「ありがとう ドラちゃん」
「初めて見るネコ族ね」
概要
劇場版『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』に登場するゲストヒロインであり、物語の舞台「ワンニャン国」で暮らすネコ族の美少女。
ドラえもん達と絡むゲストキャラクターの中で、ハチと共に彼女についても他のキャラクターより掘り下げて描写されており、主にドラえもんとの関係が中心となっていく。
人物
歌手を務めており、普段はレストラン「山猫軒」で唄っているが、時には大手レジャー施設である「ネコジャーランド」のステージに立つこともある程の人気ぶり。代表曲はワンニャン時空伝の主題歌でもある「YUME日和」。
性格は心優しく自国愛に満ちている。
ドラえもんには色気のある柔らかい口調で話しかける。彼からのモーレツなウザ絡みに対しては一ファンへの対応で軽く流しているが決して冷徹ではなく、危機的状況下では彼や周りに対して献身的に振る舞う様子がみられる。
身長は設定画によれば145㎝のしずかよりも少し小柄であるため140㎝程だと思われ、頭の大きいドラえもんと並ぶと尚更小さく見える。
髪型は癖のあるツヤツヤの赤髪ショートボブで白と薄桃色の肌が特徴で、まぶたにはピンク色のアイメイクを施しており、模様のある両耳には金色のイヤリングを着けている。
露出度の高い衣装を着用し、襟の長いノースリーブからの肩出しに丈の短いワンピースから露になるふともも、胸の膨らみや時折するセクシーな表情など、ドラえもんが速攻で見惚れる程の魅惑的な美貌の持ち主。設定画の時点でもノースリーブと長手袋による生うでの色っぽさが強調されていた。
活躍
ドラえもんとの出会い
「明日また しあわせで あるように♪」
山猫軒の空中ブランコに乗る演出でステージに降り立ち、「YUME日和」を披露しながら登場してドラえもんと出会うが、魅力的な雰囲気を纏う彼女にドラえもんが耐えられる筈がなく、速攻で惚れられている。
歌い終えた後に理性がブッ飛んだドラえもんから猛烈な恋心を抱かれて冷静に対応するも、彼が出す不思議な道具と自己紹介の際の「22世紀のネコ型ロボット」という告白には驚いていた。
翌日、ネコジャーランドのステージで歌っていた際にドラえもんと再会するが、隕石が落下した衝撃でドラえもん達と地下に落下し、地下でネコジャーランドの秘密を暴こうと行動していたハチ達と成り行きで同行することになる。
長い通路の先にたどり着いた地下施設で巨大な乗り物を発見する。その際に衛兵に見つかってしまい、侵入者としてネコジャーランドの重役であるニャーゴにドラえもん共々強引に連行されてしまう。
その後しばらくして、捕らわれたドラえもんの眼前に巨大スクリーンが映し出され、そこには変わり果てたシャミーの姿があった…
ネコジャラ「どうする? 機械ネコ」
残酷な取り引き
「は… あああ あ あ うう… あ…」
『進化退化光線銃』を修繕して悪用を企てるネコジャラによって、道具を直すことを拒むドラえもんに対する「人質」として利用されてしまい、コースターの線路上に縄で拘束されるという絶体絶命の危機に陥る。
錆び付いたレールの上には首と足を車輪に轢き潰される位置に乗せられ、身動きが取れない絶望的状況下の恐怖によってビクビクもがき震え、普段の彼女とあまりにもかけ離れている歯を食いしばり汗だくとなった艶かしい苦悶の表情で喘ぎ苦しむ。
その凄惨な光景に目を背けるドラえもんにもはや猶予は残されておらず、シャミーの死は残り数秒と迫る。
ネコジャラ「時速300キロで シャミーの上をコースターが通過することになる」
「ドラちゃーん!」
ネコジャラ「『進化退化光線銃』を直すか!」
刻一刻とコースターに轢殺される瞬間が迫り来る中、ドラえもんに必死で助けを求め続けた結果、彼が取り引きに応じたことでコースターは彼女と接触するギリギリの距離で停車し、辛うじて命を取り留める。
最後のスクリーンには、正気を失いレール上にぐったりと倒れ付して汗に濡れたシャミーの過呼吸で苦しむ姿がアップで映し出され、疲労困憊の彼女の様子に耐えかねたドラえもんはとうとうネコジャラの要求に従い、進化退化光線銃をタイムふろしきで修繕。
その直後にネコジャラがいるステージの壇上には一応の元気を取り戻したシャミーが現れるが…
真実
しかしその正体は、ズブを先祖とし現在ネコジャラこと「左ヱ門之丞景虎(さえもんのじょうかげとら)」を当主とする「ネコジャラ一族」の一人であり、ドラえもんが一族に語り継がれている「ふしぎな道具を使う機械猫」と同一の存在ではと気づきネコジャラの指示でドラえもんを監視していた。
コースターと接触する僅か数メートルの距離で急降下による時速300キロという驚異的なスピードの中で停車できたのはタイミング的にも奇跡的と言え、ドラえもんの決断が0.01秒でも遅れていたら本当に命を落としていたのは事実であり、よって最初からギリギリの距離で停車するように速度やタイミングを調整されていたとしか説明がつかない。
そのため、前述した線路での拘束シーンはネコジャラによって計画された事であったものの、汗だくで震えていた姿から本気で怯えていたのは明確である。無理もない
解放後、ドラえもんをスクラップにしようとするネコジャラに「この機械猫にはまだ利用価値がある」とスクラップへの猶予を促すが、彼女自身はドラえもんを騙していたことへの罪悪感に苛まれる。直後にネコジャラの作戦プランB(ワンニャン国政府が所有するノラジウムを全て強奪し、“時の方舟”というタイムマシンに乗って人間世界を征服する計画)の詳細を聞いたことで彼の野望に我慢出来なくなり、国民を見捨てる計画に反発するが一蹴され、彼の狂気的な迫力に圧倒されて逃げ出そうとするも「一族」であることを指摘されて引き留められてしまう。
その後、ドラえもんはネコジャラに戦いを挑むものの敗北し、シャミーはその現場に現れる。時の方舟の起動を命じられるが、ドラえもんへの罪悪感からとうとう泣き崩れて命令を拒否。怒ったネコジャラによって容赦なく地面に叩きつけられる暴行を受ける。自身を案じたドラえもんに武器を降り降ろすネコジャラだが、以前ドラえもんがコースターから自分を助けてくれたように今度は彼女がドラえもんを守る為に身を挺して庇い攻撃を受けて倒れるが、ドラえもんがネコジャラに勝利するきっかけをもたらした。
悪意を暴走させる一族からの命令を嫌々受け続ける彼女が自分の意志で運命に抗い、嘘偽りなき"善意"で理不尽に立ち向かった結果手にした勝利であり、意識が薄れていく中ドラえもんに心から謝罪した。
「ドラちゃん… ごめんなさい」
その後は特に大きなケガも無くドラえもんと再会する。巨大隕石衝突が近づき地球脱出の時間が迫る中、最後にドラえもんとの別れの挨拶を交わし、互いに涙ながらに見送り合うことができた。
余談
- 声優繋がり
シャミーを演じたかないみか女史は、前作でフー子を演じており、それ以前にも大山版ドラえもんではモブキャラの声を度々演じている。特にクリスマスSPで放送された『サンタメール(原作とは異なる内容となっている)』にて、オリジナルキャラクターのカナが印象的で、ドラえもんはカナのクリスマスプレゼント『パンダが欲しい』と言う願いを叶えるためにパンダカラーとなっている(のび太からは『狸の泥棒みたい!』と笑われていて怒っていたが、カナはパンダだと信じたため安心していた(流石にパンダが喋ったと驚かれてはいたが)。
- キャラクター性
ドラえもん達の仲間と思っていたゲストキャラクターが実は悪役の手先というのも、最終的にはドラえもん達に味方するのも、のび太の宇宙漂流記に登場するフレイヤ以来5年ぶりである。
『ONE PIECE』に登場するウタや『マクロスシリーズ』などと同様、劇中の声と歌唱パートの声とで分かれているダブルキャスト制のキャラクターでもある。
また、作画が前作からデジタル画になった恩恵で、彼女が劇中で「YUME日和」を初披露した際の表情や歌と躍りの所作がとても魅力的で可愛らしいものへと仕上がっている。
本編の随所で様々な意味で色気のあるシーンが強調されており、中でも歌いながらの初登場シーンや後の展開は彼女を語る上でも欠かせないものと言え、実際子供向けと油断して何かを得てしまった視聴者も多い様子。
総じて、ドラえもんをはじめ多くの視聴者の心を鷲掴みしたのは言うまでもなく、物語を通しても彼女の活躍は見所の一つとなっている。
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