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エターナルズ

えたーなるず

MARVELのアメリカンコミックに登場する超人たちの種族。ここでは同名の映画についても述べる。
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概要編集

100万年前から地球を見守ってきた超人種族たち。

宇宙の原始的存在であるセレスティアルズが、類人猿を使った遺伝子実験の結果、誕生した。

生来から人間離れした能力と、不老不死の肉体を備える。

一方で生殖能力が低く、個体数はほとんど増えていない。


かつてクロノス派とウラノス派に分かれて戦争し、敗北したウラノス派は地球を離脱。

ウラノス派の一部は再び地球に戻ろうとするが、クリー人の襲撃に遭い、一部はタイタンに落ちてそこに定住(その末裔の一人がサノス)。

一部はクリー人につかまって研究され、まわりまわってインヒューマンズ誕生のきっかけとなった。


さらに、地球で生まれたエターナルズは、生まれた時代によって5世代に分かれる。

  • 第一世代:ティタノスが陥落する前に生まれた人々
    • クロノス、マスターエロ、ウラノス
  • 第二世代:大勢が消えたクロノスの実験を生き延びた人々
    • ギルガメッシュ(フォーガットゥン・ワン)、ヴァルキン、ヴィラコ、ズラス
  • 第三世代:クロノスの実験後かつセカンドホストよりも前に生まれた人々
    • エイジャック、アレックス、イカリス、ファストス、サノス、セナ
  • 第四世代:2万年前のセカンドホストの後に生まれた人々
    • マッカリ、セルシ、キンゴ・スネン
  • 第五世代:3000年前にサードホストが来た後に生まれた人々
    • スプライト

マイティ・ソー』のキャラクターがMARVEL世界の地球に伝わる北欧神話のモデルになったように、エターナルズのメンバーの何人かはギリシャ神話や古代文明の人物としてMARVEL世界に伝わっている者たちのモデル、あるいはその人自身である。

ただし、コミック版の主な舞台となる世界「アース616」にはエターナルズ達とは別に世界各国の神話の神々も実在しており、例えば、エターナルズの1人であるセナはギリシャ神話のアテナと混同されているが、同時にセナとは別に同じ世界にアテナ神も存在している上に、エターナルズ第一世代の多くはギリシャ神話ティーターンと同じ存在という設定なので(つまりMARVELコミックではギリシャ神話の神々とエターナルズは親類)、エターナルズとギリシャ神話の神々の関係が更に判りにくくなっているというややこしい事になっている。


メンバー編集

  • セナ
  • イカリス
  • セルシ
  • マカリー
  • ファストス
  • キンゴ
  • エイジャック
  • スプライト
  • ギルガメッシュ / ザ・フォーガットゥン・ワン
  • ドルイグ
  • メンター / アラース:土星の衛星タイタンの復興の立役者。サノスエロスの父。
  • クロノス:ズラス、アラースの父。
  • ズラス:セナの父。アラースの兄弟。
  • ウラノス:クロノスの兄弟。クロノスとの戦いに敗れてタイタンに移住。
  • アロク
  • ワン
  • シベール
  • コリフォス
  • インタールパー
  • ヴァルキン
  • アギナー
  • ザリン
  • デルファ
  • ブラザーズ
  • シグマー
  • ヴィラコ
  • ヴァンピロ
  • ハイペリオン:滅びた別宇宙出身のエターナルズで、DCコミックジャスティスリーグをパロったヒーローチーム「スクワードロン・スプリーム」のリーダー。

映画編集

実写化シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の26作目、フェイズ4の中では3作目に当たる。

2021年11月5日に日米同時公開。


原作メンバーから10人が登場。

もはや国際的コンテンツとなったMCUを象徴するように、キャスティングも複数の人種が起用され、中には性別や性的嗜好、身体障害の有無が原作から変更されたキャラクターもいる。

また、

  • 初めて(短時間ながらも)SEXシーンが描かれる。
  • 野外のシーンは基本的に照明を使わずに自然光で撮影。
  • 主要登場人物の中に性的少数者である事が明確に示されている者が居る。
  • アメリカ資本の作品でありながら、アメリカが行なったある戦争行為が明確に「悪」として描かれている。
  • 俳優にコミックのキャラを演じさせるのではなく、逆に、演じる俳優にキャラを合わせるというアプローチを行なう。

など、既存のシリーズ作品と比べて独自色の強い描写・演出が多い。


監督は『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ。

※正確には同作の撮影・制作の最中にこちらの監督を務める事が発表された。その時点で彼女は長編映画は2本しか撮っていなかったが、実力は有るが経験の浅い監督の青田買いはMCUでは良く有る事である。しかも、その2作は、役者や照明係を雇う予算すらなく、ほぼ全篇自然光撮影、撮影現場の近隣に住んでいる一般人を役者の代りに使ったり、映画の元になった事件の当事者に本人役を演じてもらう、という自主制作に近いもの

また彼女は中国出身だが、過去に中国政府を批判する発言をした為に本作は同国内で劇場公開されていない。逆にこうなることを見越して、中国の映画検閲ではNGとなるシーンを多く盛り込めたとも言える。


早い話が、事実上の新人監督が、とんでもない予算の映画を任された挙句、「シン・仮面ライダー」における庵野秀明監督並かそれさえ超えた無茶苦茶を色々とやったも同然と思って概ね間違いない。


ストーリー編集

7000年前、知的生命体=人類を異形の怪物ディヴィアンツから守るため、セレスティアルズから地球に派遣された10人の戦士エターナルズは、人類を陰から日向から見守り、時に技術を伝え、その発展に寄与してきた。しかし、いつしか欲望に従って争うようになった人類に対する考えの違いから、エターナルズは解散した。


現代。ロンドンで講師をしながら、普通の人間のデインと交際しているエターナルズの一員・セルシは、同じくエターナルズであるスプライトとともに、500年前に絶滅したはずのディヴィアンツに襲撃される。駆け付けたイカリスのおかげでディヴィアンツを撃退するが、人類の危機を感じたセルシたちは再び仲間を結集させることにする。


かくして、7000年に及ぶディヴィアンツとの戦い、そして彼らエターナルズ自身の真実に迫る戦いが幕を開けた。


キャラクター編集





ネタバレ編集

設定上は、地球の類人猿から改造されたものではなく、セレスティアルズがゼロから作り上げた人造生命体となっている。

その目的は、セレスティアルズの種の苗床になっている惑星にて知的生命体の進化の補佐をし、その精神エネルギーを一定以上に育て上げ、セレスティアルズを成長「出現」させること。

しかしエターナルズのほとんどはその事実を知らず、「他の惑星から、セレスティアルズによってエターナルズの一員に選ばれた」という偽の記憶を植え付けられている。

そして新たなセレスティアルズが目覚めると記憶を消され、また別の星で同じ任務につくということを繰り返している。

それぞれの星での記憶はセレスティアルズが保管しているが、中には記憶が消されずに残留してしまい、過去の記憶と現在の精神が混濁して暴走するマード・ウィリーという病気にかかってしまう者もいる(劇中ではセナがそれに該当)。

なお、この設定から判る通り、1人1人がMCU世界のパワーバランスを崩しかねないチートキャラであるエターナルズ達が実は大量生産品だった、というとんでもない事態になっている。


また、ミッドクレジットシーンでは、MCUシリーズに登場したある悪役がエターナルズの一員であったか、少なくともエターナルズの存在と真の役目を知っていた可能性が示唆され、その結果、当該人物が行なったある「悪事」についての解釈が大きく変わりかねないものになっている。


さらに、ポストクレジットシーンでは、今後登場することになる別のスーパーヒーローが声のみではあるが登場する。


その他、小ネタ編集

  • コミック版では、アベンジャーズも交えXメン達と三つ巴の対戦もしてくれた。『AXE- JUDGEMENT DAYS-』イベント
  • MCU版とコミックでは性別が変っているキャラクターも居るが、コミックでは「エターナルズは死んでも、ある条件で復活するが、その際に稀に性別や外見が変る」という設定が有る。コミックにおいて、マッカリ・エイジャック・スプライトはこの設定により性別が変った事が有る。つまり「コミックと映画で性別が変ったキャラは1人残らず、コミックでも性別が変った事が有った」「この3人の性別に関しては『原作と性別が変った』『原作準拠』のどちらも間違いではない」というややこしい事態になっている。
  • 「エターナルズ」以前は社会派の芸術映画を撮っていたクロエ・ジャオ監督だが、子供の頃の夢は漫画家、日本の漫画とアメコミの大ファン、MCUファンに「エターナルズ」の二次創作を作る事を呼び掛けるなど、完全にガチのオタクである。
  • ファストスの同性パートナーを演じた俳優はレバノン出身だが、レバノンでは本作中の同性愛描写は全てカットされている。
  • 劇中でスーパーマンバットマン執事であるアルフレッドについての言及が有り、MCU世界にはDCコミックが存在している事が判明した。
  • コミック版では、エターナルズの一員であるセナと、ディヴィアンツの1人であるクロが種族を超えた恋人同士だったのだが、それを念頭に置いて本篇を観ると……?
  • 日本ではポリティカル・コレクトネスに批判的な人達により、いわば「ポリコレに配慮し過ぎている」事を批判される事が多い作品だが、実際は、アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では評価では「批評家の評価は低いが、一般客の評価は高い」という結果(いわば「ポリコレ準拠の作品の評価は甘くなる」という一般的なイメージが有る人達は低評価だが、そうでないイメージが有る人は高評価)になっている上に、前述の通り「中国での公開を諦めている」≒「中国の映画検閲の基準に一切忖度せずに作り手が好きに作った」結果として「ポリコレに配慮し過ぎている」ように見える内容となったに過ぎない。
    • 中国の映画検閲の基準は、かなり頻繁に変更されているらしい上に基準そのものが非公開だが、例えばLGBTQを肯定的に描いたり「肯定的に描かれているキャラが、伝統的・固定観念的な『男らしさ』『女らしさ』から逸脱している」ような作品は検閲が通りにくい傾向に有る。いわば、創作表現におけるポリティカル・コレクトネスと中国の映画検閲は非常に相性が悪く、本作に限らず「中国での公開を諦めて作り手が好きに作った作品が結果的にポリティカル・コレクトネスに批判的な人達からすると『過剰なポリコレ配慮』に見える」ような場合は少なくない。

予告編編集


関連タグ編集

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