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概要編集

文字通り、煽り立てるような危険運転。

急なブレーキや不必要なベタ付けをするなど車間距離をやたら詰めたり、車線変更を繰り返すなどして前方の車を追い立てる行為。

クラクションを鳴らしまくったり、場合によっては信号停車中に運転手が降りてきて窓を叩いて怒鳴るなどの事件も頻発している。


最悪の場合死亡事故につながったケースも複数あり、中でも2017年6月5日に東名高速道路で発生した「東名高速夫婦死亡事故」 においては、被害者一家のうちの父親にマナー違反の停車を注意されたことに逆ギレした運転手が煽り運転を繰り返して無理に高速上で被害者車を停車させ怒鳴り散らすなどしているうちに別の車が追突して被害者夫婦が死亡する痛ましい事件であった。

ある事情により、1審判決は事故の5年後の2022年6月6日に下され、加害者である石橋和歩に懲役18年が宣告された。


無論こうした行為は、だいたいの場合道路交通法の違反行為に該当して検挙対象になるほか、相手への危害の内容次第では脅迫罪傷害罪危険運転致死傷罪に該当することもある。

2018年7月2日に大阪府内で発生した、バイクへの煽り行為の挙句に轢き殺してしまった事件では殺人罪で起訴され一審で懲役16年が言い渡された。


もちろん他人に危害が及ぶ事例だけでなく、煽り運転をしている側が自爆事故を起こす危険性も大きい。

その場で事故を起こす者、あるいは無事に切り抜けてもSNSなどでおバカな自慢をして通報されるケースもある。

近年では、ドライブレコーダーの存在を考えずに襲いかかり、それに気づいてバカな行為を警察にあますことなく知られてしまう様は救いようがない。


日本国内のみならず、世界でもロード・レイジと侮蔑されて呼ばれている行為である。

特に中国では「路怒症」という名で酷く、国内同様に殺人事件にまで発展しているのが現実である。これを重く見た中国では、警察がドライブレコーダーの映像の投稿して通報できるページを作成、危険性が認められた場合は逮捕される


煽り運転が大きく問題提起されるようになった背景にはドライブレコーダーの存在にある。

単純な接触事故でも事後で「どっちからぶつかったのか」「どっちに非があるのか」がわかりにくく水掛け論になりやすく、更に煽り運転は進路妨害で接触事故に至らなかった場合、物理的に危険運転の証拠が残りにくいため、多くの泣き寝入りがあったのも想像に難くない。

しかし、ドライブレコーダーの撮影で映像として証拠に残るようになり、相手が明確に危険運転やその行為、ナンバーが残るようになり問題に光を当てやすくなったためである。


メディアでも度々取り上げられているため厳罰化もされているが、現在も減る事がなく深刻な社会問題のひとつになっている。


煽ってしまう心理編集

実は心理学的に、自動車は運転手の性格をより粗暴なものへと操作しかねないと言われている。


まず自動車は、日常生活で手に入る中では最強の馬力と防御力を誇る物体であり、これを意のままに操っている運転手自身までもが強くなったように錯覚してしまうというのが一つ。


外からは顔が見えにくいガラスに囲まれているために、あたかも自分が匿名の環境にいるかのように錯覚して開放的になりやすい、というのも一つ。


米国の研究によれば、煽り運転には年齢や道路環境などによる傾向はみられるものの、ドライバー個人の性格から危険行為に及びやすいか判断することはできないらしい。

つまり煽り運転は一部のDQNの特権ではなく、誰もが行ってしまいかねない突発性の疾患のようなものである。

また、過度な欲求不満により攻撃行動が引き起こされる他、自分が識別されにくい状況では内的抑制が弱まることで攻撃性が外に向く心理が働いてしまうという文献も存在する。一概に言い切れないが、間欠性爆発性障害の影響があって感情制御が困難な精神性も、他者へに攻撃を向ける引き金となっている。


運転時間、距離に注意し適度に休憩を取ってストレスを溜めないようにすること、また余裕を持って予定を組んで急いで運転する必要をなくすことなどが重要。

サービスエリアコンビニ等に入り対象車両から離れることも効果的である。


加えて男性諸兄は、異性を乗せている場合には特に用心する必要がある。


道路上は公共の場であり、警察も定期的に見回っている

下手をするとこうなる


また、煽り運転は高齢化の傾向にある。

絶対数が少子化の影響で高齢者の方が多くなると言う事情もあるが、年を経るにつれ堪え性が効かなくなる、社会を引っ張ってきたor作ってきた自負から自身が正しいのだと言う過信、更に時代を経ることで安全運転の意識が代わって「過去は許されていた」ことが今では控えた方がいい方法も増え、相手からパッシングなどで抗議を受けたりそれをやらない相手が下手だと認識して苛立つと言う、事情もある。


煽り運転への対処編集

煽られる前に編集

煽り行為への牽制として車体後部に「ドライブレコーダー録画中」などのステッカーを貼っている人もおり、レコーダー未搭載でもとりあえず貼っておけばなかなか効果的という話。

各種動画サイトにも煽り運転が検挙された現場を録画した動画が多数アップされている。(ただし撮影した側の道路交通法等違反の逆検挙もなくもない。人のふり見てなんとやら)


本末転倒な話であるが、初心者マーク高齢者マークと言った周囲への配慮を求める標識は、逆に煽り運転の標的として狙われやすくもなる。

他にも女性の運転手や軽自動車などは対象にされやすい。


該当する運転手は予防策を検討した方が良いだろう。


また、常日頃から何より自分だけでなく相手にも気を遣った安全運転をすること。

とにかく誰でもいいから都合よく通りかかった相手を狙う通り魔の様な輩もいるが、割り込みや間が悪く車線変更による走行妨害をしてしまった結果、相手の怒りを買い報復に走って煽りに来る者も少なくない。

更にパッシングでこっちの意思とは異なる解釈を相手がしてしまい、相手の怒りを買ってしまうケースもある。

またいつまでも追い越し車線を走り続けたり(そもそもこの行為自体通行帯違反という違反行為の上、速度超過に繋がり得る)、道路を必要以上にゆっくり走ることも煽られる原因となる。

被害者どころか「逆あおり」として加害者になってしまう可能性もある。

追い越しが終わったら速やかに元の車線に戻る、どうしても速度が出せないのなら左側によけるなどして後続車を先行させることも大事である。

他の車に迷惑や不快感を与えないことで因縁が生じさせなくなり、結果余計な騒動に巻き込まれなくなる。


煽られてしまったら編集

まずは追い越し車線で停車する事態にならないよう、早急に一番左側の車線に移動し、また可能であれば路肩や待避所、自動車専用道路であれば非常駐車帯に停車すること。一般道なら遠回りになるが脇道に入るなどして関わりを断つことも有効。近くに交番や警察署があればそちらを目指すのもよい。

向こうが同様に停車して下りてくるならば警察に通報すること。

そして決してドアや窓を開けないこと。

上記にあるように煽り運転の加害者は車を降りればただの凡人である。警察へ連絡するそぶりが見られれば、ほとんどの場合は早々に立ち去るだろう。

2019年8月10日の茨城の高速道路では、煽られた運転手が窓を開けていたため、殴り掛かり傷害を負わせる行為に及んでいる(ドライブレコーダーに撮影されながらだが)。更に同年1月20日の大阪府堺市で、法衣の僧侶が煽り運転の末に車から出て被害者の胸ぐらを掴んで怒鳴りこむ事件も発覚し、相手がどんな立場や身分でも油断はならない。


なお証拠の確保を試みるのは推奨しない。

これを試みた場合は運転手に正義感が生じて興奮しやすくなり、無茶な行為をやりかねない。

他に車を出て詰め寄ってきても、会話しようと窓を開けようとしないこと。相手の言い分は理不尽な場合もあるので会話するだけ無駄、むしろ暴行を受ける危険もある。

まずは自分の身を守ることが最優先である。


※尚、一部の自動車専用道路を始めとしたバイパスでは右側分岐・合流や平面交差箇所に直結する箇所存在の点で追い越し車線が定められていない場合も有、都市高速でも原則此の構造となっている。首都高速湾岸線や阪神高速7号線と言った分岐・合流が左側のみの際、此の限りとはならない。


表記揺れ編集

あおり運転


関連タグ編集

DQN 飲酒運転 暴走族 走り屋

欲求不満 間欠性爆発性障害

自粛警察: 徳島県において他県ナンバーの車が自粛警察に煽り運転される被害が相次いだ。

クラウン: おそらく一番煽られにくい車種。

当たり屋:同じく同業者。

PUIPUIモルカー監督によると、この作品を思いついたきっかけは煽り運転の社会問題化だったとのこと。

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