プロフィール
概要
2018年2月26日に誕生し、2020年にデビューした日本の競走馬。
馬名にローズとあるが、薔薇にちなんだ名付けをされる例が多い所謂「薔薇一族」の牝系とは関係ない血統の持ち主。母方の祖母であるプリムローズイヴは月見草にその名が由来しており、その名から一部を取った母のフェータルローズから名を引き継いでいる。
母父は牝馬として64年ぶりの日本ダービー制覇を含むGⅠ級7勝を挙げたウオッカの父で、引退後牧柵破壊神としてお馴染みの2002年の日本ダービー馬・タニノギムレット。ちなみに彼とは顔もよく似ている。
また、父のエピファネイアの両親はシンボリクリスエスとシーザリオで、シーザリオの父はスペシャルウィーク、スペシャルウィークの母父はマルゼンスキーとウマ娘のモデルになった競走馬が多い血統である。
2歳-3歳
新馬戦では7番人気の中勝利し、その後、アルテミスSで3着と世代の中でも期待の高さはあったものの、フェアリーS、チューリップ賞の連敗あってGⅠ路線には進まず、自己条件に進んだ。1勝クラス初戦は2着に終わるが、2戦目で勝利。次戦2勝クラスは一発回答で突破。ここから休養して12月に3勝クラスに初挑戦したものの2着となり、3連勝からのオープン入りは果たせなかったが、古馬オープンも時間の問題と思われていた。
4歳-5歳
その後、3勝クラスの壁にぶつかったのか、突破に苦労し、最終的に3勝クラスの5戦目となる5月のフリーウェイSを制しオープン入り。一時休養を挟み、4歳8月にオープン初挑戦となるリステッドの朱鷺ステークスに挑むも4着に終わり、以降は二桁着順こそないものの結果は残せずにいた。この間にも重賞に参戦しているが、掲示板入りすらできず、次の勝ち星はそこから1年以上経った朱鷺Sだった。その前走パラダイスS以降、津村明秀騎手が主戦となった。
6歳
その後、重賞に挑むも連敗。ただ、タイム差はそこまで無かったこと、津村騎手が遠征してまで騎乗し、馬の素質を信じていたこともあり、ヴィクトリアマイルでGⅠ初挑戦を決めた。
ヴィクトリアマイル
そのヴィクトリアマイルにはGⅠ馬ナミュールや、前走敗れた阪神牝馬ステークスを制したマスクトディーヴァの2強。テンハッピーローズは勝ち鞍がリステッド競走の朱鷺Sのみ。加えて調教の映像では明らかに集中しておらず、右に左によそ見しながら走っているという有様だった。また、大穴派から見ても、面子的には阪神牝馬ステークス組も多かったため、勝負付けが済んだと判断されるのも無理はない。
一応、買える要素としては、府中巧者の可能性があったことと津村騎手が左回りのほうが向いているというコメントがあったものの、それにしてもこの馬は無いと判断した客が大半だったようで、当日は14番人気だった。
しかし、レース本番は中団後方からの末脚にかけ、直線に向くと、あのふざけた追い切りは何だったのかと思うほどの猛烈な末脚を発揮。一旦は前に出たフィアスプライドを差し、そして同じく伸びてきたマスクトディーヴァの追撃も凌ぎ、ゴール板を駆け抜けた。ナミュールなどの人気馬が沈んでしまったとはいえ、その末脚を見てマグレ勝ちなどと言える者はほぼいなかった。
鞍上の津村明秀騎手はこれが初のGⅠ。共に苦労した人馬が報われた瞬間だった。
またエピファネイア産駒が古馬としてGIを勝利したのはこれが初めてで、今後の種牡馬としての扱いにも影響するかもしれない。
ヴィクトリアマイルの勝利によって、アメリカのGIであるBCフィリー&メアターフ(牝馬限定、芝2200m)の優先出走権を獲得し、陣営もアメリカ遠征をほのめかしていた。
後に距離適性を考慮し、BCマイル(牡馬牝馬混合、芝1600m)に出走が発表された。
秋〜BCマイル
秋初戦はBCマイル出走への前哨戦として、セントウルSに出走し7着。続いて予定通りアメリカに遠征しBCマイルに出走。
ひとつ下の皐月賞馬ジオグリフと共に挑んだ本番では好スタートから先団の好ポジションにつけ機を窺い、直線でするりと抜け出すと一時は先頭に立つことができたが、あと少しのところで後方から上がってきた馬3頭に抜かされ4着。
惜しいところで勝ちを逃すも、津村騎手が「夢を見た」と語ったようにしっかりと強い競馬はしており、ヴィクトリアマイルを勝った実力がまぐれでないことを証明。次走に期待のもてる内容となった。
来年も現役続行が決定しており、2連覇が懸かるヴィクトリアマイルが大目標であるという。
関連タグ
ストレイトガール:2015年・16年のヴィクトリアマイル覇者。特に15年の勝利は「目ぼしい同期が軒並みいなくなった後」に、「6歳での初G1勝利」で、「歴代屈指の万馬券が発生」と非常に共通点が多い。