概説
素材は羊毛もしくはアクリル製であることが多い。
馬の下方視界を隠す、いわば目隠しのようなもの。
馬の中には自分の影を見て驚き、混乱するデリケートな性格の者もいる。また注意散漫で、走っている最中にあちこち視線を移して全力疾走してくれない馬などもいる。
そうした馬を走行に集中させるため、敢えて足元を隠して前方の視界に集中させる目的で取り付けられる。
競走馬の場合、これ以外にも走法の矯正を目的に用いられることがある。
目隠しをされた結果、下方の視界を得ようと首を下げて頭の位置が低くなることで、より前のめりで全身を使った走法が身に付くようになるという。
日本ではスピードシンボリが欧州遠征で装着していたことが、記録映画『日本馬海外遠征特集』で判明しており、実証できる最古の装着馬となっている。
その後、メンコ(耳を覆う布製の耳栓)やブリンカー(目の周りに直接装着して視界を遮る馬具)に比べてマイナーであったが、1990年代にナリタブライアンが装着して三冠馬へと出世したことから一躍注目を浴び、シャドーロールを装着する競走馬が増えることになった。
しかし効果に個体差が出やすく、ブリンカーのように周囲の視界を遮っているわけではないせいか、慣れると元の走法に戻る馬も登場したため、ブームは下火になっていった。
装着していた主な競走馬
名前 | 色 | 備考 |
---|---|---|
ナリタブライアン | 白 | 上記参照。言わずと知れた「シャドーロールの怪物」だが、競走生活末期は無くても普通に走れていたとのこと |
サンデーサイレンス | 緑 | |
ブラッシングジョン | 白 | |
キングヘイロー | 緑 | |
アーモンドアイ | 白 | 彼女を含む国枝栄厩舎の馬は、目印になるように多くが白いシャドーロールを装着している |
マツリダゴッホ | 白 | 国枝厩舎 |
アパパネ | 白 | 国枝厩舎 |
タイキブリザード | 緑 | 競走生活後半では外している |
タイキフォーチュン | 緑 | |
バブルガムフェロー | 青 | シャドーロールを装着していたのは2歳までで、3歳以降は外している |
イシノサンデー | 橙 | |
トゥザヴィクトリー | 黄 | |
ビッグウィーク | 黄 | |
ヒシアケボノ | 白 | |
ヤマカツスズラン | 赤 | |
アメリカンボス | 白 | |
ブラストワンピース | 緑 | 気性難ではないが、大きな顔に見栄えを加えるために装着していた |
チアズグレイス | 橙 | |
スノードラゴン | 黄 | 通称「バナナ師匠」 |
ウインザーノット | 白 | |
ニシノライデン | 白 | |
エフフォーリア | 黒 | |
ジェニュイン | 白 | |
リュウノユキナ | 赤 | |
フライトライン | 青 | |
ドゥレッツァ | 青 | |
ウィルソンテソーロ | 青→緑 | |
ステレンボッシュ | 白 | 国枝厩舎 |
ダノンデサイル | 黒 |
類似する馬具
矯正したい位置によって名称が変わる。
ブロウバンド
シャドーロールとは逆に額当てのように装着する。
チークピーシーズ
目の後ろ側あたりの頬の位置に装着する。ブリンカーと異なり、JRAへの報告義務がない。
関連タグ
- ナリタブライアン(ウマ娘)
- ナリタブライアンをモデルとしたキャラクター。シャドーロールを絆創膏で表現している。
- ナリタブラリアン
- テレビ朝日系列で放映されていたさんまのナンでもダービーに登場するポニー。名前の元ネタはナリタブライアンで赤色のシャドーロールを着用していた。