概要
正式名称(例:ソーの「マイティ・ソー」)は「モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア」。
人物
本名:マイケル・モービウス(Michael Morbius)。
かつてはノーベル賞を受賞したこともある生化学者だったが、特殊な血液の病にかかってしまい、吸血蝙蝠と電気けいれん療法を用いた治療法を自らの体で行った結果……
- 超人的な身体能力・腕力・耐久力
- 回復力
- レーダーのように鋭敏な聴覚と視覚
- 暗視能力
……等の特殊能力を会得。
しかし他人の血を吸わないと生きていられなくなり、光にあたることもできなくなるという吸血鬼じみた体質になってしまった。さらに犬歯が伸びて牙状になっただけでなく、肌が白墨のように白くなり、鼻も蝙蝠のそれに近くなった。
吸血衝動に苛まれることもあるが同時に心の底では人間としてそれに抗ってもおり、悪党の血を吸う事でかろうじて衝動を抑えている。
登場初期はコスチュームの脇腹のマントを広げて滑空するだけだったが、後に従来の吸血鬼と同じような
- 催眠術
- 飛行能力
- 超能力
などが加わった。
なおMARVEL作品にはドラキュラを初めとする正真正銘の吸血鬼が種族として実在しているが、それらが「オカルト的な自然発生した魔物」なのに対して、彼はあくまでも「科学的突然変異で吸血鬼に似た体質になった人間」なので、十字架やニンニクといった伝承にあるような弱点は効果がなく、日光を浴びても不快感を感じるだけで灰になることは無い。
ミもフタもないメタな話をすれば、コミックス・コードのせいで一般的な「吸血鬼」「狼男」などをコミックス・コード準拠の作品に登場させられない時期が有ったので「吸血鬼のようで吸血鬼でない」存在として考え出された訳である。
経歴
1971年10月の『Amazing Spider-Man #101』にて、スパイダーマンのヴィランとしてデビュー。
なお当時は子供への悪影響を考慮し、コミックス倫理規定委員会から吸血鬼の登場が制限されており、ライターのスタン・リーはこれを逆手にとって前述した設定で掻い潜った。
1972~75年にはアンソロジー隔月誌『Adventure into Fear #20』~『#31』で主演を務め、さらに単独主役である『Vampire Tales』が出版。'90年代にも『Morbius Revisited』や、オカルト系・ホラー系のクロスオーバーシリーズ『Rise of the Midnight Sons』など、多くのコミックで主役となり、今ではダークヒーローとして知られている。
関係者
彼らのような、自身と同じく後天的に能力を得たヒーロー・ヴィランとは絡みが多い。
ご存知MARVEL最高峰の魔術師。
スパイダーマンと交戦中に得た日光への耐性を完全な物とするのに協力してもらったり、対オカルトの戦力としてヒーローチーム「ミッドナイト・サンズ」に勧誘されたりした。
- ゴーストライダー
- マーク・スペクター / ムーンナイト
- ジャック・ラッセル / ウェアウルフ・バイ・ナイト
- セオドア・”テッド”・サリス / マンシング
同じオカルト・モンスター系で良く共演する「ミッドナイト・サンズ」の同僚。特にジャックとは古くからの仲。
- エリック・ブルックス / ブレイド
ヴァンパイアハンターの彼と、後天的な吸血鬼の自身とは複雑な関係。
「ミッドナイト・サンズ」の同僚でもあった。
- フランク・キャッスル / パニッシャー
ニューヨーク市の下水道で発見した彼の遺体を、モンスターヒーローチーム「リーグ・オブ・モンスターズ」の面々とともにフランケンシュタインの怪物のような姿に生き返らせたことがある。
他メディア展開
アニメ
原語版:ニック・ジェイムソン / 日本語版:斧アツシ
シーズン2から登場。
ピーター・パーカーと同じエンパイアステート大学の学生で、彼とコナーズ博士の助手になる競争をする過程の事故で吸血鬼の体質になってしまった。ピーターは元の人間に戻そうと奮闘するが、ブレイドに狙われてしまう。
原語版:ベンジャミン・ディスキン / 日本語版:青木崇
ヒドラの科学者としてシーズン4に登場。
アーニム・ゾラの命令でオットー・オクタビアス博士の助手に就任、2人でシンビオートの研究をする過程で自ら実験体となって吸血鬼の能力を得た。
実写
未公開エンディングで存在が示唆され、当初は続編にヴィランとして登場する予定であったが、諸事情で変更された。
“私は医師であり、怪物だ”
上記から20年以上経って、「スパイダーマン・ユニバース」第3作の主役映画で実写デビュー。
作品としては上記リンクを参照。
コミックと異なり子どもの頃から血液の病気にかかっており、療養施設の中では最古参。かつて隣のベッドに入院していた子どもが「マイロ」という名前だったことから、彼以降に隣のベッドに来た患者たちにも「マイロ」というあだ名をつけ、後に親友となる富豪の御曹司ルシアンに対してもそう呼ぶようになった。
ある日ルシアンの血液を交換する医療機器が不具合を起こし、ボールペンのバネで応急処置し、ルシアンの命を救った。そこから担当医のエミール・ニコラスに才覚を見出され、ついには人工血液を開発して多くの人命を救う希望の医学者となる。
しかし自分やルシアンの病気を治すまでは至らなかったため、自らを被験者とした違法な人体実験を敢行。人や動物をも殺す吸血コウモリの血清を投与したことで、超人的な肉体を獲得するとともに、定期的に血液を摂取しなければ自我を失って暴走する吸血鬼となってしまう。
ゲーム
原語版:フィル・モリス / 日本語版:宇垣秀成
「モーガン・マイケルズ(Morgan Michaels)」として登場。52歳。
遺伝性疾患の研究が専門の非常に優秀な生物化学者で、オズコープ社の主任研究員として不治の病の治療法を模索している。
関連イラスト
関連タグ
ジョーカー(バットマン):実写版の中の人&アメコミ映画繋がり。