カノン(魔王学院の不適合者)
かのん
CV:逢坂良太
二千年前の《神話の時代》、人間の代表として魔王アノスと幾度となく戦った伝説の勇者。定められた宿命を断ち切る聖剣・霊神人剣エヴァンスマナの所有者。
根源魔法の技術においてはアノスをも凌ぎ、この世で唯一、七つの根源を持つ存在。根源が一つでも残っていれば滅ぼされた他の根源を蘇生できる。
アノスの世界を壁で隔てる魔法《四界牆壁(ベノ・イエヴン)》の発動に協力し、アノスが転生を果たす際に「二千年後に再会できるなら、その時は友人として再会したい」という誓いを交わした。
二千年前、魔族の脅威に晒された人間達にとって希望とされ、絶大なる信頼を寄せられていた。人々の心を一つにし、希望や願いを魔力に変換する《聖域(アスク)》の魔法を歴代のどの勇者より使いこなしていたとされ《聖域(アスク)》で勝てる者はいなかったという。宿敵として幾度となく戦ったアノスもカノンの人柄を認めている。
また人の心の機微に聡く、大精霊レノとの関わりシンの心境の感じ取っており、レノがシンに恋をしていることにも、彼女よりも気付いた。
・伝説の聖剣
ディルヘイドを統一した魔王アノスが人間の国アゼシオンに進軍し、劣勢を強いられていた頃、カノンはある目的の為に旅をしていた。
霊神人剣エヴァンスマナを手に入れるためである。当時彼は「勇者にしか抜けないと言われる聖剣」を17本抜いていた。だが、そのどれも魔王には太刀打ちできない。
それでも諦めずに旅を続け、ある岩壁にそれを見つけ、引き抜く。
霊神人剣エヴァンスマナを———
抜く時に、声が聞こえた。
———待っていた、勇者よ。さあ、霊神人剣を抜き、奪われし誇りを取り戻せ。
・二千年前の大戦中
当時彼は兄弟子カシムと共にジェルガの元で日々人間を救うための修行に明け暮れていた。
だが、カノンが霊神人剣に選ばれてからは「勇者」の肩書きを手にし、ガイラディーテ魔王討伐軍を率い、戦争を終わらすために各地で魔王軍と戦うようになった。この際、神々と協力した大魔法により、他者の根源を分け与えられ、カノンの根源は7つとなったと考えられる。
カノンが人間の象徴となってから数年後、王都ガイラディーテを侵略した魔王アノス・ヴォルディゴードから「大戦を終わらせないか」と提案を受ける。そこでカノンは師であるジェルガの制止を振り切り、魔王城デルゾゲートへと赴いた。
そこで聞いたのは魔王の提案。
戦いの連鎖は終わることはないということ。
魔王はそんな世界が気に食わないということ。
そして自らが死して魔法を使い、世界を四つに隔てるということ。
それは数億年にも及ぶ憎しみの連鎖の果ての出来事だ。
とても信じられなかった。
だが、その驚きを噛み締めてカノンはその提案を呑み、大魔法を発動するために魔王に聖剣を突き刺した————
「……勇者カノン。改めて礼を言う。もしも、貴様が二千年後に生まれ変わることがあるとすれば――」
「そのときは友人として」
「さらばだ」
・アノス転生後
アノスの転生後、二千年後にアノスを滅ぼさんとし、魔族への復讐を果たさんとするジェルガ達と対立し暗殺された。
人間と魔族の対立を終わらせるため、偽の暴虐の魔王・アヴォス・ディルへヴィアの噂を広め、二千年後に自らが偽の魔王として人間達に討たれることで禍根を断ち切ることを計画。
暴虐の魔王として転生する宿命を断ち切ることでそれらの歴史も書き換えた。
アノスが転生した当初、彼を知る二千年前の魔族達が現れなかったのもカノンが二千年前魔族達に上記の事情と計画を話していたためである。
七魔皇老の記憶を彼らの同意の元で消し、自身の根源と融合させて操ることで偽の魔王の言い伝えを二千年の間に広めて計画の準備を整えていた。残り一つの根源をもつカノン自身は幾度となく転生を繰り返し、二千年後にレイ・グランズドリィとして純血の魔王族として転生を果たすことになる。
レイ・グランズドリィを参照