症状としての「植物人間」
正式名称は「遷延性意識障害」。
事故や障害により大脳に大きなダメージを受けるなどが原因で重度の昏睡状態に陥り、自発的な移動や摂食、言葉や身振りによる意思表示などの行動が出来ない患者(もしくはその状態)を指す。結果的に、第三者に身の回りの世話(食事や排泄、衛生など)を委ねることになり、それがまるで観葉植物を世話する行為に似ているため、「植物人間」と通称される。
脳死との違い
「植物人間」は、生命維持に必要不可欠な脳幹機能が辛うじて無事であり、自発呼吸や脳波が確認される。また、極稀ではあるが回復する(意識を取り戻す)可能性もあり、そうした事例も過去に存在している。
一方で「脳死」は、脳幹機能が不可逆的に損傷している状態であり、呼吸や心拍、脳波も停止し死に至る。
創作における「植物人間」
主にファンタジー作品などに登場する、人間(動物)と植物それぞれの特性を併せ持った存在が「植物人間」と称される傾向にある。
例を挙げるとすれば、頭髪から木の葉やツタ・花が生えたもの(もしくは頭髪そのものが木花となったもの)であったり、皮膚が樹皮のように硬化していたり、足が植物の根のように地中に張っていたりなど様々である。
未来を題材にしたSF作品などでは、植物が進化して人間に近い姿の知的生命体になった…というパターンも存在する。