨戒中にたまたまそれを発見したベスパによりザンスカール帝国内部に連行される。
シャクティに守られつつ、急性盲腸炎で倒れたマルチナ・クランスキーをザンスカール本国のコロニー内にある病院にウッソらが引き渡しに来た際、スージィとともにウッソらと再会を果たした。
赤子故の無垢な感覚はニュータイプに近い能力をもたらすらしく、劇中では度々その片鱗を見せており、リーンホースJr.やホワイトアークに迫る敵の殺気を感知していた他、ザンネックのサイコミュシステムから発生する「鈴の音」やエンジェル・ハイロゥのサイコ・ウェーブを感じ取って喜んだり、シャクティの発した“祈り”と感応、共鳴してウッソにエンジェル・ハイロゥの位置を教える等、所謂「万能レーダー」としての役割を果たすようになる(要するに『伝説巨神イデオン』のパイパー・ルウと『機動戦士ガンダムF91』のコチュン・ハインを足して2で割ったような役割)。
こうした経緯から劇中後半では貴重な「戦力」としてリーンホースJr.の老人たちやゴメス艦長と偽ジン・ジャハナム閣下からも可愛がられて大事にされていた。
最終決戦では激戦の最中にエンジェル・ハイロゥから発生した『ウォーム・バイブレーション』の加護により成長を促されたのか、分解し上昇を始めたエンジェル・ハイロゥのリング片が戦場から次々と昇天して行く状況の中で、遠ざかって行く母親代わりのシャクティを感じてしまい戦闘中のホワイトアークの艦内で生まれて初めて自力での掴まり立ちをする。
更に 「あぁちゃん!ちゃくちぃ!(母ちゃん!シャクティ!)」 と劇中で初めて明確な言葉を発してホワイトアークの皆を驚かせた。
戦後はウッソやシャクティとともにカサレリアで暮らすようになり、シャクティが不在でもハロとフランダースが見守っていれば立ち上がって一人歩きをしても問題がない程にまで成長していた。
この時、カサレリアに現れた「道に迷った旅人」であるカテジナ・ルースに対して覚えたての言葉で話しかけ、名前を訊ねた彼女に対してカルルは自己紹介をしたのだった。
カルル 「こっにちわっ!」
カテジナ 「こんにちは…お名前、何ていうんですか?」
カルル 「かりゅりゅ!」
カテジナ 「カルル?…いい名前だ…」
カルル 「かりゅりゅまん!」
彼から「カルルマン」と云う名前を聞いたカテジナは何かを思い出したかのような表情を見せたのだが、それは何も語られることはないまま、物語は静かに幕を閉じたのだった。