概要
ディズニー・ピクサーのアニメ映画『カーズ』に登場する町のことである。ルート66に存在する小さな町であり、一昔前は旅を楽しむ者達が盛んに訪れては大いに賑わっていた。
最序盤のピストンカップにてマックィーンはキングとチックとの三車同着の形となり、後日改めてこの三車による決勝を開催することとなった。今シーズン最終決戦の地がカリフォルニア州へと決まり、いち早く現地に着いてDINOCO石油と仲良くなっておきたいという目論見だったマックィーンはマックを夜通しで走らせる。
しかし、居眠り運転状態だったマック(この時、マックィーンは爆睡)は4台の暴走族に絡まれてしまい、彼らの悪戯でマックィーンの側に飾ってあったバネ仕掛けの玩具が落ちて、その弾みで開閉スイッチを押してしまい、マックィーンは外へと放り出され、そこで迷子となる。
途中、マックと思わしき、人物を見かけ追い掛けるも人違い。高速に戻ろうとするも、来た道とはあらぬ方向のルート66へと迷い込んでしまう。
住人
- ドック・ハドソン
- メーター
- 錆色のレッカー車で昔は水色のボディをしていた。後ろ向き走行の達人で出会った頃からマックィーンに友好的で彼の親友となる。
- サリー
- シェリフ
- アメリカンパトカーの初老の男性。町の保安官であり、町に迷い込んだマックィーンを捕まえた彼の監視役。
- ルイジ
- グイド
- 水色のフォークリフト。上記の通り、相方のルイジの二人でタイヤ店を経営。尋常ない速さ(4輪をたったの10秒)でタイヤ交換を行う技術力の持ち主で、マックイーンのピットクルーとして活躍するのは勿論、相手の無力化にも使える。
- ラモーン
- メタリックパープルのボディにファイアーパターンが施された1959年式シボレー・インパラ。ペイントショップを受け持っていて、自身の気分に合わせて様々な色に塗装し、自分も作品ごとに色を変えるオシャレ好き。
- フロー
- サージ
- フィルモア
- リジー
- 黒いT型フォードの老齢の女性。車体に貼るシールショップおよび土産屋を経営していて、少々ボケ気味。銅像が建てられている町を立ち上げた今は亡きスタンレイという人物の妻だった。町にいる人物の中では一番のご高齢者。
- レッド
町の軌跡
一回目こそ早く町を出て、カリフォルニアに行くことしか考えてなく雑に道路を舗装したが、二回目(やり直し)は曲がりなりにも道路をきちんと直してくれたマックィーンへの感謝として気晴らしにドライブへと誘うサリー。林道を走り終わった際に訪れた場所は、かつてルート66が最盛期だった頃に大人気だったモーテル『ホイールウェル』だった。サリーは自身の過去を交えながら、町にそのまま居ついた理由として、その高台から見れる絶景に一目惚れしたからという。これを見たマックィーンも感動していた。
マックィーン「うわぁ!、凄いなぁ。高速を走ってる車は気が付いてないんだろうね」
サリー「昔はああじゃなかったみたいよ」
マックィーン「そうなんだ……」
サリー「えぇ、40年前まであの高速は無かったの」
マックィーン「本当?」
サリー「えぇ、その頃車の旅って今と全然違ってた」
マックィーン「どういう意味?」
サリー「道はあんな風に地形を切り裂くんじゃなくて、
地形に沿って作られていたのよ。
登ったり下ったり曲がったり……」
当時、ルート66の観光地として大人気の場所であり、行き交う車達が気持ちのよい挨拶が絶えない町だった。それから、時間を10分短縮する為に高速道路が敷かれることが決まり、ラジエーター・スプリングスの面々もその発展に喜んでいたが、完成した以降は客足がパッタリと無くなり、経営不振に陥る事で廃れ、ついには地図上からもルート66の情報が削除されてしまっていた。その話を聞いたマックィーンは「賑やかだった頃を見てみたかったなぁ」と呟き、「私も何度そう思った事か……」とサリーも共感していた。
マックィーンはラジエーター・スプリングス、そしてドックの過去を知り『町の為に何か出来ないか?』と行動を起こす。それは以前は敬遠していた町の住人達に自ら歩み寄り、彼らが経営しているお店を訪れては交流を図ろうとしたのだ。この頃には道路舗装をした努力も認められており、お互いの態度も軟化し、快く迎えられていた。その日の夜になり、
マックィーン「なんか、暗くなってきたよ!」
リジー「どうすればいいんだっけ?」
マックウィーン「もう一回言うね、暗くなってきたよ!!」
━Life could be a dream♪ Life could be a dream♪……
とマックィーンが声を上げると、レッドがリジーの側のスイッチを押すと、予め直しておいたであろう町中のネオンが点灯し、賑やかで楽しい雰囲気に包まれた。しかし、ドックがマックィーンのことを連絡していて、その情報を受けたマックと付いてきたマスコミが到着。押し寄せるマスコミによって、みんなとお別れの言葉も交わせぬまま、あえなくマックィーンはラジエーター・スプリングスを後にすることとなってしまう。
カリフォルニアでの決勝戦へと出場できたマックィーンだったが、サリーやメーターをはじめとしたラジエーター・スプリングスのみんなの事が気になり、集中できずにいた。しかし……
マック「大丈夫か?、坊や?」
マックウィーン「マック、ダメかも……」
???「わざわざ来てやったのに、もう諦めるのか?」
マックィーン「ドック!? 嘘!?、信じらんないよ!!」
ドック「ピットクルーが必要だとは聞いていたが、まさかここまで酷いとは……」
マックィーン「『戻らない』って言ってたのに!?」
ドック「だって、仕方ないだろう?。メーターが「さよなら」言ってないって」
メーター「さよなら~ OK、もういいよ」
そこにはドックとラジエーター・スプリングスの仲間達の姿があった。その光景を見たマックィーンは大いに喜び、再起しドックから教わった走る心構えとダートの攻略法や、メーターから後ろ向き走行、グイドの超速タイヤ交換もあり、1位はもはや確実な程のポジションを取る。しかし、チックは「アンタの後ろで終わるのだけは御免だ!」とキングを跳ね飛ばし、クラッシュさせる。電光掲示板越しの映像を見て、過去に起きたドックの事故を想起させていた。ゴール寸前で止まり、自身が掴めた栄冠をかなぐり捨てて、ボロボロのキングの側に寄り「キングは最後まで走り抜かなきゃ」と今大会で引退する彼の門出を祝うか如く、後ろから優しく押し、キングを2位という形で花道を飾らせた。
このマックィーンの行為に会場のみんなが感動し、ドックも「お前は良いものを持ってる」と彼の行動を心から讃えた。その後、マックィーンの活躍もありラジエーター・スプリングスは昔のような賑やかさを取り戻しつつ、彼もそこで出逢ったかけがえのない仲間達を引き入れたレースチームの本拠地を構えるとして町へ移住していた。そこから町の人気や知名度が広まり、観光客達は絶えぬ程で一度は地図上から存在を抹消されたが、再び地図に載った。
同時に廃墟だった町はずれのモーテルを改装し、ドック・ハドソン記念館も建てられた。