「人間が傲慢なのは、自然は人間の支配下にあり、その逆ではないと考えている点だ」
演:渡辺謙
概要
研究機関MONARCH(モナーク)に所属する生物学者で、放射線が生物に与える影響について研究しており、ゴジラやMUTOの存在も認知していた。父親を広島への原爆投下により失っており(後述する漫画版の展開から、直接の被爆により死亡したわけではなく、後遺症が原因だったようだ)、米軍がゴジラとMUTOを掃討するために核ミサイルを使用することを決断した際には強く反対した。
一連の事件を通してゴジラに対して特別な感情を抱いたのか、MUTOとの決戦を見届けた後、去っていくゴジラをどこか寂しげな笑顔で見送っていた。
続編である『GODZILLA: King of the Monsters』にも引き続き登場する。
MONARCHと米政府との会談にて地球上に存在する全怪獣の殲滅を主張する政府の役人らに対し、人類が生き残るには怪獣との共存が不可欠であると説き、さらに「怪獣をペットにする気か」とあざ笑う彼らへの皮肉を込めて、見下すような笑みと共に「人類が怪獣のペットになるべき」とも嘯いていた。
その後、キングギドラ復活に端を発する怪獣災害が世界規模で巻き起こる中、ギドラとの戦いの最中に米軍が使用したオキシジェンデストロイヤーによって著しく弱体化していたゴジラを組織を上げて探し出すが、発見したゴジラの元に向かう途中乗っていた潜水艦が海流に呑まれ、ミサイル発射管が破損。更に辿り着いたゴジラの寝床は探索のため送り込んだドローン潜水艇も全滅する程強い放射能が充満していたことから、ゴジラを復活させるため単身核弾頭を携えて赴き、手動で核弾頭を起爆させて自らの命と引き換えにする形でゴジラを再起させた。
さらば、友よ(Goodbye…old friend.)
続編である『ゴジラVSコング』では、蓮(演:小栗旬)という息子がいたことが判明。
彼も怪獣と何かしら関わりのある仕事をしているようだが…?
余談
- 名字の「芹沢」は初代『ゴジラ』に登場する芹沢大助博士に由来する。ただし、ゴジラを研究、調査する生物学者という設定はどちらかといえば山根恭平博士に近いものである。
- 下の名前の「猪四郎」は昭和シリーズで監督を務めた本多猪四郎に由来する。なお、渡辺は最初、この事を全く知らず、「いしろう」という名も「いちろう」の誤植かと思ったと語っている。
- 前日譚である『GODZILLA AWAKENING』によると、猪四郎の父親・芹沢英二(こちらの由来は当然円谷英二)も研究者であり、MONARCH創設時のメンバーの1人であった。父はゴジラおよびシノムラに関する研究を行っており、猪四郎は父の遺志を継いで研究を始めたようである。
- 初代の芹沢博士とは真逆ともとれる『KOTM』での自己犠牲とも言うべき行動に関して、同作の監督のマイケル・ドハティは「初代の芹沢大介がODでゴジラを殺したのは神殺しの業であり、彼が己の命をかけてゴジラを救う事はその贖罪である」としているが、これに関しては大きく賛否が分かれている。
- 日本語吹き替えも渡辺本人が担当しているため分かりにくいが、最後にゴジラに語り掛けるシーンは日本語である。これは、「今までのゴジラに対する自分の思いと、“頼むぞ”という気持ちも込めて心から発する日本語で言いたい」という渡辺のアイディアからである(脚本では英語であった)。
- なお1作目で放った「We call him…ゴジラ」を始めとするゴジラの呼び方も、台本では他のセリフ共々英語表記だったので、本来なら英語発音(「ガッズィーラ」)になるところを渡辺が日本語発音にしたため、プロデューサー陣は不安視し、ギャレス・エドワーズ監督も英語発音によせるよう頼むも、渡辺は「絶対イヤだ」と曲げず日本語呼びで押し通した。
- このプロデューサーたちの不安もよそに現地では大絶賛され、ギャレス監督も「一番の名シーン」と太鼓判を押していた。
関連イラスト
関連タグ
関連リンク
ハリウッド版『ゴジラ』、芹沢博士はなぜ8時15分で止まった時計を持ち続けているのか
「King of the Monsters」の監督マイケル・ドハティが語った、遺品の懐中時計に関するインタビュー記事