表記ゆれ:jessica_drew
概要
MARVELコミックのスーパーヒロイン「スパイダーウーマン」の初代。
1976年11月の『Marvel Spotlight #32』で初登場し、その後に三代目が死亡、二代目が別の名義を襲名、四代目が生死不明となっていることから、2024年現在も当代として活躍している古参キャラクター。
能力
パワー・スピード・反射神経・敏捷性・持久力・耐久性が超人レベル。また老化が抑制されており、寿命も通常の人間より長いと考えられている。さらに毒物・薬物と放射線に対して強力な免疫・耐性を持つ。
体内で発する生体電気エネルギーを凝集・放射する「ヴェノムブラスト(venom blasts)」という特殊能力を持ち、掌と足の裏からは粘着性の物質を分泌して壁や天井に張り付き移動することができる。
また本人の意志では制御できない特性として、男性を魅了する一方で女性には嫌悪や恐怖の念を引き起こすフェロモンを放っている。これは専用の香水を用いることで抑制しており、意識を集中すればこのフェロモンを活用して他人の感情等を制御することもできる。
これらの身体能力に加え、様々な格闘技、銃器を含む諸々の武器を用いた戦闘と、隠密・諜報の幅広い技術、多彩な言語を習得している(後述参照)。
コスチュームは、クモの巣を模したムササビのような翼が特徴的。最初期は胴体と連結された頭巾で頭髪全体を覆っていたが、早々に取り除かれ、顔の上半分を覆うマスクとなっている。
基本のものは赤と黄を基調としているが、特定のイベントで「白」「緑」「赤と黒」などのカラーリングのコスチュームを使用している。
肌の露出は少ないがボディコンシャスなデザインが幅広い層に大きな感銘を与えており、MARVELの公式でもしばしば肉感的に描かれている。
なお、彼女の頭髪は当初「黒く染めた金髪」という設定だったが、後に「もともと黒髪だった」ことになった。
経歴
オリジンは2005年のストーリーで再設定された。
当初 |
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イギリス人の遺伝学者である父・ジョナサンと母・ミリアム(Merriam)に連れられ、幼少期を東欧のワンダゴア山で過ごす。しかし現地で採れるウランの影響で病気になってしまったため、父が開発したクモ由来の血清を投与され、共同研究者であるハーバード・エドガー・ウィンダムが作ったカプセルで治療を受けた。 |
新バージョン |
両親はヒドラの資金提供を受けており、母・ミリアム(Miriam)の胎内でクモの遺伝情報を含む光線を浴びてしまった。 |
両親の失踪後はワンダゴア山で育てられ、後にタスクマスターの指導の許、ヒドラのエージェント「アラクネ」として活動を開始。初登場作品ではS.H.I.E.L.D.と戦っている。
その後ヒドラの洗脳が解け、クライムファイターに転向。バウンティハンターや私立探偵としても活動する傍ら、アベンジャーズやX-MEN、S.H.I.E.L.D.を始め、他にもA-force、ヒーローズ・フォー・ハイアー、S.W.O.R.D.、ハント・スクァッド、レディ・リベレイターズにも参加している。
1983~84年にかけての戦いで死亡・蘇生した際に特殊能力の大半を喪失、アベンジャーズを脱退。同年に二代目スパイダーウーマンのジュリア・カーペンターが登場し、以降ジェシカは私立探偵としての活動を中心に「元スパイダーウーマン」として後進への助言や指導といった形で登場。
ただし喪失した能力は時期によって回復したり当初より強力な物になったりと不安定で、2008年には(以下略)
関連キャラ
- ボヴァ(Bova)
ハイ・エボリューショナリーが造り出した「ニューメン(New Men)」の1人で、人類並みの高い知能と器用さを持つ牝牛。ジェシカの出産を助けた産婆であり、また乳母として両親に替わりジェシカを育てた。
- モルガン・ル・フェイ(Morgan Le Fay)
『アーサー王伝説』でお馴染み、地球で最も強力な魔法使いの1人。
1955年の登場以降、ジェシカを始めアベンジャーズやDr.ドゥームと永い間戦っている。
- チャールズ・マグナス(Charles Magnus)
6世紀生まれの魔法使い。モルガンとは古い因縁があり、ジェシカの父であるジョナサン・ドリューに憑依していたこともある。ジェシカの戦友かつ指導者として彼女の成長を見守り、絶命したジェシカを蘇生させるために自らの命を犠牲とした。
- リンジー・マッケイブ(Lindsay McCabe)
私立探偵としてのジェシカの相棒であり親友。ジェシカは自らがスパイダーウーマンであることを明かしてはいなかったが、リンジーのほうはそのことに気付いており、ジェシカが能力を喪失した後も彼女を支え続けた。
- ジェリー・ドリュー(Gerry Drew)
息子。
最初は2001年に【アース982】を舞台とする『Spider-Girl』で、能力を完全に喪失したジェシカの後継者として登場。
正史世界【アース616】では2016年に誕生。当時は出産直前の体でスクラルと戦っていた。
- ロジャー・ゴッキング / 二代目ポーキュパイン(Roger Gocking)
元ヴィランのベビーシッター。
- マイケル・マーチャンド(Michael Marchand)
2020年に登場した実弟。ジェシカの姪にあたるレベッカという娘がいる。
別アース
- 【アース1610】『マーベル・アルティメット』
ドクター・オクトパスがピーター・パーカーの遺伝子から作成した5人のクローンの1体。
ピーターの助けを得てオクトパスの下を脱出し、「ブラック・ウィドウ」としてアルティメッツに参加。後にマイルス・モラレスのスパイダーマン継承を助けている。
- 【アース65】
スパイダーグウェンの世界では「ジェシー・ドリュー(Jesse Drew)」という男性として登場。
両親の後を継いでS.H.I.E.L.D.局員となるも、クモ型宇宙生物に噛まれたことで超人化。科学者のシンディ・ムーンに救われるが、生殺与奪の権を握られてしまい、シンディが設立した諜報組織「S.I.L.K.」の工作員「エージェント77」として生きることを強いられる。
その後、グウェンからの情報でシンディに騙されていたことを知り、妻子とともにS.I.L.K.を脱走する。
他メディア
単独アニメ
MARVEL初の「スーパーヒロインが主演したアニメシリーズ作品」として、本国アメリカで1979~80年にABCで放送。
日本では2005年にCSチャンネルで放映されたことがあるが、ディズニープラスでは配信されていない。
設定はコミックと大きく異なっており、
- オリジン:毒グモに噛まれた幼いジェシカを救うために、父親のアレックス・ドリュー博士(Dr. Alex Drew)に実験用のクモ血清を投与された
- 能力:いわゆる千里眼の遠視能力として表現されるスパイダーセンス、原理不明のコスチュームチェンジやウェブライン発射、当時のコミックより自由度の高い飛翔(後に逆輸入される形でコミック版も進化した)、クモとコミュニケーションをとることができるテレパシーなど
- 表の職業:雑誌「ジャスティス・マガジン(Justice Magazine)」の編集者
オリジナルキャラとして写真家のジェフ・ハント(Jeff Hunt)と、甥のビリー・ドリュー(Billy Drew)がレギュラー登場する。
また第1,7話で本家スパイダーマンであるピーター・パーカーがゲスト出演しており、その声優や作風は1967年版と同じだったりする(世界観が繋がっているわけではない)。
エピソードリスト
No. | 原題 | ||
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1 | Pyramids of Terror | 9 | Shuttle to Disaster |
2 | Realm of Darkness | 10 | Dracula's Revenge |
3 | The Amazon Adventure | 11 | The Spider-Woman and the Fly |
4 | The Ghost Vikings | 12 | Invasion of the Black Hole |
5 | The Kingpin Strikes Again | 13 | The Great Magini |
6 | The Lost Continent | 14 | A Crime in Time |
7 | The Kongo Spider | 15 | Return of the Spider-Queen |
8 | Games of Doom | 16 | The Deadly Dream |
オープニングシークエンス
『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズ
原語版:イッサ・レイ / 日本語版:田村睦心
2023年6月公開の第2作『アクロス・ザ・スパイダーバース』から登場。
人種は変更されており(コミックでも、例えば【アース1815】はアフリカ系)、2000年代のコミックと同じく妊娠中でありながらバイクを乗り回す。
pixivではこのバージョンも増えている。