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無事之名馬

ぶじこれめいば

無事之名馬とは、日本に伝わる格言のひとつ。能力が多少劣っていても、怪我・病気・故障もなく無事に働く人間は優等生であるとする考え方を表した格言である。pixivでは無事に完走できた作品に対する敬意と労いの意味も込めタグが付けられる事が多い。
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意味編集

能力が多少劣っていても、怪我・病気・故障もなく無事に働く者は優秀であるとする考え方を表した格言である。


どんなに才能豊かで優秀な選手であっても長期離脱に直結するような怪我・病気・故障を頻繫に繰り返す選手は長い目で見れば高いパフォーマンスを挙げているとは言い難い。逆に飛び抜けた成績を残せないでもその平凡な成績を長きに渡って続けられるならば素晴らしい選手である(例:鳥谷敬


pixivでは編集

なおpixivでは、一年間を通して無事に完走できた変身ヒーロー&ヒロイン作品国民長寿アニメーションもこういう呼ばれ方をし、無事に完走できた作品に対する敬意と労いの意味も込められている。この意味でいえば、頻繁に休載を繰り返す某作品は非難の対象となる。

センシティブな作品センシティブな作品


由来編集

由来は馬主でもあった作家・菊池寛氏による造語として有名だが、実際は時事新報の岡田光一郎氏によるものである。岡田はまた菊池の『日本競馬読本』の代筆も行っている。菊池が競馬関係者から書を求められた際に、『臨済録』にある「無事是貴人(ぶじこれきにん)」に想を得て色紙に揮毫していたのが言葉の始まりとされた。「無事是貴人」とは、本来「自然体の内に悟りを啓く者が貴人」という意味の禅語で、茶道において一年の無病息災を寿ぐ言葉として転用された。


菊池は日本競馬会の雑誌『優駿』に寄せた随筆で、馬主としての経験から「樂しみを覺える割合ひに較べれば、心配や憂鬱を味はふ時の方が多い。馬を持つてゐることの樂しみが二、三割だとすれば、心配や憂鬱の率は、まづ七、八割にも及ぶであらう。それも、大部分は馬の故障から来るのだ」と語り、「馬主にとつては、少しぐらゐ素質の秀でてゐるといふことよりも、常に無事であつてくれることが望ましい。『無事之名馬』の所以である」としている。この考えは馬主のみならず多くの競馬関係者の共感を呼び、以後「無事之名馬」は頑健に走る馬を賞賛する言葉として使用されている。


関連人物編集

一応例としてあげるが、元々の格言の意味の「能力が多少劣っていても」の部分が明らかに当てはまっていない。



  • 金本知憲:1492試合連続フルイニング、13686イニングス連続イニング出場という世界記録を樹立させたプロ野球選手。

関連馬編集

競走馬たちもケガで引退したり最悪の最期を迎えてしまう例が殆どで、ケガをせず万全の状態で引退した馬はほんの僅かしかいない。その一例を紹介する。


  • ランニングフリー:通算47戦7勝。1989年の日経賞などを制し、1988年の天皇賞(春)では2着、また同年と翌年の有馬記念では4着に入った。オールドファンにとってはそこにいないと何か物足りないくらいに馴染み深い元祖「無事是名馬」。種牡馬入り後も1997年の弥生賞を制したランニングゲイルを送り出し2006年10月に永眠。

  • イクノディクタス:デビュー前に屈腱炎を患い出走すらできずに処分すら考えられたが、関係者の努力で克服し、中央競馬で故障なく51戦を走り抜いた。勝ち鞍こそG3止まりながら数多の名馬相手にしぶとく入着し、当時の賞金獲得女王に輝いた。繁殖入り後も目立った産駒こそ出さなかったが、14年間という母体にかかる負担を耐え抜き、32歳(人間で言えば100歳近く)まで生き抜くというタフネスっぷりを発揮した『鉄の女』。また、勝利する際には必ずといっていいほど不人気馬が2着に食い込む謎のジンクスも持っていた。

  • ステイゴールド:初勝利が5月の未勝利戦(6戦目)なのでダービーに出られず、阿寒湖特別勝利以降約2年8ヵ月・28戦(多くの競走馬はこれだけ走れば普通引退)にわたりG1含む重賞の掲示板常連なれど1勝もできず、という状態が続き、6歳(現在換算)で初の重賞制覇、そして7歳・50戦目の引退試合にて初のG1勝利を挙げるという『黄金旅程』(香港表記)と呼ぶべき大団円を迎えた…のだが、イクノと違いよく手抜き扱いされる。メジロブライトの戴冠から沈黙の日曜日黄金世代全盛期とその後の世紀末覇王の隆盛から凋落まで故障なしで駆け抜けて行ったのはすごいことなのだが…種牡馬としては当初全く期待されてなかったがSS後継の主要サイアーにまで登り詰めるも21歳没。(死因は大動脈破裂。立ち上がるなどの負担で起きやすい、同年に亡くなったss産駒フジキセキは腰が悪化するなど繁殖では足や腰が元で亡くなることが多いようだ)

  • ハルウララ:裂蹄に悩まされ1戦休場したもののそれ以外は全て出走し、113戦ものレースを走り続けた馬。地方競馬では100走以上する馬が珍しいというわけではないのだが、『負け組の星』と競走馬として不適切な取り上げられ方をされたもののそのお陰で人気が集まり地元の高知競馬を救った。人間側の都合で引退を余儀なくされたが、時を経て20超えという老齢ながらソフト競馬で勝利するなど、今も元気に過ごしている。

関連タグ編集

鉄人 レジェンド

健康第一 終わり良ければ総て良し


対義語編集

  • スペ体質:怪我・故障・病気などを頻繁に患う人を意味する俗語。スペシャルウィークではなくファミコンゲームスペランカーが語源。スペランカーの主人公が身長の半分くらいの落差から落ちた・コウモリのフンに当たったというだけで死亡することから来ている。
  • 予後不良:走り続けた結果、最悪の事態。

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