トリホー
とりほー
何もかも忘れ、夢の世界を楽しみなされ
声優は田村錦人。「気ままに夢見る機」のソフトの一つである「夢幻三剣士」の世界に住む住民の一人で、ボスであるオドロームの手下の一人。シルクと同じく現実世界と空想世界を行き来できる人物であるようで、現実世界では老人の姿を、夢世界では鳥の姿を持っている。対象を問答無用に塵にしてしまうオドロームの攻撃を食らっても平気な性質を持つ。「オーホッホッホ」という笑い方が特徴。
「不死の『白銀の剣士』がオドロームをやっつける」という夢世界での流れを変えるべく、オドロームの命令により現実世界に派遣される。勉強も運動も駄目だが人一倍優しい心を持つ野比のび太(ノビタニヤン)に目を付け、手始めに一時的に頭が良くなる「知恵の木の実」を与える。放課後に再び会った際には「夢幻三剣士」の世界を示唆しながら飛び去っていった。遭遇した同じ日の夜、彼は二十二世紀デパートに「夢幻三剣士」の夢カセットの発送を急かし、夢世界へ飛び立っていった。
トリホーの考えは、白銀の剣士の誕生が不可避なら、あえて誕生させた剣士が竜の血を浴びて不死になるのを封じる事で、実際にノビタニヤンは罪のない竜を殺してしまうのを避け、その結果オドロームが優勢に戦える状況になっていた。加えて、ドラモンの四次元ポケットはトリホーが奪い彼の無力化に成功した。
だが、一度はオドロームに殺されたはずのシズカールが、ノビタニヤン同様「竜の汗」の効力で復活した事までは想定しておらず、彼女に奪い返された四次元ポケットからビッグライトを出され剣が巨大化、オドロームがやられてしまう。その際の彼の行方は不明だが、映画版ではトリホーに似たデパートの配達員ロボットが「気ままに夢見る機」を返品回収に来ており、その際にトリホーと同じ笑い方をしながら去っていった。
彼はドラえもんヴィランズの中でかなり謎の多いキャラであり、特に彼の正体について議論すべき所が多い。『のび太と夢幻三剣士』という作品自体が、原作者にとってストーリーの纏まりがなっていないという節も大きいため、不定期で行われるわさドラリメイクで補完して欲しいというファンも多い。
夢世界の住民の場合
シルクが自由に現実世界と夢世界を行き来できるのに加え、夢世界のトリホーもシルクと同様小柄の上に自由に空を飛べる事から、何かしらの理由で現実世界を知った夢世界の住民であるオドロームとトリホーが現実世界の住民を陥れるために暗躍した説が有力視されている。『のび太のパラレル西遊記』のように、本来架空の存在であるゲーム中キャラが現実世界に干渉する例は他にもあるのも追い風となっている。
これに近い説として、夢幻三剣士は「白銀の剣士の装備があれば誰でも剣の達人になれる」「竜の血を浴びれば不死身になれ、汗を浴びるだけでも一回生き返れる」など、一般的なRPGの様に英雄側が勝つ様に作られた物語のため、同じく現実世界を知ったオドローム達が決められた筋書きに抗い、勇者に倒される運命を変えようとした説もかなり有力である。
…ただし、のび太を参加させるというのは、当然ながらオマケとしてドラえもんというバランスブレイカーが付いてくるわけで、その結果としてオドロームはのび太に討たれてしまったため、「トリホーは無能」「自分の事を参謀と思い込んでるだけの役立たず」などと酷評されることがままある。
視聴者の中には「そもそもトリホーはオドロームが嫌いだったから、のび太とドラえもんを参加させて遠回しにオドロームを始末させた裏切者だったのでは」などという珍説を出す者すらいる。
現実世界の住民の場合
開発者ないしゲームマスター説も根強い。「気ままに夢見る機」や二十二世紀デパートの存在を知っている事から「夢幻三剣士」の夢カセットの開発者にしてゲームマスターなのではと考察されている。オドロームの攻撃を食らっても死なないのは開発者権限だからという説が加わる事もある。
しかしこの説の場合は「ラスボスとはいえNPCであるはずのオドロームに何故ゲームマスターがこき使われているのか?」「攻略されたら困るようなゲームを何故市場に出したのか?」という疑問も残る。
茅場晶彦:『ソードアート・オンライン』のキャラクター。彼はゲームの開発者であり主人公達をゲームの世界に閉じ込めた経緯を持っているが、双方の作品の間で類似している部分が多いため、トリホーの考察の際に彼の特徴を照らし合わせる事も多い。