概要
広義では生きている馬を運ぶための自動車だが、狭義では競走馬や馬術狭義馬を運ぶための自動車のことを指す。
各商用車メーカーから発売されているトラックのシャーシに専用ボディを架装し、内部は運転席・厩務員スペース・馬スペースの3つに大別される。
馬積載スペースは馬に余計な負担がかからないよう空調が完備され、揺れでストレスを与えないようエアサスペンションを装備している。
かつては顔を観光バスと同じものにしている事例もあったが、保安基準の問題から、近年はベースとなったトラックの顔と同じ例が大半。
初期の馬運車はトレーラーがベースで、荷台部分に厩務員と馬が乗る仕組みだった。しかし、それでは厩務員が劣悪な居住性の中に置かれてしまうという問題があったため、バスベースへ移行(当時のバスはリアエンジンではなかったため)。その後バスがリアエンジンへ移行していくと、トラックのシャシーにバスのボディを架装するスタイルとなり、現在に至っている。
なお、顔はバスでも、インパネ周りはトラックと同じ。エンジン配置の都合上バスと同じサイズの扉を設けられず、やや狭くなっている。また、バス顔の車両は運転席側からはドアがないため降りられない。
JRA関連企業で美浦トレーニングセンターの競走馬輸送の中心企業である日本馬匹輸送自動車では馬運車にJRAのロゴマークが入れられ、白と緑を基調としたカンパニーカラーで塗装されており、各車両には日本ダービー優勝馬や顕彰馬の名前が付けられている。
関連動画
日本馬匹輸送自動車による公式の馬運車説明動画。作中では「グリーングラス号」「オルフェーヴル号」の2台が登場している。
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