小島貞博
こじまさだひろ
1951年11月10日生まれ。北海道新冠町出身。父は放蕩癖があり、母親とも早くに死別したため、小学生の時から牛乳配達のアルバイトをして家計を助けていた。
中学生の時に学校近所の小笠原牧場で住み込みで働くようになり、中学3年生の時に谷水信夫（カントリー牧場創業者）が牧場長に「戸山為夫師が騎手候補生を探している」と伝えた。牧場長は小島ともう1人の従業員を連れてカントリー牧場に赴き、谷水が小島を指名したことで騎手の道への第一歩を踏み出すこととなった。
1967年4月、馬事公苑の騎手養成課程に入所し1971年に騎手免許を取得。戸山為夫厩舎からデビューし、同年6月に初勝利を挙げた。
平地よりも障害競走の騎乗割合が多く、キングスポイントで春と秋の中山大障害を制覇するなどの実績を残したが、1986年に障害練習中に落馬して鎖骨骨折などの大怪我を負って入院。以後平地競走に主軸を移した。
平地ではミホノブルボンの主戦騎手を任され、逃げ戦法で皐月賞・日本ダービーの二冠を獲得した。
1993年のダービー前日、癌で療養していた戸山師が死去。戸山厩舎は解散し、管理馬の多くは森秀行が引き継いだが、開業数カ月後から小島と小谷内秀夫を乗せない方針を打ち出したことで騎乗数が激減。一時は調教をつける馬さえいなくなってしまったが、鶴留明雄が小島を支援するようになったことでこの状況を脱出。後に鶴留厩舎の有力馬も任されるようになる主戦騎手となった。
若手の台頭などもあって勝利数が伸び悩むようになり、2001年に騎手を引退。調教師へと転向した。
免許取得当時は管理馬房に空きがなく技術調教師として過ごし、2003年に栗東トレーニングセンターへ厩舎を開業した。
2005年にテイエムチュラサンがアイビスサマーダッシュで勝利を挙げたことで調教師として重賞初勝利。同年末にはテイエムドラゴンが中山大障害で優勝し、騎手・調教師の双方で中山大障害勝利となった。
2012年1月23日夕方、自厩舎の2階で首を吊っているところを発見され、病院に救急搬送されるも既にこの世を去った後であった。60歳没。
親族が負った多額の借金の肩代わりなどで厩舎の経営が傾き、従業員への給与支払いが遅れるなどの悪影響が出ていたという。
