直訳すると「沼のなにか」。pixivではDCコミックの超人を指す場合がほとんどである。
概要
スワンプシングの初登場は1971年7月 "House of Secrets #92 - Swamp Thing" の、読み切りのストーリーである。
初代の主人公は、科学者アレックス・オルセンで、オリジンは「研究室ごと爆弾で吹き飛ばされ、沼に落ちたアレックス・オルセンは、化学薬品と爆発の衝撃によって沼の中でスワンプシングに変異する」というもの。
1972年11月にスタートした独立シリーズ "Swamp Thing #1 - Dark Genesis" からの主人公は、初代とは別人(二代目)である(下記参照)。
後に1983年、アラン・ムーアを迎え、新タイトル”saga of Swamp Thing”が連載。スワンプシングという物語そのものを徹底して解体し再構成。人気のシリーズとなった。
登場人物
- スワンプシング
本名:アレック・ホランド(Alec Holland)。
植物学者として砂漠を緑化するための成長促進剤を開発していたが、彼の研究を狙う組織によって爆弾を仕掛けられ、全身に火傷を負った状態で大量の薬剤を浴び沼地に転落。植物を操る能力を持つ緑の超人スワンプシングとして生まれ変わる。
当初はアレック本人が薬剤を浴びて、植物に変化、または植物と同化し誕生した存在と思われていた。
しかしそれは誤りで、実際はアレック本人は爆弾が爆発した時点で死亡している。
薬剤を浴びたその死体は、沼地に転落。その直後、沼地の植物は薬剤の影響で急成長。その際にアレックの死体を分解し養分として取り込み、人体を模した姿に成長した。
そして植物は、養分とした死体から、アレックの生前の記憶も同時に取り込んだ。
スワンプシングとは、こうして誕生した存在である。
そのため、身体を構成しているのは100%植物であり、脳や内臓など、肉体の器官は全て機能していない。その身体はあくまでも、植物が、人間の肉体を模倣したものにすぎない。
それゆえに、スワンプシングはアレック本人ではなく、アレックの肉体が植物と同化しているわけでもない。
「植物の体に、死んだアレックの生前の記憶が憑依している」存在である。
※なお、これは、1983年より始まったアラン・ムーアが脚本を担当した新シリーズ以降の設定であり、それ以前はアレック・ホランドが沼地の植物と融合して変異した存在という設定である。
頑強な肉体とそれに伴う怪力の他、植物を操る力を有する。また、アレック・ホランド時の植物学者としての知識も継承している。
- パメラ・リリアン・アイズリー/ポイズン・アイビー
アレックの元同僚。『バットマン』に登場する女性ヴィランで、植物に関連する点が共通している。
詳細は該当記事を参照。
- ジェイソン・ウッドルー博士/フロロニックマン
アレックの恩師。元々は異次元世界フローリアの住人だが地球に追放されていた。
初出時はプラントマスターと名乗っており、身体を縮小するヒーロー『アトム』と戦い敗北。その後、特殊な薬品によって植物人間フロロニックマンに進化した。植物人間であるがゆえ、人前に出る時は特殊クリームを肌に塗って人間に見せかけているが、その身体はスワンプシング同様に植物の特徴を有している。
彼自身も植物学者であり、スワンプシングの体を解剖し、その特徴を調査。スワンプシングの正体が、アレックの変化した姿でなく、自分をアレックと思い込んだ植物だと暴いた。
- エイブリー・カールトン・サンダーランド将軍
元軍人の企業家。サンダーランド・コーポレーションの社長で、植質組織復元剤の秘密を求めてスワンプシングとその関係者を狙う。
- エトリガン・ザ・デーモン
本名ジェイソン・ブラッド。アーサー王の騎士だったが、悪魔エトリガンに憑依され不死となった。内面に棲む悪魔と戦いながら、地上の邪悪な者どもと戦い続けるダークヒーロー。憑依したエトリガンを呼び出す事で変身。エトリガンの力を以て、同類の悪魔や邪悪な魔術師などと戦う。現在はゴッサムシティに在住、バットマンとも交流がある。
- アントン・アーケイン
不死を追い求めるマッド・サイエンティスト。スワンプシングの不死の肉体を狙う宿敵。
- マット・ケーブル
元国防総省情報部の諜報員。アレック・ホランドの親友だった。
- アビゲイル(アビー)・ケーブル
アントン・アーケインの姪で、マットの妻。トランシルバニア生まれで白い髪を持つ美女。
- リンダ・ホランド
アレック・ホランドの妻。コンクラーベによって殺害され、遺体は国防総省情報部によって違法に解剖される。
- ジョン・コンスタンティン
特殊な能力を持ったエクソシスト。
書籍
邦訳された下記の書籍が発売されている。
「スワンプシング」
アラン・ムーア原作、スティーブン・ビセット&ジョン・タトルベン作画、石川裕人翻訳
小学館集英社プロダクション、2010年8月31日発売
映像化
1982年に実写映画化。日本では劇場未公開。映像ソフトは『怪人スワンプシング 影のヒーロー』のタイトルで販売されている。監督はウェス・クレイヴン。
1989年に、続編「The Return of Swamp Thing」が公開。こちらも劇場未公開で、ビデオ発売のみ。邦題は「怪人スワンプシング」。
1990年から1993年に、TVドラマ3シーズン計72話が放映された。
同時期にアニメ版も発表されたが、こちらは評価が芳しくなく、全5話のみとなっている。
アニメ版は他にも、
「ジャスティス・リーグ:ダーク」(2017年)
「バットマン&ハーレイ・クイン」(2017年)
「ジャスティス・リーグ・アクション」 (2016年-2018年)
に、それぞれ登場している。
2019年に新たにドラマ化され、全10話で完結。
DC Universe
「Swamp Thing」
ゲーム化
2014年、「LEGO バットマン3 ザ・ゲーム ゴッサムから宇宙へ」
2017年、「インジャスティス2」
それぞれ、プレイアブルキャラクターとして登場。
余談
ウッドルーは、「食事によって、記憶が継承される」論文から、スワンプシングの正体を推測し看破した。
『捕食者が捕食する事で、被捕食側の持つ記憶を体に取り込む』という学説で、過去に戦闘部族などが敵や自部族の英雄の死体を捕食する理由(いわゆる、食人の習慣)も、「食する事で、相手の人物の力や記憶を継承する意図があったからではないか」と、ウッドルーは仮説を立てている。
NEW52 時期、スワンプシングが自分と同じように植物怪人に
転生した者達と出会う中スワンプシング軍団を結成。
古代恐竜のスワンプシングに日本武将のスワンプシング。
ロシア人、ケニア人、ゴリラ。海中植物の青いスワンプシング
少女、トウモロコシなど
関連イラスト
関連タグ
SWAMPTHING SwampThing Swampthing Swamp_Thing
スワンプマン…思考実験の命題。スワンプシングも設定変更によりスワンプマンに近い存在とされた時期がある。
モンスター(wizardry)…シナリオ#5のB6に出現。催眠効果のブレスを吐き、通常攻撃に毒の追加効果がある。GBC版移植の追加要素としてシナリオ#1にも出現。
マンシング(MARVEL):一言で言えばマーベル版スワンプシング。その外観や特徴、オリジンなどは似通っているが、初登場は2か月差なので、この手のペアにありがちな「一方がもう一方のパクリ」論争は不毛と思われる。
ツチケラ:日本の特撮作品ウルトラマンガイアに登場する怪獣で、スワンプシング同様、人間から怪物へと変貌し、以後沼地で暮らすようになった存在。