曖昧さ回避
もしかして…
特撮番組『重甲ビーファイター』の主人公、甲斐拓也が変身するキャラクター⇒ブルービート
概要
ブルービートルとはアメコミのキャラクターである。
それぞれの初出は、
初代は「フォックスコミック」(メイン画面左奥)
二代目は「チャールトンコミック」(メイン画面左下)
三代目は「DCコミック」(メイン画面右)からである。
初代を発刊した「フォックスコミック」は、DCコミックに在籍していたビクター・フォックスが立ち上げた会社である。フォックスは元々DCコミック社の会計であり、スーパーマンを掲載した「アクション・コミックス」の創刊当時(1938年)、その売り上げを数字で確認できる立場にあった。加えて、時はスーパーヒーローコミックの黄金時代、後に『ゴールデンエイジ』と呼ばれるほどの人気を集めていた。
そのため、この成功に続こうと、フォックスは自身も同様のヒーローコミックを売り出す会社を作ろうと思い立った。彼は1939年に退社し、DCコミック社のあるビル内にオフィスを構えた。
しかし、「ワンダーマン」「ザ・モス」といったDCコミックのヒーローの模倣と思しき作品を出していた事から、訴えられていた(平たく言えば、スーパーマンやバットマンに似た作品を出して、人気に便乗しようとしていた)。
二度も訴えられ※、模倣するならDC以外の作品にしようと考えたフォックスは、当時の人気ラジオ番組「グリーンホーネット」に似た作品を送り出した。それが「ブルービートル」である。
後に予想以上の人気を得て、ラジオドラマ化もされる。
※下記補足も参照。
フォックスは1950年代まで、既視感のあるヒーローコミックを出し続けていた。
が、1950年頃から、ヒーローコミックは売り上げが明らかに落ち込んでいた。そのため、フォックスは1953年頃に自身の会社を畳み、その際に「ブルービートル」などの自社コミックの権利を売却している。
その売却先が、「チャールトン・コミック」。
同社は中堅どころの出版社で、当時にコミック部門の拡大を考えていた。
同時期に、「キャプテン・マーベル(後のシャザム」を出していたフォーセット社のコミック部門が閉鎖された際、キャプテン・マーベルはDCへ売却されたが、それ以外のフォーセット社の作品は、チャールトン・コミックが買い取っていた。
そしてチャールトンは、フォックス社よりブルービートルの権利も買収している。
後に、1950年代後半から60年代初頭にかけて、世間ではスーパーヒーローものコミックが復権。それにともない、チャールトンコミックもスーパーヒーローものコミックを発刊。その契機は、64年に新設定でリバイバルされた「ブルービートル」である。フォックス版が初代としたら、チャールトン版が二代目と言える。
そして、チャールトン・コミック社もまた、1980年代になって、コミックから撤退。その際に「ブルービートル」の権利は、初代・二代目ともにDCコミックに移っている。
現在、DCでは三代目ブルービートルが登場し活躍しているが、初代・二代目ともにDCコミック内のユニバースに、設定上は存在している・いたことになっている。
各ブルービートル
初代「ダニエル・”ダン”・ギャレット」
普段の姿は新米警官で、有事の際に変身する。死別した父親も警官。
防弾仕様のチェーンメイルに、絹を被せたスーツを着ている。
なお、当初は常人のまま、コスチュームを着用していただけだったが、のちにビタミン2-Xを服用する事で、短時間だが筋力および耐久力を増加させるようになった。
地元の薬剤師にして、発明家のフランツ博士により、ビタミン2-Xおよび使用する各種ガジェットを開発してもらっている。
当時の人気ラジオ番組「グリーンホーネット」の人気にあやかり創造された。そのため、同作と似たような点が見られる。
後に、チャールトンコミックに版権が移った際、
:職業が警官から考古学者に。
:パワーの源が、魔法のスカラベに変更。スカラベの魔法により、変身能力や超能力(超人的な怪力、飛行能力、エネルギーブラストなど)を得る。
と、設定変更された。
また、名前のギャレット(Garrett)も、フォックス版よりtが一つ増えている。
一部のコミックは、著作権が切れており、パブリックドメインのコミックを収集する各種サイトなどで閲覧が可能。
こちらで、ブルービートルのパブリックドメインとなった号を読める。
https://comicbookplus.com/?cid=1177
二代目「セオドア・スティーブン・コード」
別名テッド・コード。
初代ブルービートルこと、ダンの教え子。
自分の叔父の島へダンと共に行った際、叔父が世界征服を企んでいた事が判明。ダンはブルービートルとなって戦うが力及ばず死んでしまう
テッドはダンの遺志を継ごうとしたものの、スカラベには選ばれなかった。
スカラベの代わりに、自身の頭脳を生かした発明品によって、先代ブルービートルの遺志を継ぐ事を誓い、活動を始める。
そのため能力は、フォックス版のように自前のスーツ、および各種ガジェットの操作であり、格闘能力などは常人同様(アスリートレベルだが)である。
チャールトンからDCコミックに移籍した際には、ブースターゴールドと親友になり、ジャスティスリーグに参加したりする。
また、自身の会社「コード・インダストリーズ」の社長と設定変更(ちなみに同社はブルース・ウェインの会社の子会社である)。
しかし会社を乗っ取られ、バッツに相談するも門前払い。独自に調査するものの、インフィニットクライシスの前日談にて、マックスウェル・ロードの凶弾に倒れてしまった。
後に、ブースターゴールドにより歴史改変が行われ、現代によみがえる。が、歴史の改変で悪影響が発生している事から、自ら死を選び、歴史を元に戻す。
しかし、色々あって後に復活する。
三代目「ハイメ・レイエス」
魔法のスカラベを拾った事から、スカラベに選ばれ、ヒーローとなった。
テキサス在住のスペイン系アメリカ人(ヒスパニック)であり、親類も多い。
友人恋人はおろか、親戚のおばあちゃんにまで正体がバレている。
詳細は当該記事を参照。
裁判に関する補足
フォックスは「フォックス・コミックス」社を1939年に立ち上げたが、あくまでも「売れて金になる」事が重要で、作品そのものやその内容に対しては無頓着だった。
「ワンダーマン」を発刊した際。コミック作家のウィル・アイズナーとジェリー・イジャーに執筆を依頼。その打ち合わせの際に、フォックスは開口一番「欲しいのはスーパーマンなんだ」と力説しワンダーマンを製作させた。そして、スーパーマン人気にあやかろうと、あえてスーパーマンに似せていた。
アイズナーはあまりに似ている事から、それを指摘し異を唱えるも、フォックスはそのまま、掲載誌「ワンダーコミック」を発刊。結果、DCコミックに知られ、訴えられる事になる。
提訴され、フォックスはワンダーマンを次号の「ワンダーコミック」に掲載させず、別作品を掲載する(そのワンダーコミックも、二号で廃刊する)。
裁判はフォックス側が敗訴。この裁判中、アイズナーとイジャーは「(フォックスから)あえてスーパーマンを模倣するように言われた」と証言したため、原稿料を踏み倒される。
しかしフォックスは1940年、「ミステリーメン・コミックス」で、バットマンを模した「ザ・モス」を発刊。ふたたびDCから訴えられ、敗訴。
これらからフォックスはDCコミックの作品・キャラを模倣する事を止め、それ以外から模倣するようになる。
そうしてできた一作が、「グリーンホーネット」を模倣した「ブルービートル」であった。
フォックスは「ブルービートル」以外にも40タイトル以上のコミックを出していたが、それらは模倣とは言わずとも、既視感も少なくなかった。
そして1950年代にコミックの売り上げが落ち込むと、チャールトンコミック社に作品の権利を売却し、50年代半ばに会社を畳んだ。
DC Extended Universe
ハイメ・レイエスを主人公とする映画。
ダン・ギャレット、テッド・コードの存在も言及されている。
劇場公開なしでDVDの発売を迎えた。
DC Universe
『Blue Beetle(仮題)』
アニメ作品の制作が予定されている。
関連タグ
ウォッチメン:作中に登場するヒーローの一人ナイトオウルは、初代と2代目のブルービートルがモデル
スパイダーマン:DCコミックのライバル・MARVELコミックを代表する虫モチーフのヒーロー。
(厳密に言えばスパイダー=蜘蛛は昆虫ではないが……)
ビートル(MARVEL):同じく、MARVELコミックのキャラクター。甲虫型アーマーを装着する点が似ているが、こちらはヴィラン。結構古参のキャラクターで、主にスパイダーマンなどと戦った。複数の人物がこの名前を踏襲しており、アーマーも複数が存在する。