「全員クソ!!」
はじめに
「Lobo(ロボ)」は、スペイン語で「狼」を意味する単語である。
本項では、同名のDCコミックのキャラクターについて解説する。
概要
初出は、1983年「OMEGA MEN」#3。
同作は元々、「グリーンランタン」と「ティーンタイタンズ」のスピンオフで、そのレギュラーキャラとして創造された。
人気を博し、後に90年代に単独タイトル化し、その際にオリジンが描かれる。
元々は、DC版ウルヴァリンとして作り出された。そのため、粗野かつ乱暴で凶暴、喧嘩っ早く、誰に対しても無礼かつ挑発的に振る舞うようなキャラ付けをされている。
また、殺人や殺戮、破壊や暴力を好むため、デッドプールにも似ている(ただしロボは、第四の壁は破壊しない)。サイモン・ビズレーが作画に携わったことでより知名度が上がり人気作となった。
人物
宇宙で最も残忍かつ凶暴、そして有能な賞金稼ぎ。
理想郷ともいえる惑星ツァルニア生まれ。しかし「破壊と暴力のある世界こそが完璧」と考えていたロボは、自ら自分の生まれ故郷を滅ぼした。以後は宇宙を股にかける賞金稼ぎ(バウンティハンター)として生計を立てるように。
その名前は、「内臓を貪る事を徹底的に楽しむ者」という意味がある。
好むものは、殺人、暴力、喧嘩。
ロケットで稼働する宇宙バイク「スペースホッグ」にまたがり、宇宙空間を走り回りつつ、今日も破壊と暴力と殺人を求めて宇宙中を荒らしまわっている。
利己的かつ、金と自らの欲求を第一に考える性格。自らを「メインマン」と称する。
同じユニバース内のスーパーマンにも匹敵するパワー及び耐久力、そして超回復力を持つ(血液からも再生したことがあるらしい)。
そのため、相手を殺害するのに武器は必要ない。しかし本人は、武器を用いての殺害も好んでおり、要は「殺せればなんでもOK」らしい。
多数の火器・銃器を備えているが、フック付きのチタニウムチェーン「ガッティングフック」を常に右腕に巻き付けており、これを相手に打ち付ける事も多い。また、絞首刑と称して、このチェーンを相手に巻き付け絞め殺したり、引き寄せたりもする。
また、それらの武器の扱いのみならず、各種戦闘技術にも精通している。
毒物に関しても詳しく、自身で複雑な毒を調合するのみならず、それに対する解毒剤も調合できる。
愛用の宇宙バイクは「スペースホッグ」。自身でデザインし製作した。なぜかこれに乗っているだけで、むき出しのはずなのに宇宙空間からの干渉を受けずに済む。
残忍かつ好戦的、粗野で野蛮かつ下品だが、どこか人間臭く憎めない一面も有する。
そして、「契約・約束は必ず守る」という、個人的な規範を有する。その言葉の解釈が相手と異なる事があっても、この事は自分自身の名誉として守るようにしている。
かのスーパーマンも、「メインマン(ロボ)の言葉は、彼の絆である」とまで言っている。
ガイ・ガードナーなど、友人もそれなりに居る。その性質から、ヴィランにもなるが、状況次第では(悪漢の賞金首を狙う時など)ヒーローとして立ち振る舞う事も。目的が同じなら、ヒーローはもちろん、ヴィランとも共闘する。
※この場合の共闘は、「うまいこと立ちまわる」という意味であり、完全に味方するわけではない事に注意。
ちなみにスーパーマンおよびデスストロークは、よくロボの殺害目標になっている。
外観
逞しい体格で、白い肌を有するヒューマノイドである。その顔には瞳の無い赤い目と、目の周りに黒い縁取りを持つ(「KISS」のデーモンにも少し似ている)。
当初はややスリムで、整った髪を有していた。が、後にプロレスラーを思わせる筋肉質の体型・体格になり、髪形もタテガミに(後にドレッドヘアやパンクロッカーめいたものに。最近ではポンパドゥールっぽい髪にもなったらしい)。
服装も、黒革のバイカーが着ているようなライダースーツにジャケットといったいでたちになっている。
また、葉巻をよく咥えている。
その他
:良く行くのが、スペースシティ・ロビンソンに存在する「アルズ・ダイナー」。このレストランは幸か不幸かロボのお気に入りで、ここに努めるウェイトレス・ダーリーンも、同様にロボのお気に入りである。
:意外な事に、「宇宙イルカ」を保護するという一面を持ち、自宅から餌を与えていたりもする。この宇宙イルカは後に殺害される事もあったが、当然その殺害犯に対しては、血をもって粛清した。後に地球に来て、日本のイルカ漁の猟師に対しても同じような目に遭わせているらしい。その際にはアクアマンとも戦ったが、アクアマンガイルカに育てられたと聞くと、即座に戦いを止めている。
:マーベルとの大規模クロスオーバー「DCvsマーベル」では、当然ながらウルヴァリンと対決。宇宙のどこかの場末の酒場にて、ウルヴァリンに喧嘩を売った。
ウルヴァリンにチェーン付ガッティングフックを撃ち込みはしたが、ヒーリングファクターで回復され、互いに殴り合いに。結果、ウルヴァリンがこの戦いを制して、ロボの吸っていた葉巻で一服した。
この後に、サノスとダークサイドが戦っている最中に、サノスに対して喧嘩を売り殴り込む。当然、サノスからの一撃を食らい吹っ飛ばされる。その後にウルヴァリンもかけつけ、互いに罵り合い、サノスから「こちらを無視して罵り合うのは許さん」などと言わせた。
:その後の「アマルガムコミック」では、マーベル側からは「ハワード・ザ・ダック」と合体。「ロボ・ザ・ダック」となる。その内容も、のっけから「一仕事終えてマンハッタンに帰還したら、アマルガムのヒーローたちが全滅していた」というぶっ飛んだもの。ちなみにロボ・ザ・ダックの姿は、「ロボの姿になったハワード・ザ・ダック」といったもの(ただし、なぜか右腕だけが本家ロボ同様に太くたくましい筋肉質になっている)。
:幼児化。2000年代初頭、魔法少年クラリオンの魔法で少年にされてしまい三代目ロビンのチーム「ヤングジャスティス」にしばらく参加
:未来のロボ。原題「LOBO #1'000'000 (DC One Million)」853世紀を舞台にした
DCコミックのクロスオーバー企画の一環。西暦100万年、中年デブになったロボがサーカス小屋で「最後のツッルニア星人」として自ら見世物になっていた?
余談
なお、2011年からのThe New52では、ロボは新たな姿と設定とを与えられる。こちらのバージョンでは、ロボは若々しくスリムな若者といった外観で(白い肌は変わらず)、元は惑星ツァルニアの王族に仕えるボディガードだった。
しかし、地球のラザラス・ピットにも似た、再生能力を与える聖なる液体のプール「生命の血」を王族が使用していたところ、それを汚染されたためにツァルニアの王族及び全市民が凶器に冒され、ロボが惑星そのものを安楽死させた……というオリジンが描かれた。
のちに、2014年からこのバージョンのロボが連載されるが、2015年12月でキャンセル。
2016年の「ジャスティスリーグvsスーサイド・スクワッド」で、以前のキャラに戻り再デビューする。
その際には、マクスウェル・ロードによって解放された悪漢の一人として登場。バットマンは彼の脳内に爆弾を移植し、爆発させる事で殺害。後に再生し復活した後に、バットマンが「マクスウェルロードの支配からロボを解放するため」に、頭を吹っ飛ばした事を知る。
関連イラスト
DC Universe
演:ジェイソン・モモア?
関連項目
ウルヴァリン:上記の通り、元はDCにおける彼のパロディキャラという側面を有していた。DCvsマーベルで争ったのも、それが元ネタ。
デッドプール:同じく、ヒーローにもヴィランにもなり、破壊と殺戮を好むという点が共通。ただしロボは、デッドプールとはキャラや印象が大きく異なっている。
レッドマン:何もしてない怪獣に対し、通り魔のようにいきなり襲い掛かり殺害……というヒーロー。ロボもまた、何もしてない相手でも勝手に因縁をつけて喧嘩を始める。
どこぞの宇宙の酒場で、
「逃げんなクソったれ!このロボ様をムツユビナマケモノ呼ばわりしやがって、皆殺しだぁ!(と言いつつ大暴れ)」
(「誰も言ってねぇよ」と反論した相手に対し)
「んだとぉ?いつか言うだろが!じゃ、死のうか」