この糸【ウェブ】が、すべての運命を繋いでゆく。
概要
ソニー・ピクチャーズが展開するスパイダーマンに関連したキャラクターが登場する実写作品群「スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の映画。
全米公開は2023年7月7日 → 10月6日 → 2024年2月16日 → 2月14日、日本では2月23日公開。
主人公は4作目にして初のヒーロー側となる、スパイダーマンの協力者「マダム・ウェブ」。彼女に開花した未来予知能力が主軸の、MARVEL初の"本格ミステリー・サスペンス"と銘打たれている。
年代設定は2000年代であり、(回想シーンを除けば)時系列としてはSSUの中では最も古い時期を描いた映画である。
監督はMCUのスピンオフドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』にも関わっていたS・J・クラークソン。
キャラクター
ニューヨーク市で働く救命救急士。
キャシーの亡き母と知り合いだった男。
コミックではピーター・パーカー / スパイダーマンのメンター的存在だった老人で、別アースでは彼の代わりにスーツ姿で活動していた。
エゼキエルに命を狙われている少女たち。
コミックでは3人ともスパイダーウーマン・スパイダーガールで、予告でもそれぞれ特徴的なコスチューム姿を見せていたが…。
それぞれ、
ジュリアは急病になった義母をキャシーに救助され、
アーニャはキャシーと同じアパートの一階に住み、
マティはスケボーで道路を走っていた時にキャシーが運転する救急車に引かれかかった………という繋がりがある。
なおジュリアは「カーペンター」姓が有名だが、結婚前の旧姓が「コーンウォール」。
またマティはこの人の姪で、劇中でも言及される。
キャシーの同僚。
公開までキャラクター名は明かされていなかったが、萩原氏のコメントからほぼ確定となった。
詳細不明の女性。
こちらも坂本氏のコメントから、事前にこの人の母〈⚠️ネタバレ注意⚠️〉でほぼ確定した。
作風
- 主人公のキャシーの特殊能力は予知能力だけ
- ジュリア、マティ、アーニャは、将来スパイダーウーマン / スパイダーガールの能力を得るが、映画本篇の時点ではただの人間。
- 一方で、悪役のエゼキエルはスパイダーマンに近い基本能力+毒・予知能力に加えて、財力・権力まで持っており、アメリカの諜報機関のシステムを不正使用出来る。
つまり、本作はヒーロー映画なのに「予知能力持ちが1人居る(しかも、いつ発動するかなどを本人も制御出来ない)以外は基本的に常人の主人公チームが、特殊能力に権力・財力・科学力まで持ってる悪役から、いかに逃げるか」が基本プロットの物語なのである。
評価
売上は低調で終了し、アメリカの大手レビューサイトのロッテントマトでは一般評価では57%と手厳しい評価を受けている。
従来のスーパーヒーローもののような、ヒーローとヴィランの激しいアクションに期待していたファンからは、肩透かしを喰らってしまうこととなり、これが本作の低評価に繋がってしまうこととなった。
ミステリー要素もほぼ皆無であり、予告詐欺だという批判の声も多い(一応フォローしておくと、逃避行ものとしては十分面白いという意見もあり、これに関しては完全に製作側の宣伝ミスと言える)。
また、カット割りや演出に関しても「悪い意味でダークナイトやMCU以前のヒーロー映画のようだ」という批判もされた。ある意味で、ループものや予知能力ものは、こういう風に映像化すると訳がわからなくなる、という悪い見本とも言える。
だが批評家からはの評価はこんなものではなく、なんと驚愕の11%というさらなる酷評をうけた。
理由としては脚本や話の流れがチグハグだと非難が集中している。
これについては主演のダコタ・ジョンソンも
「オリジナルの脚本は実際に公開されたものと全く異なっていた」
「複数の劇的な変更があった」
といった発言しており、脚本の大きな変更が作品に問題を起こしたと思われる。
また、ジョンソン女史は本作の低評価について質問されたとき「残念だけど、こうなったことに驚いてはいない」と答え、「私は観客は賢いと思っているけど、スタジオの幹部は観客をバカだと思っている」という趣旨の批判もした。
さらに、撮影時の様々なトラブル等から「出演した事は後悔していないが、今後はこういう映画には二度と出演することはないと思う」とも宣言している。
今作の低調な成績が『スパイダーマン・ユニバース』打ち切りの決定打になったとの見方も強い(とはいえ、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』や『モービウス』等、これ以前の作品もあまり芳しい評価を得られていなかったのだが…)。
余談
- 本作に登場するあるキャラクターはコミックにおいて「ヒーローとヴィランの戦いとは、似て非なる者同士の戦いであり、偽物が本物を本能的に憎む事により起きる(例:キャプテン・アメリカの敵は愛国者を名乗り、X-MENの敵は同じミュータント)」という台詞が有り、また、別の登場人物によって「あいつは、いつも『私はヒーローにならねばならない』と言っていたが『今日こそがその日だ』とは一度も言わなかった」と評されている。
- ある意味で本作は「不正な手段でスパイダーマンの能力を得た者が、スパイダーマンの能力を正当に得る運命を持つ者達を、ヒーローになれる力を持ちながら、その力を私利私欲の為に使い続けた者が、本当のヒーローになる運命を持つ者達を殺そうとして失敗する物語」とも言える。
- 上記の通り、主演のダコタ・ジョンソンは本作に関してかなり否定的な見解を示しており、今後彼女がアメコミ映画に出演するのはほぼ絶望的と言っていい状態になってしまっている。
- 本作でピーター・パーカーと思われる赤ん坊が誕生しているが、これまでの実写版のどのピーター・パーカーとも年齢などの辻褄が合わない為、この赤ん坊がSSU版の新しいピーター・パーカーになる予定だったのではないか?と推理しているファンも居る。
- SSUの一作品であると言われる本作であるが、実はSSU作品ではないとも言われている。というのも、『ヴェノム』シリーズ・『モービウス』『クレイヴン・ザ・ハンター』は映画プロデューサーのアヴィ・アラッドによる製作だが、なぜか本作のみ彼が関わっておらず、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ(『トランスフォーマー』シリーズなどを手掛けた映画プロデューサー)による単独製作となっている。そのため、「スパイダーマン関連のキャラクターが登場するソニー配給のマーベル映画だが、ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース作品ではない」というややこしい状態なのである
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