解説
年齢を問わず「乙女の永遠の憧れ」の代名詞的な存在である。
あるいは女子(年齢不問)にとっての「理想の男性像」を指したりもする。
「白馬」に颯爽とまたがって「お姫様」(※主観・客観は問わない)を迎えに、あるいは救い出しにやって来る「王子様」のことである。
単に「王子と呼ばれる男が乗馬していれば良い」というものではなく……
ディズニーのアニメや、ファンタジーや歴史ものジャンルなどの作中では、現在でも頻繁に登場する存在である。
乙女の夢の象徴なので、女性向けゲームなどにも、勿論登場する。
遠くは王子(prince)の語源となった古代ローマの「第一人者」アウグストゥス(ただしこの方、乗馬は上手くなかったらしい)、あるいはその養父のカエサル(ビジュアルは残念ながら禿)あたりまではたどり着けるだろうが、所謂「白馬の王子」の原型の一つには古代イングランドの伝説の国王・アーサーが挙げられるであろう。
ギリシャ神話のペルセウスも、白銀の天馬・ペガサスに乗って空を翔るイケメンヒーローであり、王族出身なので「白馬の王子様」に該当するだろう。
一方、こうしたテンプレなイケメン貴公子が一時期大いに流行した反動か、昨今ではこの真逆を行く「俺様系」や「アウトロー系」といったワイルド系が対抗として、場合によってはそうしたキャラの対抗として白馬の王子様キャラが登場する機会も多くなった。
そこから更に嗜好の細分化が進み、俺様系の王子様(『黒髪で熱血漢で気性の荒い馬に跨っている』『義賊の振りをしているが、本当は正統派王子様』など)を登場させるパターン、性格が正反対な二人の王子様を対峙させるパターン、黒髪でワイルドな王子様を優しい性格にして、金髪で華奢な王子様を相対する性格にするパターン、内向的で頼りない王子様(ロールキャベツ系男子であるパターンが多い)を出すパターン、白馬の王子様を育成して戦わせるパターン(あるいはヒロイン自身が…)など、数々の亜流のパターンが増えている。
お姫様と同様にアレンジの仕方は数え切れず、女性や悪役やゆるキャラがこの姿に扮することもある。
サンタクロースやピーターパンと同様に「存在すると信じている女の子が、井の中の蛙呼ばわりされる」といったニュアンスでも使われやすく、恋愛経験の乏しさと結び付けられるケースが多い。
コレジャナイ化しやすい設定でもあり、このキャラになり済ました小悪党をヒーローやヒロインが見破り、ノックアウトするのもお約束展開と化している(エロ漫画に「ゲスで変質者の白馬の王子様が主人公」といった亜流の展開が登場することも)。劇中劇の白馬の王子様を「こんな男性現実にいない」「今時こんな男性に引っかかる女性はいない」とメタ視点で突っ込むギャグ漫画も多く、使い勝手のいい設定だと言えよう。
対義語はお姫様ではなく、俺の嫁・大和撫子・白いワンピース辺りが相当するらしい(?)。
白馬の王子様が登場しなくても、白くて上品な世界観、天使のような小動物が「白馬の王子様的」と形容されたりもする。
因みに2007年にオリコンが開催した「白馬の王子様ランキング」では、
アーティスト部門が1位:堂本光一、2位:及川光博、3位:GACKT。
俳優部門が1位:玉木宏、2位:小栗旬、3位:ウエンツ瑛士であった。