概要
木馬とは、弓形などをした揺り台の上に木製の馬が乗せられた、
主に子供が乗って遊ぶ玩具の事である。バランス感覚の育成に良いとされる。
広義の意味では乗馬の訓練器具のことを指すが、
玩具の木馬も、昔は幼児の乗馬訓練のために与えられていた側面がある。
近年は、馬にぬいぐるみが被せられていたり、
馬に限らず、犬や熊などの動物、幼児に人気のあるキャラクターが台に乗せられていたり、
素材が木材ではなく、プラスチックとなっているものも存在する。
歴史
その発祥は西ヨーロッパで、少なくとも16世紀末~17世紀初頭から作られ始め、
当初は主に、王侯貴族の子息向けの玩具として普及した。
玩具として普及するのは19世紀、産業革命を経て、
メーカー製の量産品が流通するようになってからの事である。
我が国には主に明治の文明開化後、
ヨーロッパから舶来玩具として持ち込まれ、
その後、次第に広まっていった。
形態
ボウ・ロッカー
弓形の揺り台を持つタイプ。馬は弓形の揺り台に固定されている。
もっとも長い歴史を持つタイプであり、
木馬といえば、こちらを思い浮かべる方が多いだろう。
セーフティー・ロッカー
19世紀後半に発明された「安全」型。
凸型に曲げられた鉄の棒が前後2つ、「ハ」の字型に渡されている。
鉄の棒の先端側には板が取り付けられており、馬はそこに固定されている。
スプリング懸架
1940年末~50年以降、主にアメリカで主流になった型。
四角ないしは×型の枠の四隅にバネをかけ、馬を「吊り下げる」。
我が国では馴染みのないタイプだが、主にアメリカ製のものでよく見られる。
複合型
揺り台と車輪が組み合わさったタイプ。
足けり乗用玩具としての機能を併せ持つもので、小型の幼児向けのもので見られる。
揺り台を分解できるものもある。