ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

エクエス

はぐるまのしゅうごうしん

エクエスとは、ライトノベル『魔王学院の不適合者』に登場する人物であり、第十章《神々の蒼穹》編までにおける最重要人物の一人である。
目次 [非表示]

ザーザーとノイズ交じりの不吉な音が、頭蓋に響く。


『世界は優しいと──』



『世界は優しいと──思っているのか?』


『愛と優しさがあれば、奇跡が起きると思っているのか?』


『ならば、再び思い出すがいい。秩序という名の無機質な絶望を。人間が願おうが、魔族が嘆こうが、竜人が怒ろうが、世界の意思は変わらない。善人も悪人も、等しく結末は同じこと』



ザッ、ザザッ、ザーと頭に響くノイズが、まるで俺を嘲るように聞こえた。



『世界は決して、笑ってなどいないのだから』



 ◇



不気味な声が響いた。



『……最後の希望は──』


『……最後の希望は、すでに潰えた。警告した。世界を創り変え、私を排除することが、お前たちの願いが唯一叶う道──』


『それは、途絶えた』



ぎちり……ぎちり……と、不気味な歯車の音が鳴っていた。



『汝はわかっていない。歯車はとうに回り始めた。絶望は希望の中にこそあるのだ』


『願いなど叶いはしない。想いなど届きはしない。歯車から異物は取り除かれ、世界は正しく回るのみ』



ザザッザーッと嘲笑うかのような雑音が木霊する。



『適合せぬ、世界の異物よ』


『私は優しくもなく、笑ってなどいない』


『すべては秩序の歯車が回るが如し』





『私は名もなき存在。なぜならば、唯一にして絶対のこの世界の意思であるからだ』


概要編集

不適合者グラハムが地底で信仰されている《全能なる煌輝》エクエスを模して生み出した歯車の集合神にして、転生世界ミリティア主神となるはずだった存在。


また、自身のことを名もなき存在と称しているが、その出自の経緯やグラハムがそう名をつけたことから、アノス達からはエクエスと呼ばれている。



初登場編集

第十章《神々の蒼穹》編 §【界門】にて初登場した。


容姿編集

ぎちり……ぎちり……と不気味な音を立てながら回転し、互いに噛み合っている無数の光の歯車が、手、足、胴体、頭を形作った姿をしている。


このような姿になった理由は、エクエスの出自が、神族に埋め込まれている目に見えない世界意志の種──性質的にはむしろ欠片に近い──である〝秩序の歯車〟。

これをグラハムが強引に結合させ、一つにしたという経緯があるからだと考えられる。



描写編集

再び世界に正しい秩序を齎すために暗躍していた。


アノスが破壊神アベルニユーを堕としたことにより、滅びが止められていたことで、新たな種族が生まれなくなっていたため、火露を使って無理矢理ホロの子である適合者ヴェイドを作った。


そして、ヴェイドに淘汰神を名乗らせ、神々を滅ぼさせた。そうすることによって、グラハムに改竄された選定審判が自身に神の力を集めてくるようにした。


また、それによって滅ぼした神々を操り、各国に侵攻させ、世界に戦火を広げた。


それと並行して、《破滅の太陽》サージエルドナーヴェ《創造の月》アーティエルトノアによる《終滅の日蝕》を引き起こして地上を焼き払おうとした。それはレイ達によって妨害されたため、威力は減衰したが、それでも地上を十字に割き、四つに分断した。


そして、神界の底でアノス達と対時し、互角の戦いを繰り広げた。しかし、その後三面世界《魔王庭園》にてアノスと戦闘をした際には、極めて頑丈に創られたその世界のおかげで、更に力を引き出せるようになったアノスによって蹂躙され、完膚なきまでに敗北した。


その後、《優しい世界はここから始まる(アール・アント・エルトノア)》により、絶望を希望に変換する水車と風車、窯に創り変えられ、また、それらを更に材料として、銀水聖海を駆ける魔王列車ベルテクスフェンブレムが建造された。


ちなみに、窯はイザベラが調理をする際に使用している。



人物編集

愛と優しさを全く持たない完全なる秩序の走狗で、自身のことを世界の意思であると公言しており、また、人間や魔族、精霊、竜人、更には神族にさえ慈悲はない。


そして、歴代の創造神が創り直し続けてきた数多の世界を滅びに追いやり、その火露を奪い続け、無限にも等しき人々の想いを踏み躙った、まさしく悲劇の元凶。



能力編集

歴代の世界の火露を奪い続けた結果、魔力を抑えなければ泡沫世界が滅びるほどの力を持つに至った。


そして、世界の意思と名乗るだけはあり、秩序の歯車にて神族の意識を操作し、従属させることができる。


魔法編集

ここでは、エクエスが扱う魔法について記述する。

詳細は魔法一覧(魔王学院の不適合者)を参照。


  • 《断裂欠損歯車(アビス)》

欠けた小さな歯車を打ち出す魔法。

アノスの《破滅の魔眼》《四界牆壁(ベノ・イエヴン)》を容易く貫通するほどの威力や速度を持つ。

また、この魔法を同時に雨霰のように降らすことも可能である。


  • 《古木斬轢車輪(ボロス・ヘテウス)》

神々しい銅色の光を放つ木造の古びた歯車を放出する魔法。

その歯車の回転は緩やかだが凄まじい威力を誇り、《終滅の神眼》による黒陽やレイの《想司総愛(ラー・センシア)》でも動きは止まらず、ついにはアノスの根源にまで食い込み、それでも減衰しきれないほどの凄まじい威力を誇る。

また、この魔法を使うには歯車の魔法陣を九つ展開し、更に魔法線を繋げねばならないので、同時に二つ発射することはできない。


  • 《神世歯車支配車輪(ボロス・ヘテロ・アーヴィス)》

歯車の魔法陣を描き、その内部にある無数の歯車と出現した銅の車輪を連結し、回転させて勢いよく発射させる魔法。

アノスの《極獄界滅灰燼魔砲(エギル・グローネ・アングドロア)》と一時的にだが拮抗するほどの威力を誇り、泡沫世界を滅ぼせるほどの力を持つ。

だが、上記の《古木斬轢車輪(ボロス・ヘテウス)》よりは少ない時間のインターバルも確認されている。


  • 《世界のために運命は回る(ベルド・ラーゼ・フェンブレム)》

後述の《運命の歯車》ベルテクスフェンブレムにより、対象にたった一つの逃れることのできない運命を強制させる大魔法。

この魔法が定めたものは〝運命〟であるため、たとえ遥か太古の昔──創世の時に遡ってその〝運命〟を滅ぼす力を発揮したとしても、その事象すら《運命の歯車》に引き裂かれ、無力となり、定めた運命を強制されることとなる。つまり、実質的に受ける側にとっては太刀打ちする手段がない魔法といえる。



特殊編集

ここでは、エクエスが扱う権能について記述する。

詳細は魔眼・権能一覧(魔王学院の不適合者)を参照。


  • 《運命の歯車》ベルテクスフェンブレム

かつて《運命の歯車》に飲み込まれた不適合者たちの力を操ることができ、歯車を回転させることによって、秩序を超えた〝時間〟・〝上限〟・〝不滅〟などの力を扱うことができる。

具体的には、〝時間の歯車〟を回すことで時間を超越した速度で動くことができ、また、〝上限の歯車〟を回すことで自らの膂力の上限を上げたり、自身の質量を世界と同等にしたり、〝不滅の歯車〟では自らを更に不滅にさせることができる。


  • 車輪剣ベルテクスフェンブレム

秩序を歪め、戦闘には向かない《運命の歯車》を剣に変えたもの。

横薙ぎに振るうだけでもアノスの肉を削ぎ、骨まで達するほどの力をもつ。

恐らく《運命の歯車》と同じ運命を強制する力があると考えられる。

エクエス曰く、今までの攻撃はただ歯車を撃ち放っていたものであり、これこそがベルテクスフェンブレムの真なる力らしいのだが──











──アノスの《涅槃七歩征服(ギリエリアム・ナヴィエム)》により、真の力を見せるまでもなく完膚なきまでにボコボコにされてしまい、《運命の歯車》とエクエスはミーシャによって窯や水車、風車などに創り変えられてしまったため、車輪剣の真価は未だ謎となっている。




余談編集

創り変えられた今もかつての意識が残っており、

『覚えていろ、女ぁっ!このかまどの火は、いずれ絶望の炎となり、なにもかもを焼き尽くすのだ』

などとほざいているが、イザベラはそれを

「ふふふー、エクエスちゃんは働き者だもんね。これっぽっちのパンじゃ焼き足りないわよねっ!」と、

〝パンを焼き足りない〟という意味だといつもの如く誤解しており、エクエス窯を使って、パンは勿論、グラタンや野菜、肉や魚などを沢山焼いて料理を作っている。




『ぐうぅぅっ……ああ……燃える……絶望がぁぁ――』


「よかったね。楽しんで焼いてね」

 にっこりと母さんが笑う。

 バタンッとフタが閉められ、エクエスの声が消えた。




関連タグ編集

魔王学院の不適合者

《全能なる煌輝》

世界主神

神族(魔王学院の不適合者)

関連記事

親記事

魔王学院の不適合者 まおうがくいんのふてきごうしゃ

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 197

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました