概要
敵味方で互いに攻撃しダメージを与え合う通常のRPGにおける戦闘シーンを、性行為のそれと置き換えたツクール製SEX-BATTLE RPG。
すなわち、快感=ダメージであり、互いに快感を与え合って相手を絶頂に導くことが戦闘における基本にして物語の中心となる。普通の武器防具や攻撃魔法等は意味をなさず、魅力的なコーディネイトや習得した性技がそれに取って代わられる。
それだけ聞くと単なるバカゲーのようだが、良く練られた至極シリアスなシナリオ、歯ごたえがあってバランスの良い独自の戦闘システム、古典文学等の高い教養を感じさせるテキスト、ハイクオリティなBGMなど見所が多く、バカバカしいコンセプトを真剣に突き詰めた結果、「エロ抜きでも普通に面白い」名作との評価がなされるに至っている。
夢魔という人外の魔物と戦うという設定上、登場するモンスターは全て麗しい女性の姿をしている。
中には明らかに人間とは異なる外見の者も多く含まれているため、いわゆる「モンスター娘」「魔物娘」関連作品としても名高い。
もっとも人外度はそこまで高くないため、それらの属性がない人間でもさほど気にせず遊べる一方、ディープな魔物娘マニアには物足りないと評されることもある。
2013年ごろからは製作サークルが音信不通状態になってしまったものの、DL販売サイト等で作品の入手は可能である(後述)。
…そして2019年9月、なんと待望の復活宣言が成された!!!!!!!現在は完全新作の開発と、中断していた新作の再開発宣言がされている。
完全新作『サキュバスアカデミア』は2021年1月29日(金)発売予定。
既作
現在までにゲーム三作品、同人誌一作、同人音楽CD一枚がリリースされている。
Succubus Quest
サークルの処女作。通称「長編」。
魔王を倒したことが原因で夢魔が開放され、少しずつ混沌に陥りつつある世界を舞台に、魔王を倒した勇者ラルスが夢魔にさらわれた恋人を取り返すための戦いを繰り広げる。通常のRPGと同様に、世界を旅しながら町で装備を整え、様々なダンジョンを攻略する一本道シナリオの王道長編RPG。
Succubus Quest短編 老司書の短い夢
第二作。通称「短編」。
夢魔によって夢の世界に引きずり込まれた老司書アイゼクトが、少年時代の体を取り戻して様々な本の中の世界を渡り歩きながら、己の遠い過去の夢に潜ってゆく。本棚のある読書室を拠点として、本棚にセットした本によって構造や出現モンスターが変化する自動生成ダンジョンを作り出し攻略するローグライク系RPG。
公開当初は無料配布していたが、現在は以下の拡張パッケージとセットで有料販売を行っている。
Succubus Quest短編 老史書の短い夢 白の史書と色づく魔物
短編「老司書の短い夢」の拡張パッケージ。通称「白の史書」。
アイゼクトの本棚にいつの間にか紛れ込んでいた白紙の本、それは夢魔ステラの気まぐれによって全ての歴史を抹消されたある島の物語だった……。挑むごとに最低レベル・持ち物なしの状態からスタートする特殊なダンジョンや専用モンスター等が短編に追加される。
夢の魔物とお伽の騎士団
「白の史書」の次に開発されていた作品。通称「ゆめおと」。
ジャンルはターン制のシミュレーションRPG。スタッフブログにて開発状況が告知され、体験版がリリースされたものの、未だ完成版は発表されていない。
Femme Fatale -原色魔女図鑑-
短編を中心にした夢魔イラストの原画や新規書下ろしイラストなどをまとめたフルカラー同人誌。32p。
Succubus Quest短編 ORIGINAL SOUNDTRACK
短編で使用されたBGMの一部やアレンジ版が収録された同人音楽CD。サウンドトラックと題されているが、使用された全ての楽曲が収録されているわけではない。
ストーリー
長編(Succubus Quest)
主人公である勇者ラルスは、仲間の戦士エルヴィン、魔術士オリビアと共に
世界を恐怖に陥れていた魔王ギルデンスターンを倒した。
しかしそれは、『夢魔』と呼ばれる新たな脅威の始まりに過ぎなかったのだ。
彼女らを抑え付けていた魔王の力が失われ、『夜の国』から現れる夢魔たち。
夢魔には、剣も炎も一切が通じず、ただ愛を求めてくる。
彼女らと交わった男性は廃人となるか、夢魔の虜となり普通の女性とは交われなくなる。
また女性が夢魔と交わると、彼女らも夢魔となる。
ラルスの仲間であり、恋人でもあるオリビアは夢魔エストの毒牙にかかり、
その身を夢魔へと堕としてしまう。
かくして、勇者ラルスの恋人を取り戻すための冒険が始まる…
短編(老司書の短い夢)
王立図書館司書長アイゼクトはまどろみの中、昔日の甘いひとときを過ごしていた。
サフィと呼ばれた少女との睦み合い。そんな彼の夢は、秘書メルヤの声によって覚まされる。
「アイゼクト様が夢なんて、なんかびっくりです。どんな夢を見てたんですか?」
「色のある夢じゃ。女と交わっておった」
その言葉に赤くなるメルヤに、ふん、と苛立ちを見せるアイゼクト。
そうして、夢魔についての本---夢魔史を投げ捨てるように押しやる。
「こんなものの研究をさせられとるからじゃ!」
「あ、あ、ダメですよぉ。夢魔の資料は貴重なんですから」
賢王マグナスにより夢魔について調べさせられていた彼は、あっさりと言い放つ。
「存在しない魔物の資料など、何が貴重なものか」
夢魔は存在しない、と断言するアイゼクト。
しかし、そこへ現れたのは…
「でも残念ね。現に居るのよ、おじいちゃん」
彼の夢は、夢魔エストによって更なる深みへと進んでいく。
その果てにあるのは、幸福か?はたまた悪夢か?
登場人物
ラルス・オヴェルーク
長編主人公。魔王ギルデンスターンを打倒した勇者であり、剣技を極めた達人。
魔王の軍勢によって両親と故郷を失ったため、魔王を強く憎んでいる。
ドラクエの主人公のように、ゲーム上では自分からは喋らない。
オリビア・ヴァルカーレ
長編ヒロイン。勇者ラルスの仲間として共に魔王を倒した魔術師。
元々はただの村娘だったが、ラルスと同じく故郷を失い、修行で強力な魔術を身に付けた。
魔王打倒直後に夢魔と遭遇し、夢魔の集団に取り込まれてしまう。
エルヴィン・レイグラフ
ラルスの仲間の槍使いの戦士。ラルスやオリビアの幼馴染であり、共に魔王を倒したパーティの一員。
活発で気さくな青年だが、気性が激しく感情任せに突っ走ってしまう面もある。
長編ヒロイン。勇者に倒された魔王のかけらのひとつが意思を持ち、使い魔となった存在。
ラルスに宿り、遺された魔王の力で夢魔の影響から守りつつ、魔法等で戦闘のサポートを行う。
明るく気が強い性格。外見年齢はまだ未熟な少女だが、見た目通りにお子様扱いされると怒る。
アイゼクト・ヴィルノイズ
短編主人公。グルッペン王立図書館の司書を勤める堅物の老人。独り身。
夢魔を架空の存在として馬鹿にしていたが、夢の中に引き込まれ、本の世界を旅することになる。
若い頃はかなりの美少年だったらしく、ゲーム中では当時の身体で活動する。
サフィ
アイゼクトの記憶の中にたたずむ少女。
どうやらアイゼクトの夢の世界の根幹に深く関わっているらしいが……。
メルヤ・マイエル
王立図書館でアイゼクトの補佐を務める眼鏡っ娘。
本の整理から簡単な魔法までこなすが、少し抜けたところがある。実はかなりの夢想家。
夢魔。種族はサキュバス達の上位存在であるエルダーサキュバス。数ある夢魔の中でも非常に強い力を持ち、主導的立場を担うこともある存在。
夢魔らしく気まぐれで悪戯好き。淫靡に笑いながら、ラルスやアイゼクトをあの手この手で誘惑する。
ストゥーナ
夢魔。種族はバジリスクで、メローナとコンビを組んで活動している。
特技は見つめた物をカチコチにしてしまう「ペトラアイズ」。
男勝りのドS女で、動けなくなった男を一方的に嬲るのが好き。メローナとは喧嘩ばかりしている。
夢魔。種族はサラマンダーで、ストゥーナとコンビを組んで活動している。特技は対象をふにゃふにゃにしてしまう「メルティキッス」。
ストゥーナとは正反対にゆるい空気を醸し出す女。ストゥーナとは意見が合わないことが多い。
ステラ・モルン
夢魔。エストの妹で、同じくエルダーサキュバス。まだ未成熟な少女の夢魔で、言動も幼く、エストに輪をかけて我儘で気まぐれ。
気に入った相手をぬいぐるみに変えて手元に置いておくのが趣味だが、飽きたら放置している。
戦闘システム
本作では性交を模した非常に独特な戦闘システムが採用されている。
夢魔は一般的な意味でのあらゆる攻撃を無効化してしまうため、夢魔との戦闘は全てセックスバトルで行われる。
夢魔は絶頂に達すると現世から弾かれて、出身世界である「夜の国」に戻されることで消滅する。
一方で夢魔に絶頂させられてしまうと、テンションの大幅ダウン、短編ならばRP(リアリティポイント、正気度)の多大な減少等、立て直しが難しいほどの劣勢に追い込まれてしまう。
もちろん一定の基準を超えて搾り取られすぎてしまうとゲームオーバーである。
パラメータ
夢魔との戦いは普通の意味での戦闘ではないため、HPや攻撃力・防御力等の概念はセックスバトルにおいて何の意味もなさない。
その代わり、EP(0になると絶頂する)、魅力(攻撃力の代わり)、精神力(防御力の代わり)、器用さ(ダメージに補正がかかる)、精力(インサート状態の強さに関係)などの専用のパラメータが用いられている。
通常攻撃
「キッス」「バスト」「ヒップ」「ヴァッジ」の四つの部位への攻撃(愛撫)が存在する。
夢魔のほとんどには弱点部位が設定されているため、的確に弱点を突くとより高い快感を与えることができる。
ただし、よほどの能力差がない限り、バトル開始すぐに強い快感を与えることはできない(後述)。
ちなみに自分に弱点部位を付けることも可能であり、弱点部位で攻撃された時はより高いダメージを受けるのはもちろん、放心状態等のステータス異常が発生したり、夢魔の専用セリフや連続攻撃モーションなどが表示されることもある。
ムード
戦闘には場のパラメータとしてムードがあり、ムードが高くなるほど互いの与える快感が上昇する。
逆に言うとムードを上昇させない限りまともな快感を与えることができない。
また、ムードが最高潮に達した状態で夢魔を倒すと、最後に倒した夢魔から「夢の指輪」や「思い出」という特殊なアイテムが回収できる。
ムードは特定の技やアイテム、行動等で上下させることができる。
テンション
TPという単位で示される行動コスト。使える技の種類や威力に影響する。
長編では技の使用条件であると同時に技の使用で消費するコストでもあり、強力な技は一定以上のテンションでなければ使えないほか、技を使用するとその分テンションダウンしてしまう。戦闘ごとにリセットされ、次の戦闘では最初(基準値100)からの上げ直しとなる。
短編ではコストとして消費することはなくなり、技の使用可能条件としての意味合いのみになった。戦闘終了後も高まったテンションは維持されるが、歩いているうちに徐々に下がってゆく。
テンションはムードに応じてターンごとに上昇してゆくほか、特定のアイテムや魔法によって上下する。
脱衣
自分・夢魔ともに最初は服を着ているが、戦闘の中で脱がせることが可能である。
脱がせるとムードが上昇(与ダメージが上昇)し、互いに全裸状態になるとインサートが可能になる。
臆病な夢魔が相手の場合、無理に脱衣させようとしても失敗してムードが下がることがある。
逆に夢魔が自分を脱がせてくる場合は、ボタン連打で拒否することができる(徐々に拒否しにくくなっていく)。
なお自分・夢魔ともに自ら脱ぐ場合には必ず成功する。ちなみに服を脱いでも装備品の効果は失われない。
インサート
いわゆる挿入状態。互いに脱衣完了し全裸状態になっている場合のみ移行可能。
非常に強力な攻撃技「ピストン」を繰り出せる一方、夢魔から与えられる快感も桁違いに上昇する。最大のピンチであると同時に最大のチャンスでもある(いろんな意味で)。
脱衣同様に失敗することもある。ボス戦では強制脱衣・強制挿入を強いられることも珍しくない。
なお、ピクシー等の身体が小さな一部の夢魔の場合、そのままでは挿入することができないこともある。
装備品
普通の戦闘で用いる武器や防具は全く意味がないものの、装備者の魅力をアップする衣装やアクセサリは夢魔に対しても有効である。
長編では体部分、頭部分、アクセサリ2種の計4種を、短編では異なるアクセサリを2種まで身につけることができる。
長編では装備ごとに上昇するパラメータが決まっているが、特定の組み合わせでコーディネートすることによりボーナス効果を発揮させることもできる。
短編ではパラメータの上昇やアビリティの合成等で装備品を強化することができる。
使い魔・パートナー
セックスバトルで直接戦うのは主人公一人だが、使い魔やパートナーを呼び出して主人公をサポートさせることができる。
長編では「サモン」で使い魔ルヴィッサを召喚し、MPを消費してバフ魔法やデバフ魔法を用いたり、バッドステータスの回復や付与が可能。短編ではストーリーの進行上で仲間になったキャラクターを呼び出すことができる。仲間が使用する魔法や技は「思い出」を使用することで増やすことができる。
なお召喚には相応のデメリットが存在するため、無計画な使用には注意が必要である。
用語等
夢魔
この世界とは別の次元に存在する「夜の国」からやってきた存在。
魅力的な女性の姿をした魔物で、気まぐれに他の世界を訪れては、愛や快楽を振りまいている。
夢魔に襲われた男は廃人状態になり、女は自らも夢魔と化してしまうため、放っておくと緩やかに世界が滅んでしまう。
魔王の存在によって封印されていたが、魔王の消滅と共にゲートを開き、世界中に出現した。
総じて気まぐれで飽きっぽく、深く考えたり、集団行動を取ったりするのは苦手。
夜の国
この世界とは別の次元に存在する夢魔たちの故郷。
あちこちの世界を取り込んでは同化することを繰り返したせいで、建物の中に入ると海が広がり、洞窟を進んでいたらいつの間にか草原にいるなど、脈絡も何もないいびつで不可思議な世界に成り果てている。
魔王
強い憎しみに囚われ、魔物の軍勢を率いて人間勢力と戦っていた存在。
実は夢魔に対するストッパーとしても機能していたことが没後に明らかになる。
消滅後、夢魔に抗する力を宿した5つのかけらに分散、世界中に散らばった。
魔王のかけら
砕け散った魔王が遺したかけら。夢魔を切り裂くことができる剣のかけらグラム、夢魔を虜にして従わせる槍のかけらグングニル、魔力を増幅させる杖のかけらガンバンティン、ある儀式を執り行うことができる杯のかけらガルドル、夢魔にも有効な魔法を使える使い魔のかけらルヴィッサの5つが存在する。
グルッペン王国
賢王マグナスが率いる、勇者ラルスや老司書アイゼクトが所属する大国。
現在は
公式のページは消滅してしまったが、後に有志によってページのバックアップがとられていた事が判明。が、こちらも後に消滅している。
サークル再始動に伴い、正規の公式サイトが復活している。
また、この作品にインスピレーションを受けて製作された『Succubus_Rhapsodia』が存在。こちらはSuccubus Questの一ファンが製作したものではあるが、戦闘システムでキー入力の場面が増えており、なかなか手ごたえのある作りとなっている。
戦闘中に夢魔と契約を結んで、最大3人まで連れまわす事が可能なのも大きな特徴(戦闘に出せるのは一人だけ)。ただしダンジョンを歩いている最中はお腹が空くので、精気を定期的に与えてやる必要があるので注意が必要。
また、戦闘を重ねる事で夢魔がランクアップする事もある。当然ダンジョンで要求される精気の量もソレに比例して増えるので育成は計画的に。
9/9の開発記にて、Succubus Questシリーズの楽曲担当であるCres.氏の開発参入が発表された。
『サキュバスアカデミア』では隠しボス的な客演枠「ノトーリアス」の一体として同作より「フルビュア・シーナ・レスターニ」が参戦する。
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