“血の果てまで、狩り尽くす。”
概要
ソニー・ピクチャーズが展開するスパイダーマンに関連したキャラクターが登場する実写作品群「スパイダーマン・ユニバース(SSU)」の6作目。
公開日は2023年1月 → 10月 → 2024年8月 → 12月13日(日米同時)と変遷した。
コミックにおけるヴィラン「クレイヴン・ザ・ハンター」を主人公に、彼のオリジンが描かれる。
激しい人体破壊描写が理由で、アメリカではSSU初のR指定、日本でもR-15の映画となっている。
あらすじ
幼い時に母親を亡くし、裏社会を支配する冷酷な父親から「強き者が生き残る。力こそが全てだ。」という精神を叩きこまれて育った少年セルゲイ(クレイヴン)。
ある日、父親と共に狩猟に出た際、突如現れた巨大なライオンに襲われ生死を彷徨う大怪我を負うが、ライオンの血がセルゲイの体内に入ったことで、<百獣の王>の力を持つ容赦なき“クレイヴン・ザ・ハンター”へと覚醒する。
〈狩り〉の対象は、金もうけのために罪無き動物を〈狩る〉人間たち。一度狙った“獲物”は確実に仕留めるまで、あらゆる手を使ってどこまででも執拗に追い続ける。
次々と〈狩り〉を実行し、彼らを動かす大きな組織へと近づいていくが…立ちはだかるのは、全身が硬い皮膚に覆われた巨大な怪物〈ライノ〉。
さらに、病弱な身体を持つ最愛の弟ディミトリが危険にさらされたことでクレイヴンは激昂。やがて“裏の世界の殺戮者”と呼ばれる自らの父親と対峙することになる。
怒りのままに<狩り>を繰り返し、次第に暴走していくクレイヴンだったが、弟からは「兄さんはただ、殺しを楽しんでるだけ。」と心無い言葉を受けてしまう。大義のための殺しか?快楽を求める殺戮か?激しくエスカレートしていく〈狩り〉が、行きつく先は─?
(日本版公式サイトより引用)
キャラクター
括弧内は演者 / 吹き替え。
- セルゲイ・クラヴィノフ / クレイヴン(アーロン・テイラー=ジョンソン / 津田健次郎)
- (少年期:リーヴァイ・ミラー / 鈴木崚汰)
本作の主人公。父ニコライによって連れられたライオン狩りで瀕死の重傷を負ったことを機に超人的な身体能力を得る。父から離反し、マフィアのボスなどを人知れず狩るビジランテ「ザ・ハンター」として活動する。
- カリプソ・エジリ(アリアナ・デボーズ / 田村睦心)
ロンドンの法律事務所で働く弁護士。祖母がアフリカの呪い師で、幼少期の里帰り中に伝来の秘薬を瀕死のセルゲイに飲ませてその命を救った。成長後、親友を死に追いやったマフィアのボスをセルゲイが暗殺したことから、彼を中心とした騒動に巻き込まれる。
コミックではブードゥー教の巫女と明言されており、姓は女神「エルズリー」に由来する。セルゲイの恋人だが、彼のオリジンに関わるのはアジャという別の女性。
セルゲイの父親。クラヴィノフ家の当主だが、裏の顔は裏社会で動物の密猟をするシンジケートのボス。かつて離反したセルゲイを後継者にしようとしている。
ニコライが使用人との間に儲けた不貞の子、つまりセルゲイの義弟。セルゲイにとっては唯一の理解者。セルゲイが実家を出たことからやむなく後継者にさせられそうになっているが、貧弱な為に半ば見放されている。
モノマネが得意で、どんな人間の声も真似ることができる。コミックでの呼び名「カメレオン」も父から言及される。
クラヴィノフ家と敵対するマフィアのボス。セルゲイがとあるマフィアのボスを暗殺したことを機に、そのマフィアやクラヴィノフ家の縄張りを手中に収めようと暗躍する。過去にニコライから病弱な身体を馬鹿にされたため人体改造を受けており、特殊な薬品を常時投与していないと肉体がサイのように変異する。
コミックや映画『アメイジング・スパイダーマン2』ではサイを模したスーツを着ていた。
- フォーリナー(クリストファー・アボット / 三上哲)
目があった相手に催眠をかける能力を持つ暗殺者・傭兵。過去にヒットマンという仲間をセルゲイに殺されており、アレクセイに雇われてセルゲイを狙う。
コミックでは1980年代に初登場。同じく催眠能力者の傭兵でスパイダーマンを幾度となく狙っている。本名などは不明だがシルバー・セーブルの元夫。
名前のみ。アレクセイの改造に協力した医者。
動画
予告1
予告2
こぼれ話
本作公開直前、The Wrapが「有力タレントエージェントが、ソニーが「今のところ進めたい企画は進めた」として、代わりにマーベル・スタジオの「スパイダーマン」次回作(トム・ホランド主演の『スパイダーマン』第4作)に注力していると語った」と報じた。
つまり、本作をもってSSUは終了する、という意味である。
ただしこれはリーク情報であり、現時点でソニー公式からは何のアナウンスもない。
キャストについて
主演は『キック・アス』のデイヴ・リズースキーやMCU版クイックシルバーで知られるアーロン・テイラー=ジョンソン。
吹き替えの津田健次郎は『ブレット・トレイン』に続くアーロンの担当で、MCUにはキルモンガーで出演経験がある。
ラッセル・クロウはDCユニバースのジョー・エル、MCUのゼウスと、3つのアメコミ映画ユニバースで父役を担当することになった。
吹き替えの山路和弘は『アメリカン・ギャングスター』『グラディエーター』などでラッセルを担当しており、MARVELキャラはウルヴァリン、サム・ライミ版のノーマン・オズボーン、2004年版『パニッシャー』のハワード・セイント、MCUのレッドスカル、シュー・ウェンウーに次いで6役目。
田村睦心は2021年の『ウエスト・サイド・ストーリー』などでアリアナを担当。MARVEL作品は幼少期モービウス、MCUのダーシー・ルイス、エレーナ・ベロワ、アニメ『スパイダーマン:スパイダーバース』のジェシカ・ドリューと5役目。
堀内賢雄は『キャプテン・アメリカ 卍帝国の野望』のスティーブ・ロジャースとゲーム『Marvel's Spider-Man』のノーマンを、三上哲はMCUのドクター・ストレンジと『デッドプール』シリーズのピーターをそれぞれ担当している。