概要
世界の秩序を司る種族。それぞれ何らかの秩序を司っており、司る秩序に由来する権能を持つ、非常に強大な力を有している存在。普段は神界に籠っている。
神族はそれぞれが司る秩序に従って行動し、秩序を維持するのみならず、それらを乱す存在を排除するように動く。そして、神々は絶大なる力を有するが、秩序に則った行動以外は基本的に取ることができず、感情が希薄であることが多い。
また、秩序を保つ為なら結果的に人々が傷付くことも厭わない。その為、アノスは自身が気に入らぬ秩序を幾度も覆してきた。なので、神々も秩序を乱したアノスを《不適合者》として警戒しており、特に、乱される可能性の高い秩序を司る神族は、アノスのことをよく知っている。
そして、これらの事情から、二千年後の現代でもアノスと度々対立している。
それから、感情が希薄であるためか、〝愛〟は神にとって天敵となる。実際に、感情の番神でさえ愛に干渉することができなかった。
また、創造、破壊といった世界の根幹の秩序。万物の整合、天父といった世界のバランスを保つ秩序。生誕(堕胎)、深化、終焉、転変といった輪廻の根幹を成す秩序を司る樹理四神などは最上位の神族であり、神々の中でも特に絶大な力を持っている他、神域下での秩序の影響が非常に強いため、自らの神域では同格の神族すら圧倒することができる。
そして、番神と呼ばれる各々の秩序を守護する中位の神は複数個体存在し、天父神の権能によって生み出される。
それから、それぞれの秩序はそれ単体で働くように見えるが、複数集まると全体で一つの秩序として働くように見える。
そのため、地底世界を中心に〝世界そのものを司る秩序〟の存在が予想されており、それを《全能なる煌輝》エクエスと呼んでいる。また、〝すべての神は全能なる煌輝エクエスが伸ばす腕〟と信じられている。
一覧(転生世界ミリティア)
上位の神族
創造の秩序を司る、転生世界ミリティアの創世を行った神。銀髪の少女の姿をしており、その髪は足のくるぶしまで長く伸び、その瞳は銀の輝きを秘め、その体には純白の礼装を纏っている。破壊神アベルニユーとは背表背裏(はいひょうはいり)の姉妹神である。
破壊の秩序を司る神で、この世で最も大きな滅びの秩序であり、万物は一切が滅びへ向かうという秩序を有している。金に染まった長い髪の少女の姿をしている。創造神ミリティアとは背表背裏(はいひょうはいり)の姉妹神である。二千年前の神話の時代に魔王アノスによって堕とされ、神体は魔王城デルゾゲードに、破壊の秩序は理滅剣ヴェヌズドノアと化した。そして、破壊の秩序が奪われたため、世界の滅びに歯止めがかかり、死ぬはずの者が死なず、滅びるはずの者が滅びず、世界の理が乱れた。他の神がそれを補ったが、完全には元に戻らなかった。また、《蘇生(インガル)》や《根源再生(アグロネムト)》の魔法が高確率で成立するのも、アベルニユーがデルゾゲードとなったため。
- 生誕神ウェンゼル
生命と誕生の秩序を司る、樹理四神の一柱。長い布を体に緩く巻きつけたような装いをしており、真っ直ぐな長い髪と薄緑の神眼を持つ妙齢の女性の姿をしている。
- 堕胎神アンデルク
堕胎の秩序を司る、樹理四神の一柱。血のように赤い織物を身に纏った女を姿をしており、紐で結った赤黒い髪に、紅を塗ったような唇。それから、ひどく無機質な瞳をしている。
- 深化神ディルフレッド
生命の深化の秩序を司る、樹理四神の一柱。草花で編まれた服と、木の葉のマント、それから木の冠を身につけおり、一見して、森の賢者といった様相の男の姿をしている。
- 終焉神アナヘム
終焉の秩序を司る、樹理四神の一柱。白いマントとターバン、曲刀を身につけた男の姿をしている。
- 転変神ギェテナロス
生命の転変の秩序を司る、樹理四神の一柱。吟遊詩人のような男の姿をしており、羽根付き帽子を被り、長い笛を手にしていて、その表情、佇まいからは、飄々とした軽さが漂っている。
秩序を生む秩序を司る神で、神々の父とも呼ばれる。黄金の髪と、燃えるような赤い魔眼を持っており、その背には魔力の粒子で構成された光の翼がある。その権能にて番神を複数個体生み出すことができる。また、神は永遠ではないため、神族は秩序に従い消え、そして新たに天父神によって生み出される。そのため、一時的にでも天父神が滅べば、その間、世界を維持するための秩序が生まれなくなるため、世界が滅びてしまう。
- 整合神エルロラリエロム
万物の整合を司る神で、また、選定審判も司っている。整合神が滅びると、秩序の整合が取れなくなるため、世界は滅びの一途を辿ることになる。光り輝く厳かな巨大な天秤の姿をしており、その秤は左側には盾の、右には剣の意匠が施されている。また、その周囲に大小様々な天秤が浮かんでいる。
- 痕跡神リーバルシュネッド
世界の記録と記憶を司る神、世界の足跡を刻む秩序。つまりは、万物の過去を司る神である。純白の本を手にし、厳かな服を纏った男の姿をしている。歴代のジオルダル教皇に選定神として受け継がれている。現在は教皇ゴルロアナと盟約を交わしている。
- 未来神ナフタ
あらゆる未来を司る神。青緑のローブを纏った女性の姿をしており、肩まである髪は藍色で、二つの目を閉ざしている。また、両手には透き通るような水晶玉を抱えている。全ての未来を視ることができ、また、それを限局する権能を持つ。そして、歴代のアガハの預言者と共に地底の民を導いてきた。現在は剣帝ディードリッヒと盟約を交わしている。
嘘と裏切りを司る、まつろわぬ神と呼ばれる神族。あらゆる理や秩序に背くことの出来る権能を有し、神の秩序を反転させる《背理の魔眼》をもつ。
- 狂乱神アガンゾン
万物万象を狂わし、乱し、改竄する神。ツギハギの服を纏った幼い男の子の姿をしており、一本の羽根ペンをその手に握り締めている。かつて、不適合者グラハムを排除しようとしたが、逆に彼によって下僕にされてしまっていた。
- 魔眼神ジャネルドフォック
魔眼の秩序を司る神。巨大な石の瞳の姿をしている。緋碑王ギリシリスと盟約を交わしていた。
- 魔剣神ヘイルジエンド
あらゆる魔剣を統べる、剣技の神。光で作られた人形の姿をしており、実は手に持っている魔剣が本体である。緋碑王ギリシリスと盟約を交わしていたが、後にヘイルジエンドはシンを所有者として認めた。
- 輝光神ジオッセリア
光の秩序を司る神。聖者ガゼルと盟約を交わしていた。
- 福音神ドルディレッド
音の秩序を司る神。その姿は音そのもの。教皇ゴルロアナと盟約を交わしていた。
- 穿神ベヘウス
穿つ秩序を司る神。聖者ガゼルと盟約を交わしていた。
- 暴食神ガルヴァドリオン
巨大な漆黒の獣の姿をしている。覇王ヴィアフレアと盟約を交わしていたが、彼女によって覇竜に変えられていた。
- 寄生神エンネテロトン
寄生の秩序を司る神。覇王ヴィアフレアと盟約を交わしていた。
- 結界神リーノローロス
結界の秩序を司る神。布を裸体に巻きつけた淑女の姿をしている。緋碑王ギリシリスと盟約を交わしていた。
- 水葬神アフラシアータ
水葬の秩序を司る神。水の体を持つ性別不祥の武人の姿をしている。冥王イージェスと盟約を交わしていた。
- 天門神カテナアミラ
厳かな門に手足が生え、不気味な顔が浮かんだ姿をしている。勇者カシムと盟約を交わしていた。
- 複製神アウスラビア
複製の秩序を司る神。勇者カシムと盟約を交わしていた。
- 征服神ゲヘドビッチ
征服の秩序を司る神。根源を征服する力を持つ。魔導王ボミラスと盟約を交わしていた。
- 緊縛神ウェズネーラ
拘束と停滞を司る神。全身に鎖を纏った男の姿をしており、万物は秩序の鎖にて縛られ、停滞を余儀なくされる。ウェンゼルのことを母と慕っている。
- 開花神ラウゼル
開花の秩序を司る神。農夫のような格好をした男の姿をしている。ウェンゼルとは友人。
- 炎熱神ヴォルドヴァイゼン
炎熱の秩序を司る神。
- 氷雪神フロイズアテネ
氷雪の秩序を司る神。
- 重神ガロム
重力の秩序を司る神。
- 呪形神(じゅぎょうしん)デュボラ
呪いの秩序を司る神だと思われる。
- 赤刃神(せきじんしん)
詳細不明。
- 軍神ペルペドロ
戦火の秩序を司る神。また、秩序の軍勢を率いる、戦の神。赤銅色の全身鎧を身に纏い、金の輝きが混ざった赤いマントを羽織った姿をしている。
- 剣兵神ガルムグンド
剣のようなフォルムをした蒼白き鎧を纏った姿をしており、右手には透き通るような神剣を携えている。
- 槍兵神シュネルデ
槍を彷彿とさせる蒼白き鎧を纏った姿をしており、輝く神槍を手にしている。
- 弓兵神アミシュウス
弓の如き意匠をした蒼白き鎧を纏った姿をしており、馬に跨り、巨大な神弓を持っている。
- 術兵神ドルゾォーク
それ自体が魔法陣の形をなしている蒼白き鎧を纏った姿をしており、両手に神杖を握っている。
- 勇気神レイグランズ
勇気の秩序を司る神……?。
番神
- 時の番神エウゴ・ラ・ラヴィアズ
時間の秩序を守護する神。白い手袋をはめ、真っ白なフード付きのローブを纏った姿をしており、顔が見えない。あらゆる事象の時間を自在に操ることが可能で、肉体の時間が止まっているため、傷を負わせることは基本的に不可能。そのため、倒すにはエウゴ・ラ・ラヴィアズの持つ《時神の大鎌》を破壊する必要がある。
- 再生の番神ヌテラ・ド・ヒアナ
再生の秩序を守護する神。二本の杖を手にした異様に長い髪の幼女の姿をしている。
- 想いの番神エヌス・ネ・メス
想いの秩序を守護する神。霧でできた鎧騎士の姿をしている。
- 夢の番神リエノ・ガ・ロアズ
夢の秩序を守護する神。
- 空の番神レーズ・ナ・イール
空の秩序を守護する神。翼を持つ人馬の淑女の姿をしている。
- 守護の番神ゼオ・ラ・オプト
守護の秩序を守護する神。巨大な盾を背中に背負う屈強な大男の姿をしている。
- 死の番神アトロ・ゼ・シスターヴァ
死の秩序を守護する神。槍、斧、剣、矢、鎌など十数種類の刃を持った黒い影の姿をしている。
- 音の番神ミラヒ・イデ・ジズム
音の秩序を守護する神。
- 破壊の番神エグズ・ド・ラファン
破壊の秩序を守護する神。翼を持つ天使の影の姿をしている。
- 堕胎の番神ヴェネ・ゼ・ラヴェール
堕胎の秩序を守護する神。巨大なクチバシと鋭い爪を持つ黒い怪鳥の姿をしている。
神獣
- 神獣グエン
神の猟犬。銀の体毛と、鋭く巨大な牙を持った獣の姿をしている。また、この獣に食われると、精霊でも滅んでしまい、そして、精霊魔法による攻撃を受けると、それを吸収して巨大化する。
一覧(銀水聖海) ※ネタバレ注意
ここでは、主神以外の銀水聖海の神族を記述する。
創造神
銀水聖海において小世界の名前は、その世界の創世を行った神——即ち創造神の名となるため、小世界の名と創造神の名は同じである。
- 創造神エレネシア
詳細はエレネシアを参照。
- 創造神ドルケフ
鋼鉄世界ドルケフの創造神。
- 創造神バランディアス
銀城世界バランディアスの創造神。
- 創造神サイライナ
水算世界サイライナの創造神。
- 創造神ヒンズボル
瘴気世界ヒンズボルの創造神。
- 創造神アプトミステ
絵画世界アプトミステの創造神。
- 創造神ウィスプウェンズ
吟遊世界ウィスプウェンズの創造神。
- 創造神ゼオルム
古書世界ゼオルムの創造神。
- 創造神ライニーエリオン
思念世界ライニーエリオンの創造神。
- 創造神パリビーリャ
粉塵世界パリビーリャの創造神。
- 創造神アズラベン
聖句世界アズラベンの創造神。
- 創造神オルドローブ
羽化世界オルドローブの創造神。故人と推測される。
- 創造神ラジアス
魔炎世界ラジアスの創造神。
- 創造神フォールフォーラル
夢想世界フォールフォーラルの創造神。故人と推測される。
- 創造神ディメディオン
呪歌世界ディメディオンの創造神。
- 創造神ローデンヌ
教育世界ローデンヌの創造神。
- 創造神ルツェンドフォルト
傀儡世界ルツェンドフォルトの創造神。
- 創造神バーディルーア
鍛冶世界バーディルーアの創造神。
- 創造神ハイフォリア
聖剣世界ハイフォリアの創造神。
- 創造神イーヴェゼイノ
災淵世界イーヴェゼイノの創造神。幻獣に取り憑かれている可能性が存在する。
- 創造神テルネス
魔弾世界エレネシアの先代創造神。小さな女の子の姿をしている。根源を酷使して擬似銀泡を創り続けたため、限界を迎え、創造神エレネシアに魔弾世界を託し、滅びた。
- 創造神ボルムテッド
融合世界ボルムテッドの創造神。融合体と融合したと思われる。
- 創造神ライメニ
擬態世界ライメニの創造神。
- 創造神バルドンアデネス
震動世界バルドンアデネスの創造神。
- 創造神ザガロ
停滞世界ザガロの創造神。
- 創造神アリファーバ
有翼世界アリファーバの創造神。
- 創造神ミヒャイム
鬼刃世界ミヒャイムの創造神。
- 創造神リブラヒルム
聖川世界リブラヒルムの創造神。
- 創造神ドゥーダウス
牙獣世界ドゥーダウスの創造神。
- 創造神グラウヴェノア
個別世界グラウヴェノアの創造神。
- 創造神ゴーズヘッド
魔眼世界ゴーズヘッドの創造神。
- 創造神リステリア
銀水世界リステリアの創造神。故人と推測される。
- 創造神ラーヴァシュネイク
願望世界ラーヴァシュネイクの創造神。
- 創造神デボロスタ
絡繰世界デボロスタの創造神。故人と推測される。
その他
- 赤眼神ゼムズガルド
魔眼世界ゴーズヘッドの太陽として空に浮かんでいる神。真っ赤に染まった太陽の姿をしており、それは人の目のようである。
- 破壊神ウォーザーク
第七エレネシアの破壊神。
- 裁定神オットルルー
銀水学院パブロヘタラの裁定を司る神。《追憶の廃淵》から蘇った《廃淵の落とし子》とされており、生前の記憶を喪失している。
- 絶渦の絡繰神
詳細はヴラド(魔王学院の不適合者)を参照。
関連用語
選定審判
生ける人々から、滅びた神の代理となる代行者を選定する整合神エルロラリエロムの秩序。「選定神」は代行者を選ぶ神のことで、全ての神が選定神となる資格を持つ。代行者の候補として選ばれた「八神選定者」が、それぞれ審判を受け、より代行者に相応しい者が選ばれる。選定者は、自らを選んだ選定神を召喚できるように盟約を交わす事が出来る。